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久しぶりの女子会 ってこんなんだっけ?

「今日は女子会だよー!」

ノエルのクラッカーの乾いた音が響き、ギルドに甘い香りが広がっていた

テーブルにはケーキや焼き菓子、飲み物が所狭しと並べられている

マスターが小言を言おうとしたが勢いに押され

「ロゼッタも最近は毎日のように来るな……片付けて帰ること」

そう言い残しトボトボと帰って行った


「やはりというか、ノエルちゃんが1番騒がしいですね」

ロゼッタがあきれている

その隣には目を輝かせて座るセリナがいた

「女の子同士の、こういう時間に憧れてたんですっ!」

満面の笑みでそう言ったセリナだったが

「最初のお題はセリナちゃんの密輸団壊滅から!」

「女子会ってそういう感じでしたっけ!?」


かしましい女子会が幕を開けた


――

「これ、マスターが隠してたSAKEよ!」

ロゼッタがニヤリと笑いながら木箱を掲げた瞬間、場の空気が変わった

甘ったるい香りの中に酒が混じる――そこから先は誰にも止められなかった


「地面が『バコッ』て開いたんです!『ズボッ』て落ちて!地下で『ギャー』って!本気で死ぬかと!」

身振り手振りで熱弁するのはセリナ

「セリナちゃん漫画の世界じゃん」

ロゼッタが微笑みながらワインをあおる

「それで?シル君とはどうしたの?」

ノエルがふんっふんと鼻息荒く聞く


「低い声で『下がってろ』って――私をかばって敵をバッサバッサ!」

「それってもう【背中を預けた関係】ってやつじゃないの?」

「えっ?でも私は木箱ぶん投げただけですよ!」

セリナが投げるフリをしながらツッコむ


「それで~シル君の印象はどうなの?」

「最初は怖かったけど……最近はなくは無いです」

「「うひょ~シル君逃げて~」」

かなり先輩達は悪酔いしてる


――


ノエルが遠い目をする

「まさかセリナちゃんの【活躍1号】が事務じゃなくて事件とはね」

「次落ちたら、ちゃんとロープとヘルメット持って行きます!」

「次落ちる前提なの?」

泥酔の全員がケラケラ笑う


さて

「次は彼氏にされたら嫌な行動コーナーだよ~」

えっ彼氏?2人共固まる

「セリナは1番困った男は~?」

「いやそんな、付き合った経験ないです……」

「可愛いい!セリナちゃんは闇ギルドの天使さんだ~」

「そんな目で見ないで下さい!ノエルさんはどうなんですか!」


ノエルが一瞬止まりモジモジしながら答える

「えっ……ちょっとそういう経験はロゼッタさんの方が」

急に話しを振られてロゼッタ

「私?……恋愛小説とかなら分かるけどな……」

耳が真っ赤になりピクピク動く


3人とも何かモジモジし出して女子会はお開きになった


ギルドの平和な1日は終わる

次のトラブルは、たぶんすぐそこ


――


「セリナ昨日の女子会はどうだった?」

マスターに聞かれたセリナは遠い目をして答えた

「私は……私は普通の女子会がしたかっただけなんです」


「それはうちのギルドではムリだな」

マスターの一言にセリナはそっと目を伏せた


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