決戦の地へ
基本的にデモクエのラスボスは引きこもりである。
自分の城の最奥に引きこもり、やって来た勇者を待ち構えている。昨今の日本のRPGに出てくる魔王のイメージではないだろうか。
デッドムーアもご多分に漏れず、自分の城どころか、
自分の世界を創り、そこに引きこもっているのだ。
『結論から言うと、デッドムーアはこの世界にはいませんね。この世界ではないけど、異世界でもない。この世界の裏側にいると言えばいいのかしら?』
「狭間の世界か・・・。」
【言い得て妙だな。恐らく5柱目もそこにおるだろう。我の力が十全あればそこへ赴く事も出来たが、今は無理だな。】
俺達は粗方の魔物達を討伐し、法の神殿に戻って来た。
まぁ、デモクエのスピンオフ作品の漫画で、10代の勇者達
5人で10万の大軍と魔王を倒したり、デモクエ6の漫画でも同数の魔物の大軍をミレーヌの弟アンディが3ページ位で全滅させてるしな。
裏技やバグ技使った大人50人以上いればこんなもんである。
はぁ。しかし、狭間の世界とは面倒だな。
基本的に、デッドムーアは自分の領域に踏み込まれる事を嫌っている為、こちらから行く手段がほぼない。
デモクエ6では、物語の後半になってから仲間になるペガサスと『ペガサスの手綱』と言うアイテムが必要になってくる。
ちなみにこれらはデッドムーアに封印されている物を奪う為、現在どこにあるかは不明である。
「ルビシア様。私は貴方の敬虔な僕。リリーと申します。その御力で我等を決戦の地へお送り頂くことは可能でしょうか。」
姿の見えないルビシアに膝まづき、祈る様に問いかけるリリーたんマジ祝福の聖騎士。
魔王を突き落とす、嵌め技大好きっ子には見えない。
ちなみに、魔王撃破アシスト数最多の4柱である。
『安心しなさい。祝福の聖騎士リリーよ。既にその為の準備は整っております。デッドゴッドにおいでなさい。彼の地はこの世界の理より半歩外れた夢見の地。あそこからならば私の力で狭間の世界へ送れましょう。』
あー。あそこからなら俺の元いた世界にも帰れるとか言っていたしな。
ん?まだルビシアはあそこにいるのか?
確か、デモクエ6ではルビシアの家は海底にあったはずだ。作品によっては大地の精霊とか言われている癖に何故か深海に城を建てて住んでいる。
『ここは私の別荘みたいなもんよ。静かで良い所なんだから!』
聞こえていたらしい。
その言い方だと、もう深海の城にいるじゃねーか!
早すぎだろ!
「シュウよ。お前ルビシア様とどう言う関係なんだ?
ちょっと気安すぎないか?」
「あまり気にするな。」
ちなみにルビシア。若かりし頃を描いた外伝小説ではかなりお転婆だった様子だ。恐らくこちらが素である。
「まぁ、シュウ様の女関係は後で聞くとして、先ずはこの地に平穏を取り戻しましょう。」
「そうだね!また神殿や他の所を襲われても困るし。
お父さんとの話し合いはその後!」
「そうだな。フィルとミレーヌの言うとりだ。序列云々の話もあるしなぁ。あぁ。ちなみに私は問題ないぞ。既に国元とは話はつけて王族から籍を抜いておいた。」
「私も問題ないです。養父からも好きにしなさいと言われています。」
・・・もう何柱か魔王やって来ないかなぁ。
美少女達から言い寄られるのは確かに嬉しいのだが、完全に外堀を埋められている現状に、そっと現実逃避をする俺だった。