大問題発生
すみません。
仕事の為、遅くなりました。
「急げ!急げ!マジでもう始まってるぞ!」
10日目の朝、なりふり構わず走る俺達。
現在は地下6階層の途中。
【あー。これダメだな。デッドムーア軍全軍だろ?100万単位で来てるはずだから人間達は全滅してるだろ。】
しれっと俺の肩に捕まって無責任な事を言うブラド。
コイツ。潰してやろうか。
ルビシアの奴も出て来ないし、神を名乗る奴はろくな奴がいないな!間違いない!
「おい!ルビシア!いるならさっさと出てこい!間に合わなくなっても知らんぞ!!」
さっきからルビシアを呼びながら走って息も絶え絶えだ。
「お父さん。幾らなんでもルビシア様を呼び捨てはどうかと思うの。」
「確かに。流石に不敬だと思います。」
【ルビシアと同格の我をブラドとかブラちゃんと呼ぶお前らがそれを言うか・・・。】
馬鹿な話をしながらも、レベル99のステータスに任せて強引にダンジョンを走り抜ける。フルマラソン選手も真っ青の速度だ。
『聞こえてるわよ!今から外までのゲートを開くからそこで待ってなさい!』
おぉ!いたか!
頭の中でルビシアの声が響く。
全員で急停止する。肩に捕まったブラドが慣性の法則に従い、吹っ飛んでいく。いい気味だ。
『安心しなさい。私が他の聖戦士を呼んでおいたから、今はまだ大丈夫よ。既に魔王デューエルは討たれているし、戦況も安定して来ているわ。』
・・・ん?他の聖戦士?
そんなのいたの?ロト紋か?
『何言ってるのよ。祝福の聖騎士と真紅の戦姫よ。
まさか貴方忘れたの?』
「おい、まさかリリーとステラか!?」
待て待て待て!
あの2人が来ているのか!?
2人とも?一緒に?え?なんで2人?
「お父さん。詳しく教えて?」
「やっぱり他にもいらっしゃったのですね。」
何やら怖いミレーヌと悲しそうなフィル。
待て!俺は無罪だ!
『さぁ。黒金の勇者シュウよ。導かれし聖戦士、祝福の聖騎士リリー、真紅の戦姫ステラ、白金の聖女ミレーヌ、寂滅の大魔道士フィルと共に世界を救うのです。』
コイツ!色々全部ぶちまけて丸投げする気か!
やはり汚い!神は汚い!!
『あ、因みに向こうとも声は繋がってるわよ。』
『シュウさん。後で皆で話しましょうね。』
『シュウ。逃げるなよ?』
「お父さん?」
「私はシュウ様の味方ですよ」
あ、これ駄目なやつだ。
確実に大魔王より厄介な問題が発生している。