プロローグ
ここは天使の存在する天界。そして慎ましく道の端を歩くお淑やかな彼女たちは天使になるための卵で養成機関を卒業してから天使となる。天使の卵は養成機関である天使の梯子に通い人間のことを知る必要がある。
天使だったりキューピッドになるためには天使の梯子のような養成機関に通わなければならず、世界中に似たような機関もしくは学校がある。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
決してごきげんよう症候群にかかっているのではなくこれが天使の梯子での挨拶だ。彼女らの頭の上には天使の輪っかがついていてそれこそ天使の証明だった。まだ正式な天使ではないがここを卒業するとさらに光り輝く。
「いいから俺たちに付きあえよ、な、いいだろ」
お嬢様たちに交じって不良が気弱そうな少女をナンパしているが、誰も足を止めようとしない。
明らかに関わりたくないと目を逸らしそそくさと歩き過ぎる。
壁際に追いやり壁ドンをしつつ三人で一人の少女を囲む。
「痛くなんてないからさ」
「そうそう、俺たちが気持ちよくしてやろうって言ってんだ、な?」
「ぃえその……困ります」
もじもじして本当に困っているが誰かに助けを求めることもできず困り果てていた。
「周りを気にして困ってますアピールはもういいからさ、早くホテルに行こうよ」
本気で困っている様子だが誰も彼もが見て見ぬふりをして通り過ぎていく。
「ったく、朝っぱらから不愉快なことしてんじゃねーよ」
ややアルトで低めな声が不良たちにかけられる。
「あ? ンだテメエ!」
「関係ねー奴は引っ込んでろ」
「後輩が困ってんだから関係あるんだよ」
そこに現れたのは輝く銀色の長い髪をなびかせ颯爽と歩く文字通り天使だった。身長は百五十一センチと小柄ながら驚くほど小さな顔に切れ長の瞳や筋の通った鼻や形の整った可憐な唇が黄金比でバランスよく配置されていた。
身長は低いのに妙に迫力がある。
白を基調として青のラインが入った制服を着崩している。短いスカートから雪のように白い素肌とほっそりとした美脚が覗く。
「うを……めっちゃ美人だな……あ~でもいいか」
男の視線が顔から少し下がって、ないわ~と興味をなくす。
「おい。お前今どこ見て興味なくした?」
「いやいやどこも見てねえよ」
「おい、はっきり言え」
スレンダーな肢体、というよりストンと真っすぐな上半身に細い美脚。他の男も胸を見て最初の少女へと視線を戻して何もなかったかのように話を続ける。
声をかけられている少女は気弱そうだが胸が張り裂けんばかりに服を押し上げていた。
「いいだろ気持ちよくしてやるって言ってんだからさ。一緒に来いよ」
「いえですから……」
「本気で嫌がってるかポーズだけで嫌がってるかの違いも分からねーからモテねえんだよ」
「ンだとこらぁ、ライン越えてんぞ!」
「言っていいことと悪いことがあるだろ! アッ君はまだ童貞なんだよ分かるわけないだろ」
「そーだそーだ童貞に分かるわけねえだろ」
「おいお前らもいい加減にしろよ。テメエのせいで俺が傷ついたじゃねえか! さっさとどっか行け、俺は女だろうと男女平等の名のもとに容赦しねえって決めてんだよ」
「どうせ空気も読めねえ器の小せぇ野郎はナニも小せぇんだろ」
はぁっと溜息を漏らす。
「ラインどころじゃねえだろテメエこら!」
白髪のアッ君がキレ散らかし、がっと胸ぐらを掴んでくる。
「くぅ、お前も空気読めねえから胸が小さいんだろ」
「あ?」
アルトな低めの声が恐怖を倍増させていた。
「消えろ、今すぐにだ。でないと殺しちまいそうだ」
殺気が溢れ出て百八十センチ以上ある不良たちがたじろぐほど気圧される。アッ君も思わず手を離して数歩後退る。
「もも、もう許せねえ、ぶっ殺す!」
だが彼らは気圧されたという現実を認められない、また少女相手にビビったと思われたくないため最悪の行動に出た。
殴りかかってきた男の拳をあくびしながら右手で受け止め、少し力を入れてやった。
「ぎゃああああああぁあああああ! 俺の、俺の黄金の拳が潰れる、潰されるぅ!」
華奢で少し力を入れれば折れてしまいそうな細い腕からあり得ない怪力を発揮して男の拳を潰す。
「おいおい大袈裟なやつだな、ちょっと力入れただけだろ。つか黄金の拳って(笑)」
「これでちょっとだと、このゴリラめ!」
「あ?」
さらに力を入れると男は激痛に立っていられずしゃがみ込む。
「ぐわあああああああやめてくれ悪かった、俺が悪かったからもう許してくれ」
ぱっと手を離すと走り去っていく。
「この筋肉ゴリラ、胸の栄養が全部握力にいったみたいだな、ひんにゅぐえ!」
「覚えてやがれ、ラインハルトさんが黙ってねえからな!」
走り去りながら悪態をつく不良たちに己の天使の輪っかを掴み投げつけ、後頭部にヒットして戻ってくる。こうして天使の輪っかは手裏剣としても使用可能なのだ。
いやンなわけねー。何で天使の輪っか投げるんだよ、手裏剣になるわけねーだろ。
ちっぱいを馬鹿にされたことで我を忘れ思わず手裏剣として使ってしまった天使は荒い息を吐きながらなおも男たちを睨みつける。
「ふーっふーっ」
その姿まるで獣の如し。銀髪のちっぱ――
ギンッ。
銀髪のスレンダー美少女は何もないはずの空を睨みつけた。
太陽光が反射するほど輝く銀色の髪に空のような青がメッシュとして入った髪をなびかせるシオン。
「あ、あの……ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げる少女の胸は破壊力抜群なほどに大きい。
(つーか胸でかすぎだろ、あいつらじゃなくても連れて帰りたいな)
「ん。ああいや大したことしてねえよ、ただあいつらが鬱陶しかっただけで、アタシのためにやったことだから」
恥ずかしくて後頭部を掻き、謙遜する。
「あの人ほら……格好いいけど怖い噂もあるのよね。いきなりラインハルトさんを突き飛ばしたとか」
「校長が気に入らないから校長室の窓ガラスを割ったとか。野蛮だしやっぱり怖いわね」
助けたはずなのに周りから目つきなどのせいで誤解され必要以上に怖がられてしまうのが彼女の悩みの種だった。
「いえそれでも、ありがとうございました」
(可愛いな、このツインテールとかホーランドロップの垂れ耳みたいで超かわいい、何この子。こりゃナンパしたくなるのも分かるな)
緑色の髪をツインテールに結んだ少女のつぶらな瞳は垂れ目で優しそう。身長もシオンよりは高いが少しなので男からすれば低い部類であり、お人形みたく可愛らしい。
シオンからすれば優しそうだが不良からすれば気弱そう、いけそうと映るのだろう。
「も、もう遅刻するから先行く」
可愛すぎてこれ以上見ていると、艶やかなエメラルドグリーンの髪や頭をなでなでしたくなったので先を急ぐことにした。
思うところは色々あるかもしれませんが、このヒロインはVチューバ―の天音かなたさんをイメージして書かせていただきました。勿論違う部分も多数あります、自分のことをアタシではなく僕と言いますしね。
身長とか適当ですし髪の長さも性格も違いますし口調とかも全然違いますから。それは果たしてイメージしているのかと思われそうですが、違うとも言えませんし。ただ似せている設定なども多数見かけられますので見る人が見ればこれかなたんだ、と分かってしまうと思うので否定はしません。
本人様や運営様からイメージにそぐわないなどの批判があれば削除します。短いこの文量で十話前後ですので、できれば最後まで読んでから判断してほしいです。
ただイメージを変えているためファンの方やリスナーの方からイメージと違うと言われても削除するつもりはありません。そもそもイメージを変えて書いているので。
歌枠というものを初めて聴いてその時の低い声の歌を聴いて格好いいイメージが湧き、このキャラになりました。
毎日かどうかは分かりませんがとりあえず投稿させていただきます。夏休みの暇なひと時を埋めてもらえれば幸いです。
腰~、腰がっ腰がやられてしまった! くしゃみした拍子にイっちゃいました。そこからもう地獄でした。みなさまもくしゃみとぎっくり腰に気を付けてくださいね。マジで激痛で死にそうでした。
腰の痛みで一度横になるんですが、そうすると激痛で立つこともままならなかったです。
あと熱中症にも。この間汗出ないなぁと思っていて、飲み物を一口飲んだんですよね、本当に一口。そしたら汗がぶわぁ~って大量に噴き出してヤバかったです。暑いのに汗が出ないのは熱中症の軽い症状の一つらしいので暑いのに汗出ないなと思ったらちょっと気を付けた方がいいです。
水分だけでなく塩分も摂取してみた方がいいです。スポーツドリンクがその両方を摂取できるいい方法だと思います、水よりも。
暑い夏を熱中症に気を付けて乗り切りましょう。
ここまで読んで下さりありがとうございます、それではまた次回でお会いしましょう。