学校での変化!?
「何でそんな学校に行きたがる?」
俺は太郎に疑問に思った事を聞いた。
「だってすごく楽しかったんだよ?学校」
なんでだ!俺は誰にも話しかけれず、毎日、孤独に過ごしてきた。なのに太郎はたった2時間でみんなとふれあい、仲良く、楽しく過ごしのだ。俺は、太郎が無性にむかついてきた。
「なんだよ!テストもできなかったくせに」
「できたよ。数字は向こうの世界でも取り入れたものだから」
「じゃあ100点とれたのか!?とれなかっただろう!」
俺が強く言うと、太郎は少し退いた。
「なんで怒っているのさ!」
「とりあえず、明日は俺が行く!ただ、」
俺はこのままじゃ少し太郎が可哀想だと思ったのだろう。
「今は花札やろう」
「うん!」
太郎は笑ってうなずいた。
しばらく、俺らは花札をしていた。向こうの世界でも花札は流行っているようで、太郎にやり方を教えなくてもやることができた。太郎は意外にも強かった。めずらしい戦法で攻めてきた。
「なかなかやるな、太郎・・・」
「まあね、お父様にだって勝った事はある」
そんな具合で花札を続けていると疲れてきた。
「風呂でも入ろうか。まだ父さんも母さんも帰って来ない」
「うん!」
またしても太郎は笑ってうなずいた。
風呂に二人して入ってみると、とても狭く感じた。初めてだった。兄弟がいない俺には、こんな賑やかな風呂は初めてだった。何だかとても楽しかった。向こうの世界はどうなっているんだ?とか、どんな仕事がある?とか。いろいろな話題でいっぱいだった。家族でも、友達でもない、ただの「自分」。誰も味わった事のない経験だろう。
風呂から上がり、部屋に行くと、二人ともすぐに眠りについてしまった。学校に行って疲れたのだろう。明日もがんばろうと思った。
(あ、今日は何だかいい夢が見れそうだ。)
朝、太郎の声で目が覚めた。
「eat too much・・・」
英語だった。寝ている間にアクセサリーが誤作動を起こしたのだろう。というか、なんてベタな。
俺は太郎を起こさないように学校へ向かおうとした。
「Wait!」
後ろで太郎の声がした。起こしてしまったのか。
「Are you already go to school?」
「日本語で喋ってくれない?」
「oh!Sorry」
太郎は首もとで何か作業をした。
「もう行くの?」
日本語になった。
「ああ、じゃ!いってくるわ」
「いってらっしゃい」
俺は俺の姿をしたやつに送り出された。
学校に着くとまだみんながよって来た。
「今日もアクセサリーねぇな」
「準太郎、今度遊ぼうぜ!」
「意外と準太郎って楽しいやつだったんだな」
昨日とは何ら変わりないことだったけれど、悪い気はしなかった。いや、嬉しかった。みんなに話しかけられて、みんなに注目されて嬉しかった。太郎はこれだけでも十分な恩返しだと思う。太郎に感謝してもしきれない。
「準太郎、ちょっと来い」
先生だった。俺は廊下に呼び出された。
「先生はな、みんなと仲良くなっている準太郎を見れるのは嬉しいが、テストがおろそかになっては駄目だろう」
昨日のテストの話だった。太郎のやつ、相当テストの点が悪かったらしい。前言撤回。太郎はそんな恩返しはしていない。+ー0だ。
ただ、今日は一日みんなと楽しく過ごせたのが嬉しかった。
放課後、俺が帰ろうとした時、道の端に宮城が立っていた。そして俺の方をじっと見ていた。
(なんだ?何かあったのか?)
「準太郎君、話があるんだけど・・・」
俺は一気に心拍数が上がった。
次回は17日投稿予定!!見てください!