葉山と天羽の関係性とは
「いやいやぁ、でもほんと、こうやってまた会えて良かったよ。 うんうん」
「うんうんじゃないわよ……。 あんた、マジで退院したら覚えときなさいよ」
真っ赤になった目で葉山は言う。 こいつは一連の事が冗談だと分かっても尚、泣いてしまったのだ。 それを必死に天羽が宥めて、今に至る。
……というかマジで、今回ばかりは葉山と同意見だな。 あそこまで大掛かりに死んだ振りをする奴なんて見たこと無いぞ。
「でもさー。 あたしが泣かしたかったのは八乙女くんでも歌音ちゃんでも無くて、葉月ちゃんだったんだけどなぁ!」
「私?」
「そうそう! 歌音ちゃんは結構涙もろいからつまらないし、八乙女くんは泣いても「ああそう」って感じでしょ?」
ああそうって何だよ! 俺はこれでも結構マジで泣いてたんだぞ!! もっと感想無いのか!!
「無理。 知ってたから」
「……知ってた? おい葉月、どういうことだ」
「苦しい。 裕哉苦しい」
俺が葉月がふと漏らした言葉を聞き逃すわけも無く、葉月の顔を両手で挟む。 うまく息が出来ないのか、葉月はそんなことをされながらも無表情で言う。
「……最初に、お医者さんの顔を見て分かった。 あ、これ冗談だって」
「その時言えよ!! 俺と葉山がどんな風になってたか見てただろ!? 知ってただろ!?」
「ゆ、ゆゆゆゆらさないででで。 ゆゆゆゆうや」
「……ったく。 でもさ、葉月も葉月で悲しそうじゃなかったか? 服の裾ギュって掴んでさ」
「あれは、面白いのを堪えてた」
「紛らわしいんだよッ!!」
「いたっ」
「わははは!! いつものだいつもの! あたしには無いわけ? それ!」
「何でだよ! 別にこれって遊びでやってるわけじゃないからな……」
「良いから良いから! それなんか、仲良さそうで羨ましいんだよぉ! やってやって」
いひひ、と笑って言いながら天羽はベッドの上で俺に顔を向ける。 手術後とは思えないな……。 元々こいつ、元気いっぱいなんじゃないか?
「分かった分かった。 じゃ……」
言って、俺は天羽の額にデコピンをする。
「……一応、病み上がりだからな。 これで良いだろ? もうあんな悪ふざけするなよ、本当に」
「うひひ。 はいはい分かったよ! 次はもーちょい軽めのジョークでね! 了解了解!」
本当に分かっているのかな……。 凄く、物凄く心配だが、とにかくなんていうか。
「……ま、一件落着か」
最後の最後に色々と天羽に引っ掻き回されてしまったが、手術は無事に成功で、その後の経過も天羽を見る限り問題無いと思う。 勿論、今は絶対安静とのことなのでいきなり遊んだりは出来ないけれど。
「だと良いけど」
俺の独り言に返したのは、葉山だった。 葉月と天羽は何やら話し込んでいて聞こえていなかった様子だけど、葉山は俺のその言葉に対して、そう返したのだ。
「へ?」
「別に、何でも無いよ。 八乙女君が一件落着だと思えば、それはそうなんだしさ」
時々、良く分からない事を言う葉山だが……。 普段は対して俺も気には止めない。 だけど、今回ばかりはどうにもそれが気になってしまう。
「……へえ、そっか」
しかし、俺はやはりそれを聞くことは出来なかった。 聞いたら、何か嫌な方へ動いてしまいそうで。
「おっし! じゃあ皆、さすがにどっか遊びに行こうってのは無理だけど、頭を使うことなら大丈夫だよね?」
葉山は手を叩き、全員の顔を見て話を始めた。 今度は一体何だろうか?
「ってわけで、夏が終わればすぐ学園祭。 どんな新聞出すか考えよ。 まずはテーマね」
「新聞? 何それ」
「……私達の部活でしょ! 活動内容! 覚えてないの神宮さん!!」
えーっと、なんだっけか。 確か……催し毎に新聞を出すとか? そんな話をしたようなしていないような。
「ていうか、天羽さんも八乙女君もすっかり忘れてたでしょ……。 そんな適当だと、本当に部活無くなるわよ」
「いやいや! あたしは覚えていたよ! マジマジ!」
めちゃくちゃ信用出来ない言葉だな。 こいつの「マジ」程信用出来ない言葉は無いんじゃないか。
「へえ。 じゃあ天羽さん、何かテーマ出して。 余裕でしょ?」
「よ、よゆー。 超よゆー。 任せてね……えっと……」
「適当な新聞を切り取って貼り付けて提出! よしオッケー!」
「はい却下。 次の案よろしく」
「だ、駄目っ!? ええっと……それならじゃあ……」
「あ!! なら他の新聞出してる部活のを盗んで……それを自分達の物として提出! オッケー!」
「……ちょっと良い案かも」
「よくねえよ!! お前ら考えが悪すぎるぞ!!」
てか、そんな事したらすぐにバレて大事件じゃないか。 俺は嫌だぞ、そんなので学校生活がめちゃくちゃになるなんて。
「裕哉、裕哉」
俺が頭を悩ませていたところに、葉月がいつものように俺の服の裾を引っ張りながら言う。 寝ていない所為か、葉月の顔はどこかいつもと違って見えた。
「ん? どうした?」
「アニメの記事書きたい」
「お! 趣味のことか! 良いね葉月ちゃん! んじゃあ、あたしは……病気の事?」
「ネタが重いなおい!!」
「わはは! ならどうしよっかなー? うーん……」
「趣味の事か……でもそうだとしても、俺も内容困るな。 趣味なんて無いし、敢えて挙げても「ぼーっとすること」だし。 どうしよう」
「大丈夫。 裕哉もアニメの事書こう」
「まぁ、それなら書けなくも無いかな?」
と、俺と葉月と天羽で盛り上がっていた所、葉山がついにぶち切れる。 普段から結構切れやすい葉山ではあるが、本当に切れると口調が大人しくなるのだ。
「うーん、皆ちょっと良いかな?」
俺も天羽もこれはヤバイ流れだと瞬時に悟った。 だって葉山笑ってるんだもん。
葉月はこの非常事態を分かっているのか分かっていないのか、それすら分からないけどな。 表情に変わりが無いので。
「あくまでも部活として出すの。 分かる? あはは。 だから趣味とか書いて良いわけ無いよね? 催し毎に出す意味、ちょっと教えてくれない? えーっと」
葉山は言いながら、天羽から葉月へ、そして葉月から俺へと視線を動かして……止まった。 今回のターゲットは俺か。
「八乙女君。 教えて?」
「あ、え、えと……。 そ、そのイベントの内容を記事に起こすから……とか?」
「さっすがー。 正解正解。 ならどうして趣味の事を書こうとしたの? 天羽さん」
次は天羽か。 この調子だと全員に矛先が向かっているな……。
「そ、それは! それはね……は、葉月ちゃんが言い出したからかなぁ!!」
責任転嫁しやがった! なんて奴だこいつ!
「なるほど。 天羽さんアウトね」
「……はい」
どうやら、その行動がいけなかったらしい。 葉山のアウトラインを超えたようである。 こうなると後ほど説教が飛んでくる。 ちなみに俺は一回経験有りだ。
「じゃあ、最後に神宮さん。 どうしてかなぁ?」
「……裕哉の指示」
「おい!?」
こいつまで責任転嫁か!? それアウトになった例をついさっき見たじゃねえか!!
「ふうん? 八乙女君、そうなの?」
「いや俺は……」
必死に否定しようとしたところ、横で葉月が小さく言う。 葉山には聞こえないように。
「……裕哉、命令。 犠牲になれ」
こ、この野郎……! 無表情で淡々と言いやがって……! さすがの俺でもそんなことは……。
「……あー、そうだよ。 俺が言い出した」
本当に、嫌になってしまう。 でもこれで葉月と天羽が葉山の魔の手から逃れられるのなら、別に良いんじゃないかとも思う。
「へえ。 じゃあ三人ともアウトー。 あはははははは」
しかしそんな想いも、葉山の前ではあっさりと壊されるのだ。 この罰ゲームを受ける奴を選ぶゲームは、葉山の気分次第でどうにでもなるところがある所為で。
「んじゃ、そういうわけで、学校が始まったらまずは他の部の出し物を調べるわよ。 で、その中から面白そうなのをピックアップして、記事に纏める。 そうすれば相手側も協力してくれるだろうしね。 広告の効果ってのもあるし」
どうやら罰ゲームは天羽が退院してからとのこと。 まとめて説教をしたほうが葉山としても楽、との理由から。 そして今は、先程の学園祭の時に出す新聞の内容と書き方、ネタの集め方等の最終確認。
「了解。 でも、部活っていくつくらいあるんだ? 俺達の高校」
「今あるのだけで約六十個。 で、常に減ったり増えたりしてるし、学園祭前になると友達同士でやりたいことやる為に、適当な部活を作る人も居るからね。 百個くらいにはなるんじゃない?」
「そんなあるのかよ!? てか、部活ってそもそもそんな簡単に作れるのか?」
「作るだけなら、ね。 作って一ヶ月の間は絶対に廃部ってことは無いから、学園祭前に一度立ち上げて、終わったらそのまま放置。 ってのが結構あるのよ。 常に活動していて内容がしっかりある部活って、うちの高校じゃ結構珍しいみたい」
「なっるほどー。 なら負けられないね! 他の適当な部活なんかに!!」
「負けられないって……俺達のすることって新聞出すだけだろ?」
それに、俺達のやっていることもかなり適当な物だろ。 毎日部室に集まって、お茶を飲みながら雑談したり、アニメを見たり。 改めて考えるとろくでもない部活だな。
「へ? どして? 折角の学園祭なんだし、何か皆でやろうよ! 例えば……メイド喫茶とか!!」
「絶対嫌。 死んでも嫌。 八乙女君一人でやってよ」
「どうして俺なんだよ!! 言い出したのは天羽だろ!?」
「あたしは会計するから、葉月ちゃん任せたっ!」
「メイドは嫌い」
そう言えば、葉月はアニメ見ている時もメイドが出てくるとあからさまにため息吐いてたっけ。 何か理由があるのだろうか。
「命令されるのは嫌」
……はは、そういうことですか。
「てかね、まずそんな暇があるかどうかでしょ……。 時間があれば何かしらやるのは良いと思うけど、そもそもまずは新聞作りよ。 しっかりそれはやっておかないと」
「あー!! じゃあさじゃあさ、映画とかどう!? 皆で映画作るの!! やってみたかったんだよねぇ!」
「映画か。 それちょっと面白そうだな……。 ホラー映画とか!」
「おおお! 良いね良いね。 ある日、いつものように夜中の街中を徘徊していた八乙女くんは二人の妖怪に襲われる。 一人は茶髪の性格悪い妖怪で、もう一人はアンティーク人形のような妖怪! どう!?」
「神宮さん、こいつぶっ飛ばしましょう」
「うん」
葉山と葉月がタッグってのも珍しいな……。 いやてか、それより「いつものように」ってなんだよ! 俺にはそんな変な趣味はねえ!
「待った待った!! 冗談冗談! ならなんか別の映画つくろ! 他の奴で良いから!! 葉月ちゃんと歌音ちゃんが好きなので良いから!!」
「なら、葉山と戦う映画が良い」
「……お、それ良いかも。 で、神宮さんがボコボコにされてハッピーエンドってわけね」
「違う。 葉山が消滅してハッピーエンド」
「いやいや、神宮さんが腕と足消し飛ばされて、私に必死に命乞いをしながら絶命してハッピーエンドでしょ?」
「違う。 葉山が私に土下座して、だけど結局最後は死んでハッピーエンド」
「上等だこの人形クソ女ッ!!」
やはり先にキレるのは葉山か。 というか、こいつらも少しは仲良くなったと思ったのに……結局これかよ。
「いやぁ、いつも通りだね」
隣に居た葉月にすぐ傍まで葉山が来て言い合いを始めてしまったので、俺は天羽の横へと移動する。 んで、空いていた椅子に座った所、天羽が笑いながら俺にそう話し掛けてきた。
「……そうだな。 いつも通りだよ」
目の前にはギャーギャーと喚き合ういつもの二人。 それを見ながら、ため息を吐く俺。 笑ってみているのは天羽だ。
「わはは。 あたしが絶対安静っての忘れられてない?」
「忘れられてるだろうな。 ごめんな、こんな騒がしくなっちゃって」
「いーんだよ。 このくらいが、居心地良いんだ。 静かなのは嫌いだしさ。 また、皆と遊べるって思うと、こう……なんていうか、気持ちがぶわーって溢れてくるんだ」
「はは、そうか。 けど、あいつらに合わせるのは大変だぞ……本当に」
「知ってる知ってる。 でも楽しいから大丈夫だよ。 少なくとも、病室からずっと窓の外を見ているよりかは」
「かもな」
天羽はいつもの元気いっぱいな感じとは違い、優しく微笑んで葉山と葉月の言い合いを眺めていた。 向いている先は、窓の外にある止まった時間では無くて、過去の時間でも無くて、今。
しっかりと今を見て、今と向き合う。 そして、未来に向かって歩いて行く。 天羽はきっと、これからもそうするだろう。 葉山歌音という奴を知って、知られて。 一緒に仲良く……とは言えないかもしれないけど。
だけど確実に、一歩一歩進んで行く。 そこにはきっと、葉山が居て、葉月が居て、俺が居る。 少なくとも天羽が見ている先は、そんな未来なのかもしれない。
すれ違い、恨み恨まれていた葉山と天羽の関係。 覚えていた天羽と、忘れていた葉山。 思い出した天羽と、思い出せなかった葉山。 そんな二人の、ぎこちなくもしっかり結ばれた友情の話。
きっとそれには、二人だけにしか分からない事もあるのだろう。 だけど、それでも俺に分かる事は一つだけある。
葉山と天羽は、そんな関係から変わっていったことくらいはな。
俺と葉月とは違って、こいつらの場合、関係性は変わったんだろうさ。 すれ違っていた二人が偶然出会って、過去を悔やんで、反省して。
そうして二人共、今を見て未来に向かう。 そんな関係は、友達って呼べるんじゃないだろうか。
「そういや、忘れてたな」
「ん? 忘れてたって?」
「お前が意識失う前、俺に言っただろ? その返事」
「えーっと? なんか言ったっけ……?」
こいつはどうやら、俺に言うだけ言って終わりにしようと思っているらしい。 自分の言った事を忘れてるってのはつまり、そういうことだ。
だけどな、俺はそれにしっかり返すぞ。 言われたままってのは嫌なんだよ。
「どういたしまして、天羽」
学んで、歩いて、進んで行く。
きっと俺も、そうやって進んでいると信じたい。 自分を信じて、友達を信じて。
「ああ、あれか! わはは。 歌音ちゃん並に律儀だね、八乙女くんも」
「そうか? お前には負けるけどな」
「あたし? あたしってなんかそんな部分あったっけか?」
「さぁ」
あの時言っていたもう一つの言葉。 恩返しをするという、その言葉。
それは、絶対に生きるという意味だったのかもしれない。 そういう、些細なメッセージ。 真偽なんて天羽に聞かなければ分からないけどな。
だけど、そうやって天羽は言って、今生きている。
それ自体がもう、俺に対する充分な恩返しになっているよ。 少なくとも俺は今、天羽が生きていて、葉山と葉月がいつも通りに言い合いして、騒がしくて。
そんないつも通りが、堪らなく嬉しいのだから。
「あー、でもさ。 やっぱり言葉だけのお礼じゃあれだから」
俺が葉山と葉月の未だに続く喧嘩を眺めていたら、横から天羽がそんな事を言う。
そして、その天羽が俺に近づいてきた気がして。
横を見る間も無く、返事をする間も無く。 俺の頬に、柔らかい感触があった。
「うひひ。 どう? お礼」
「お、おまっ! どうって……お前なぁ!?」
季節は夏。 時期は八月の中旬。 太陽も大分上がってきて、外の気温は高くなっていそうだ。
もう少し経てば、葉山が言っていたように学園祭も始まるし、その後は体験学習で北海道だ。
こいつらと同じなら、それも思いっきり楽しめそうで、今からかなり楽しみなのは敢えて言う必要も無いだろう。
「減る物じゃないしねー。 あっはっは!」
高らかに笑う天羽に、俺は小さな声で返事をする。
「……死ぬかと思った。 今の見られてたらどうするつもりだったんだよ!」
「どうするって……別に? それに大丈夫だって! そんなので死なないよ~。 あたしだって元気だし!」
いやいや、もうそういう問題では無くてだな。
「……よーし分かった。 人形、あんたちょっと表出なさいよ」
「葉山に譲る。 そこに丁度良く窓がある」
「ほ、ほーう……」
「わはは! 二人ともいけいけー!!」
「煽るなよ……ったく」
こうして、俺達の旅行は終わる。 楽しくて、切なくて、悲しくて、そして少し……暖かい。 そんな短い夏の旅行。
……ん? 旅行?
「あれ、おい。 葉山、葉月」
「なによ!? 今忙しいんだけど!!」
「いや、そうじゃなくてさ……蒼汰達、一緒に来てただろ? 誰か連絡取ったか? 俺達が今どこにいるかとか、何してるかとか」
「……あ」
さて、これから大変そうだ。 あいつら多分、大騒ぎだろうな。 俺と葉山と葉月と天羽がどこかへ行って、未だに誰一人も帰ってこないとなると。
「一件落着だね! わはは!」
……一件落着ということにしておこう。
「全く……」
思えば、葉山と天羽は似ていたのかな。 周りに偽っていた葉山と、自分を偽っていた天羽。 騙す相手は違っても、信じる物は同じ物。
あの時は自分だけを信じて。 けれど、今は友達も信じて。 いつだって人は支えあって生きている。 もしもそんな人が居なくても、いつかきっと見つかるはずだ。
それは周りを騙して、他人との間に強固な壁を作っていた葉山歌音が、大切な友達と呼べる人が見つかったように。
それは自分を騙して、他人との距離を縮めていた天羽羽美が、大好きだと言える友達が見つかったように。
俺の場合は、果たして誰になるのだろうか。
今はまだ、分からない。 だけどきっと、いつかそんな人が見つかるような気がする。
そんな未来の話は考えるだけ無駄かな。 俺が居るのは今で、今この時を生きているんだ。 神宮葉月という無表情の友達と、葉山歌音という性格の悪い友達と、天羽羽美という笑顔が絶えない友達と。
それが今で、俺は皆が居るその今が、大好きなのだから。
この思い出はきっと、忘れたりはしないだろう。 葉山も、天羽も。
以上で第二章終わりです。
読んで頂いた方、お気に入りして頂いた方、ありがとうございます。
次回から、第三章となります。




