白い鳥
変な小説です。
私はもうじき死ぬ。
まだ、16歳なのに。
病気って残酷だよね?
私の体をむしばんでいく。
笑えるよね。
バカみたいだよね。
それでさ、私、いっつも思うんだ。
はやく楽になりたいって。
でも一つだけ。
一つだけ、死ぬ前にやりたい事があるんだ。
一回でいいから、白い鳥がみたい。
なんでかな?
わかんないけど、みたい。
白い鳥を見ると、天国への白い階段が出てくるんだって。
好奇心・・・でみたいのかな?
まあ、それでもいい。
私が、この世界で生きてた証として、白い鳥をみる。
偶然でもいいから。
《ドクン》
あれ?
《ドクン》
心臓・・・痛いな。
少し横になろ。
『バサッバサッ』
あっ、白い鳥。
そっか。
迎えに、来てくれたんだね・・・。
ありがとう。
あっ、白い階段。
もう、行こう。
『ピ―――――』
機械の音が病室になり響く。
さようなら。
さようなら。
この世界。
この世界にいる白い鳥は、幸せを運ぶ。
そう。
天国と言う、幸せへ。
そこは、苦しみも、悲しみもない世界。
喜びしかない。
永遠に、悲しみを味わう事はできない。
暗くない世界。
明るい世界。
もう、この世界には戻れない、所・・・。