表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/32

14話 熱狂的なファンとなる女騎士団長

 レナの姉であり貴族令嬢であるアーネは剣の才能が認められ国を守る騎士団長を務めていた。


 貴族の地位でありながら平民や部下たちに優しく接し、自分の事しか考えていないレイドとは真逆だった。


 だが、国を守る騎士として突然現れた銀の竜騎士シルバードラグナーをあまり快く思っていなかった。


 正体を明かさず、人々の噂と妄想から生まれた存在など信じられなかったのと騎士として人々を救う責務を奪われたからだった。


(ドラゴンだと、そんな架空の生き物がいるわけがない…魔物や不正者から人々を守るのが私の役目だ…)


 だが、魔物の不正取引の取り締まりで銀の竜騎士シルバードラグナーと遭遇したことで、アーネは変わった。


 銀の竜騎士シルバードラグナーと遭遇した夜の館。


 館からあふれ出す魔物達の進行を阻止するも、次々と魔物が森から抜け人々の脅威を止めることができず。魔物に殺される寸前で空から銀の光が振り救われた。


 銀のシルバーレイを放ち現れた噂の竜騎士。


 始めは銀の竜騎士に見とれていたが、犯罪者の男達を危うく逃がしそうになり竜騎士が男達に脅しをかけた時。


「貴様らが欲しいのは手柄か? 地位か? お前たちは国や民を守る者だろうが!! そこの犯罪者どもと一緒にそこで惚けているなら騎士や師団などやめてしまえ!!」


 呆然とする犯罪者たちと同じ、アーネや騎士と魔法師団は竜騎士を見とれて闘いを忘れていたのに気づかされた。


(…あぁ、すごい…この方こそ…まさに、英雄だ…)


 噂程度で聞いた話だが、報酬を一切受け取らず正体を明かすこともなく名誉や自己の欲がなく真に誰かのために尽くす姿。


 アーネがまさに求めていた騎士道だった。


(あぁ、あの方こそ真の騎士だ…私はあの方の剣になりたい…)


 魔物の討伐が終わり後処理をしている中でもアーネの心の中は銀の竜騎士の事だけだった。


 そして、竜騎士の正体について噂が流れたのを聞き自分の任務を部下たちに任せて、休むことなく学園へすっ飛んできたのであった。


「あぁ!! 銀の竜騎士様!! 汚れた者からお守りできず申し訳ございません!! 」


 勢いよく膝をつき謝罪するアーネ。


 友人の姉ががいきなり上に貴族レイドを飛び蹴りして登場したことに呆然としてしまうルカ。


 そのせいでルカは気づいていなかった。アーネが素早くレイドの落とした探知機を拾っていた事に。


「くぅ!! レイド…貴様…任務を放棄して自分だけ竜騎士様と…げふん!! 竜騎士様に無礼を…この罪は…貴様の命で償ってもらおうか…」


「ちょ!! アーネさん!! だめですって!! 」


 腰の剣を引き抜き気絶しているレイドに止めを刺そうと目の奥が闇に染まった女騎士団長が歩く。


 ここでレイドを殺してしまったらアーネだけでなくレナにも何かしらの罰が下ってしまう。


「えっと、その…本当にごめんなさい!!」


「えっ? あ…」


 ア―ネの首元に軽く手刀を入れ気絶する。


「…危なかった…危うく友達の姉を殺人者にする所だった…」


 気絶させたアーネを見て安堵の息を吐き、ルカは頭を抱える。


 身バレして困るのは権力者たちにコキ使われるだけじゃない。人々が正義の味方の力に心酔して、自分も正義の味方と勘違いして最悪暴動を起こすことだ。


 今のアーネのように竜騎士様の敵だからとレイドに向け剣を抜いたように。


(ルカ。この人、あの魔物達が捕まってた館で戦ってた人だ…ここまでルカに心酔するなんてねぇ。人間って何するか恐ろしい)


(他人事にように言ってるけど、ギンだって…っと。早く庭に埋めてある資金を…あ)


 物音がして振り向くと、自分の姉が床に倒れレイドが血を流し倒れて驚くレナがいた。


「レナ…あ、その…」


 この惨状と自信が竜騎士についてどう説明したらいいのか混乱してうまく言葉がでないルカだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ