婚約破棄?出来ませんけど?
初めてです。下手くそです(笑)
優しい目で見てください
短いです!
唐突に終わります(。-∀-)
今日は私が通う学園の卒業パーティー。
私も卒業する一人であり、級友達と楽しい時間を過ごしていた途中・・・
「コンジット!お前との婚約を破棄させて貰う!」
私の目の前でそう宣言するのは、リッチ伯爵家の長男である
カゼイン・リッチ。
カゼインの横にはステピア男爵令嬢がいる。
私には何故カゼイン様が婚約破棄を宣言してくるのか意味がわからない。
「えっと、婚約破棄ですか?」
私がそう聞くとカゼイン様は怒りを露わにし
「そうだと言っている!お前がステピアに散々嫌がらせをしていたのは知っている!教科書破ったり、ステピアだけ除け者にしたり、あまつさえ階段から突き落としたりしたそうじゃないか!」
「全くもって身に覚えがありませんが?」
「私にした事を覚えてないなんてコンジットさん酷すぎます!」
そう言いながらステピア令嬢は泣き出してしまいました。
そんな事言われましても、嫌がらせなんてしてませんし泣かれても困りますね。
「なんて自分勝手な奴なんだ!そんな奴とは結婚なんて出来るか!婚約破棄だっ!!私はステピアと結婚する!」
カゼイン様はステピア令嬢を抱き寄せ私を睨んできますが、
ステピア令嬢と結婚したければすればいいではありませんか。私には関係ありませんけども・・・
「私との婚約破棄ですよね?えっと・・・・出来ませんけど?」
私の言葉にパーティー会場はシーンとなりました。
んっ?なんで静まりかえるんですか!もっとザワザワしててください!気まずいじゃないですか!カゼイン様も口をポカンとしてる場合じゃありません!何か言ってくださいよ!
「ふざけるなっ!婚約破棄出来ないだと?したくないだけだろっ!」
「コンジットさん!婚約破棄に同意してください。愛し合ってる私達の邪魔をしないで!」
いやいや貴方達が愛し合っていようがこればっかりはいくら国王陛下でも破棄は出来ませんって・・・
「したくないのではなくて出来ないんですよ」
うーん。困りました、どうしようか悩んでいると・・
「何で折角の卒業パーティーなのに、こんなに静まり返ってるんだい?」
そう言いながら会場に現れたのはこの国の第一王子のラカン王子。
王子の登場に場の空気が少し穏やかになりました
ラカン王子は私の横にきてくれました。
「コンジット一体何があったのかな?あんまりいい感じはしないんだけど?」
そう言いながらラカン様はカゼイン様達を見ます。
「えっとですね、カゼイン様が私との婚約を破棄したいそうなんですが・・・」
「破棄ね・・・」
ラカン殿下はカゼイン様から目を逸らさず
「で、コンジットは何て答えたの?」
「出来ませんと答えました。だって無理ですもの」
「確かに無理だよね」
私達の会話にカゼイン様達は眉を顰めます。ステピア令嬢が苛立ったように
「何故、婚約破棄が無理なんですか?愛してないなら出来るじゃないですか!!」
「でしたら聞きますが、婚約破棄とは婚約してる同士がする物ですよね?」
「そんなの当たり前じゃないですか!馬鹿にしてるんですか!?」
「馬鹿になんてしていません。そもそも私とカゼイン様は婚約していません。してもいないのにどうやって破棄をするのですか?」
「はっ?」
「はっ?ではなくてですね、私としてもどうしてカゼイン様が私と婚約してると勘違いしてるのか意味がわからないのですが?確かに一度婚約の話は出たことがありますが、全力で拒否しましてその話はなくなった筈ですが?あぁ一応言っておきますが私にはちゃんと婚約者がいます。カゼイン様ではありませんよ?私に触れることが出来るのはその方だけです。カゼイン様に至っては私にトラウマを植え付けたただのクソ野郎です!」
私が一気に喋ると堪らずラカン殿下が吹き出しました。クックッと笑いながら私の腰に手をまわします。
もうわかりますよね?私の婚約者はラカン殿下です。卒業したら結婚するんです!ラカン殿下の隣に居ても恥ずかしくないように今まで頑張ってきました!それなのにこんな婚約破棄騒動に巻き込まれていい迷惑です!
「う・・嘘をつくな!俺とお前は婚約してるだろ!?」
「だからしてませんって言ってますよね?この際はっきり言わせてもらいます!貴方は無理!絶対無理!貴方と結婚するぐらいなら修道院にいきます!!」
「なっ・・・・」
「コンジットそこまで彼を嫌がる理由はなんだい?トラウマを植え付けられたって何をされたんだい」
ラカン殿下がそう聞いてきたので正直に答えます。
あっ今更ですが自己紹介してませんでしたね、私の名前は
コンジット・プラスター。
プラスター伯爵家の長女として生まれました。
私には両親、兄、弟、妹が居ます。
カゼイン様との出会いは私が5歳の時でした。リッチ伯爵とお父様が仲良くしていまして、リッチ伯爵と一緒に遊びに来たのが初対面でした。その日の事なんですがお父様にカゼイン様と遊んでこいと言われたので遊んでいた時、カゼイン様がメイドに向かってわざと転んで抱き付いたのです。
何故わざとだと思ったかというと、メイドに抱き付いた時のカゼイン様の顔がそれはもう気持ち悪いほどニヤニヤしてたんです。一回だけではありません!家に遊びに来るたびに同じ事をするんです!酷い時にはメイドの胸を・・・あぁ嫌だ! 今思い出しても気持ち悪い!!
そんなある日お父様に
「カゼイン君と婚約の話があるんだが・・」
そう言われ私は全力で拒否しました!無理矢理婚約させるなら私を除籍してくれとまで言いました。
そうしたら何故だ?と聞かれたので今までの事をお父様に話しました。
「あのぐらいの歳ならよくある事だな」
なんて言うもんですから思わず
「まさかお父様もそうだったんですか?やだ!気持ち悪い!近寄らないで!!」
私の混乱ぶりにお父様は慌てて
「ち・・違う!!違うぞコンジット!男が皆そうなわけではないぞ!!」
そう言われましたがお父様にも嫌悪感を持ってしまいました。今では男性全員がそうではないとわかってはいますが、当時の私には男性は皆そうなんだと思ってしまったんです。それだけカゼイン様のあの顔が気持ち悪かったんです!!トラウマ級に気持ち悪かったんです!!
そんなやりとりがあり私とカゼイン様の婚約話は無くなりました。それなのに毎日のようにカゼイン様が来てました。
会いたくなかったのでカゼイン様が来た時にはメイドではなく護衛騎士に対応させるようにしたら来なくなりました。
結局はメイド目当てに来てたって事ですね。
カイゼン様は顔を真っ赤にして俯いてしまいました。弁明しないという事は図星だったってことですね。はぁ気持ち悪い。
「あっでもステピア令嬢、これは昔の話ですのでどうかお気になさらずに。今は流石にわざと転んで抱き付いたりしてないと思いますので。これで私とカゼイン様が婚約してないって分かっていただけましたか?ですのでどうぞ婚約なり結婚なり好きにしてくださいませ。」
ふむ、お二人とも何も言わなくなりましたね。やっと分かってくれたって事でいいんですよね?はぁ折角の卒業パーティーを楽しんでいたのに、こんな風になってしまってはこれ以上ここにいては他の方に迷惑になってしまいますね。そう思っていた所に
「コンジット帰ろう。後の時間は私にお祝いさせてくれないかな?遅くなったけど卒業おめでとう。」
ラカン殿下にそう言われて断る事なんて選択肢は私にはありません!
「ふふっ、有難う御座いますラカン」
では私達はこれでお暇させていただきます。
読んでくださり有難う御座いました!