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ノエルの依頼書電子化計画

ある日

ノエルは珍しく真剣な面持ちで席についていた


カウンターの上には何冊もの依頼書の山

「これが全部紙ってのが問題ね」

ノエルは独り言のように呟いた

「よしっマナ化しよう!」

それが地獄の始まりだった


――


在宅の日なのにロゼッタがマスターに呼ばれる

「ノエルが変な事してるから来てくれ」


「大丈夫!依頼書を鑑定してマナに分解管理すればいける!」

「それはいいけど……ちょっと面倒かもよ?」

ロゼッタは興味を示しながらも心配そうに言う

「大丈夫!やればなんとかなる!とにかく効率化よ!」


魔法都市から帰って以来

変な魔導装置好きと褒められハイになってる


――


ノエルはさっそく電子化計画を実行した

「マナにして魔導端末に入れて、再生ボタンを押せば」

「あらっ確認早くなったわね」

しかし、問題が

「そのマナ化って、ちょっと手間がかからない?」

「もちろん!だからロゼッタさん呼ばれたんじゃない?」


――


1日がかりでマナ化システムを完成させた

「これでうちのギルド受付も一歩未来に!」

ノエルは自信満々に端末を操作した


「あれっ?最初の方の依頼書が無い」

「ノエルちゃんがやった分、上書き保存されてるわよ……」

ノエルは泣きそうになる


こっそり机の下でイルカに聞いてみる

「上書き保存の修正方法は?」

『上書きしないように気をつけましょう』


ノエルは崩れ落ちた


――


「今日は帰れないわね」

ロゼッタの宣言通り、徹夜でバグ修正作業は行われた

途中でシルが気付いて手伝おうとしてくれたが

「ちょっとマナとかシステム関係は手伝えません」

と珍しく使い物にならなかった

しょんぼり隣に座ってる

「うんっ!かわいいからOK」


日付が変わる頃にふいにシルが動く

「上書き出来ないようにシールド魔法を張れば、安全性高まるんじゃないですか?」

「どういう風に?」

「そういう『回避術』がどこかであったような気がするんだ」

「確かに、会計監査局では上書き禁止とかコピペ禁止のシールド魔法貼ってるわね」

隣でゾンビのようにマナを回収し続けていたロゼッタが思い出す

「何でロゼッタさん会計監査局に詳しいんですか?」

「えっちょっ!……社会人の先輩として常識ってやつね」

「え~すご~い出来る女な感じですね」

ロゼッタが焦って久しぶりに耳がピコピコ動いている


なんだかんだと朝

ようやく運用が開始された

「まぁ結果良ければ……という感じね」

ロゼッタも徹夜ハイなのか満足そうだ

「少しずつ効率化していけばいいのよ!」

ノエルは嬉しそうに端末を操作しながら、次のステップを考えていた


――


後日ギルド掲示板

【ノエル報告】

依頼書は魔導端末でご覧下さい

紙の依頼書の山から解放された!

※トラブル発生時は紙の依頼書を使う事


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