Episode.2
「ん?バレンタイン?」
「そう、バレンタイン」
「静華は何かすんの?」
「恵みたいに
『本命チョコで告白!』ってのも憧れるんだけどね」
「今んとこ、心ときめく出逢いすらないし…」
「お父さんと弟にあげる、くらいかな?」
「そういうの『義理チョコ』って言うんだっけ」
「昔はクラスメートとか先生とか、
好きでもない人にも渡してたんだってね」
「…イミフ 笑」
「まぁでもわたしもイベントは嫌いじゃないから」
「手作りとか?」
「そんなめんどい事しないよぉ 笑」
「コンビニとかで売ってる、
バレンタイン仕様のやつで毎年済ましてる」
「『手作り』って言ってもどうせ
溶かして型に入れて固めるだけでしょ?」
「自分の家族にハート型のチョコ贈っても、ねぇ 笑」
「そかぁ、家族なら毎年贈ってもいいのか」
「ん?」
「コウに贈ろうかどうか悩んでんだ」
「そしたらいっその事、コウくんに聞いちゃえば?」
「なんて?」
「「今年のバレンタイン、どうする?」って」
「クリスマスとバレンタインって
恋人の2大イベントでしょ!」
「することはもう決まってんだ」
「なにするの?」
「アニメ映画観に行く」
「アニメ 笑」
「男子って可愛いね〜」
「じゃあ…
「バレンタインチョコいる?」
ってもう聞いちゃうとか 笑」
「チョコ自体は沢山もらってるからね、コウ」
「そうだ!『推しチョコ』ってやつだ!」
「コウくん、恵と付き合ってんのに
人気落ちないんだよね…
アイドルかよ!って思った 笑」
「もしかしたらカノジョからのは
別もんって思ってるかもしれないし」
「さらっと聞いてみれば?」
「そうだね」
「ありがと、コウに聞いてみるね」
「はーい^^」