5人の聖戦士
「よし。今から人員を割り振るぞ!」
肩に乗っているドヤ顔孔明気取りのブラドに意見を聞きつつ、方針を伝える。
「まず、ミレーヌ!フィル!2人はステラの補助で東側に!2人は高レベルの魔法職だ。なるべく広範囲の敵の殲滅と味方の補助を頼む!」
(はい!お父さん!)
(お任せ下さい。シュウ様。)
この2人はミレーヌは僧侶系、フィルは魔法使い系と偏りはあるが、殆ど全ての魔法を扱える。
東側全域の戦場をカバー出来るだろう。
「ステラは今のまま守備隊と連携して東側を頼む!
悪いが、そこが要の激戦区だ。頼むぞ、相棒。」
(任された!)
ステラは既に守備隊を掌握し、防御の要となっている。
圧倒的な守備力と範囲攻撃も備えている正に壁タンクだ。
「リリー!今レベルはいくつだ?」
(レベル68です!旅の途中で出会ったステラさんに鍛えてもらいました!)
とんでもないな!
俺と別れて数ヶ月。毎日が死闘だったのだろう。
ステータス半減の村人ながら、レベル34相当の戦士並のステータスまで鍛え上げている。
村人なのに、ここに来た当初のロンフーより強いって事だ・・・。
「相変わらず、流石だな。なら今すぐ転職だ。戦闘向きの職に変えるだけで一気にステータスが倍になる。その後に俺と南側の別働隊に奇襲をかける!」
(はい!)
「リリー。待っていたぞ。」
(っ!はい!シュウさん!)
少し涙ぐんだ様な声が伝わって来る。
きっと今までひたむきに努力を重ねて来たのだろう。
ゆっくりと話を聞きたいものである。
(・・・何かリリーだけ扱いが違う気がするな?
シュウ。囲う女は平等に扱わないと駄目だぞ。)
(確かに!お父さん!)
(ステラ様の言う通りですよ?シュウ様。)
(ち、ちょっとくらい良いじゃないですか!多分1番私がシュウさんと会ってないんですよ?)
何で全員を囲う前提なんだ!?
そして4人とも何だかそれを認めてないか!?
え?いいの?そう言う文化なの!?
教えて神様!
『そーよ。そう言う文化なの。私としてもアンタがこの世界唯一の勇者因子の持ち主だから、さっさと子孫増やして欲しいわ。』
そうだ。神様ここにいたよ!
そんで、何か完全にやさぐれてるよ!
『私はさっさと帰って寝たいのよ。アンタ風に言えば数百年間残業してたよーなもんだしね。』
それは確かに可哀想なんだが・・・。
あれ?もしかして思った事そのまま伝わってる?
『そうよ?念話って要するに私がアンタ達の心を読み取って代弁してるだけだし。』
【所詮は天空人のハーフである盲た小娘にも使える小技よ。神たる我等に使えぬ道理はない。】
(ブラちゃん?今しれっと私の出生の秘密を暴きませんでした?)
・・・まぁ、諸々は後回しだ。
取り敢えず終わらせるぞ!