謎の5柱目
「そっちの方はどうだ?」
二柱の魔王、グラエルとムードエルを倒した俺とリリーは、ステラ達と合流すべく目に付いた魔物を倒しながら西に向かう。
(シュウ達が魔王を倒したおかげか、かなり散発的になってきたな。守備隊の連中も良くやっている。)
(逃げ出す魔物も出てきたしね。)
「後は最後の魔王と大魔王ですか。どこにいるんでしょう?」
口元に指を当て、首を傾げるリリー。
中々あざとい仕草だ。
どこで覚えたんだ!?可愛いじゃないか!
ともあれ、確かに残りは2柱か。
そもそも大魔王デッドムーアはこっちに来ているのか?
デモクエ6では大魔王デッドムーアは夢と現実の世界にはいない。
その狭間に自分の世界を構築し潜んでいる。
文字通り、狭間の世界と言う名の絶望の世界である。
【残りはジャミエルとデッドムーアか。我の感知範囲にはいないから、またぞろ世界の隙間にでも潜り込んでいるのやもしれんな。】
(ブラド。ジャミエルはここに来る前に私とお父さんで倒したよ?その時、ジャミエルはデッドムーアには自分を含めて5柱の魔王がいるって言ってたわ。)
【ぬ?4柱ではなかったか?覚え違いをしていたのかもしれんな。】
待て。聞き捨てならん話だぞ。
実は俺の記憶でもデッドムーアの配下の魔王は4柱だ。
狭間の世界を納めるアクバルと言うボス級の悪魔がいて、そいつが5柱目の魔王だと思っていたのだが、ゲームや小説でも、魔王と同格と扱われていたが、魔王とは明言されていないのだ。
「ブラド。アクバルが残りの1柱と言うことはないか?」
【何故貴様がその名を知っているのかは問わんが、それはないな。アクバルは魔王クラスではあるが、貴様達人間のイメージで言うなら、大臣や執政官の様な存在だ。魔王とは少し趣が違う。】
謎の5柱目の魔王か・・・。
気になるな。
(シュウ様。何にせよ一旦合流しませんか?
5柱目と大魔王は確かに気になりますが、先ずは残党の討伐を優先して神殿の皆を安心させたいのですが・・・。)
「そうだな。先ずはそちらを優先しよう。
ルビシア、ブラド。大魔王と5柱目の特定を頼むぞ!」
【貴様、本当に神に対して不敬だぞ?】
『そこの戦神と同意見なのは癪だけど、ホントそうね!いや、探すけどさ。』
うるさい。
そもそもブラドは兎も角、ルビシアはもっと協力しろ。誰の仕事を手伝っていると思っているのだ。