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異本勇者〜桃太郎編〜

作者: 夏果

昔々あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。

お爺さんはいつものように鎖鎌『斬月』を携え山へドラゴンをシバきに。

お婆さんは今日は川の方を探索に出かけました。

山でドラゴンと死闘を繰り広げている最中にグリフォンの乱入があったお爺さんはさておいて。

お婆さんが川で採集をしていると、

ドンブラコドンブラコと桃が流れて来ました。

『おやまあ、これはアンモナイトや黄金ジャケよりも珍しいねぇ』と言いながら、

ストレージを整理してあぶれたアイテムを捨てて桃をしまいました。

お婆さんがうちに帰ると、お爺さんはグリフォンの肉を囲炉裏で焼いています。

お婆さんが事情を説明すると食後のデザートにしようということになりました、もしかしたらステータスアップアイテムかもしれません。

二人はグリフォンをきれいに平らげ、お爺さんは桃をまな板に乗せました。

鎖鎌『斬月』が唸ります。

しかし『斬月』がまな板に到達することはありませんでした。

『あ、あぶね……』

よく分からない力により桃が半分に割れると中からは斬月を白刃どりした青年が現れます。

『ほう……わしの鎌を捕らえるか……」

お爺さんに才を見出された青年は桃太郎と名付けられ、お爺さんの修行の元メキメキと実力をつけていきました。

生まれたばかりレベル1だと成長もそりゃ早いよね。

もはや桃太郎に何も教えることはないほどに成長、具体的にはレベル28になった頃。

桃太郎は世界を滅ぼそうとする魔王を討伐することを決意します。

お婆さんは回復薬を作り持たせてくれました。これはありがたいです。

お爺さんは自らの最強武器『斬月』を渡しましたがここで問題が起きます。

『このアイテムは装備できません』という表示が出てしまったのです。

鎖鎌は桃太郎の適正武器ではないようですね、あ、お爺さんちょっと悲しそう。

結局修行の時に使っていた太刀を持って冒険に出る桃太郎。

魔王城に向かっている途中、道端に槍を片手に倒れている者がいます。盗賊にでもやられたのでしょうか?

『お、お腹すいた……』

腹の虫にやられていました。どうやらお腹が空いているようです。

ですがおばあさんから貰ったのは回復薬、これではお腹は膨らみません。

『……近くの町に連れてってご飯を食べさせてください』という槍使いを、

『うわぁ、図々しいなぁ』と思いながらも桃太郎が近くの町に連れて行きます。

軽く五人前程平らげると行き倒れは『私を犬とおよびください!』と言いました。

『あの人……女の子に何を言わせてるのかしら……』という食事処の人々からの白い目から桃太郎は逃げるように立ち去ります。

が、犬はついてきました。

二人で旅を続けていると声をかけてくるものがいます。

『おい、あんたが桃太郎か?』

どう見ても面倒ごとになりそうだったので、『いいえ、人違いです』と言って立ち去ることを考えましたが、間髪入れず『そうですよ』と答えた犬のせいで計画は水泡と化しました。

何でも武者修行の旅をしていたらしく、腕の立つと噂の桃太郎を探していたのだといいます。

一騎討ちをすることになりました。

満身創痍でしたが勝利した桃太郎に惚れ込んだこの武闘家も力を貸すことを約束してくれます。

『俺は猿! よろしくな桃太郎』

三人の旅は続きます。

『桃太郎さん……ですよね? あの私大ファンなんです!』

魔法使いが声を掛けてきました。

初めてファンに気を良くした桃太郎。あっさりこの魔法使いも仲間になりました。

『私は雉とお呼びください、あとサインください、これで桃太郎さんは私のものですよね?』

この人、目のハイライトが消えていてちょっと怖いです。

一筆したためた桃太郎はさあさあ、鬼ヶ島ならぬ魔王城へ。

魔王の配下をばっさばっさとなぎ倒し、奥へと進みます。

ついに魔王と対面する桃太郎。

今から壮絶なボス戦が始まるのだと誰もがそう考えていました。

しかしそうはなりませんでした。

私に任せてくださいと雉が言ったのが原因です。雉は魔王に言いました。

『奥さんに浮気してること……話しちゃいますよ?』

魔王は一瞬で降参しました。魔王が一番怖いのは奥さんのようです。

『この件は、どうか……どうか内密に……』

という最強の名を欲しいままにした魔王の世界で一番情けない戯言が聞こえましたが、一同は華麗にスルーします。

結局魔王は奥さんに折檻され世界は平和になりました。

桃太郎は大飯ぐらいの犬と喧嘩好きの猿とヤンデレ具合の増してきた雉に囲まれてそれなりに楽しく暮らしましたとさ。

めでたし。めでたし。

頭空っぽで書きましたー

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