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おっさんのゲーム世界転移生活日記  作者: 太郎冠者
寂滅の大魔道士
53/96

突入。


「このまま法の神殿に突っ込む。」


フィルを助け出すなり、ロンフーと大神官の2人にまずそれを伝えた。


数は向こうの方が多い上に、こちらには物資がまるでない為、時間は常に向こうの味方だ。

さっさと突入して終わらせよう。


もういい加減、転職したいし。



クスッと俺の横でフィルが笑う。

「如何にも貴方らしい理由ですね。ミレーヌ、シュウ様はいつも突拍子もないの?」


「概ねそうよ。どうせ無茶な事を考えてたんでしょ?フィルからも何か言ってよー。」

最近パパへの評価が厳しい娘である。


そして何だかとても仲良くなっている。

既にお互いを呼び捨てにし合っている。

ちょっと疎外感を感じるナイーブな42歳である。



「確かに、食うもんも魔物達からの配給だしな。時間を掛ければ掛けるだけ不利になるのはこっちだ。」


「うむ。それに例の人間と成り変わる魔物の件もある。このまま一気に法の神殿に向かう方が良いでしょう。」


同意してくるロンフーと神官長。

何だかんだとこの2人も仲良くやっているようである。



「大神官様が捕らえられていた洞窟の先に神殿への裏口があります。鍵は奪われておりませんな?」


「ええ。ここに。」


「ならば、シュウ殿と共に神殿へ向かわれると良いでしょう。神殿を解放させるのに神官が一人もいないのは外聞が悪い。その化物の様な力を振るわれては如何か?」


「ええ。そのつもりです。神官長こそ大丈夫ですか?私を亡き者にせんが為、魔物を引き入れたのは貴方だと裏で噂をされている様ですが。」


「滅相もない。神殿に仇なす者を私が招き入れるなんてする筈もない。大神官様こそ実は悪魔だったと言われているのでは?」


「貴方は神殿の権威が大好きですから、その様な事はしないと存じておりますよ。あぁ。それはありませんでした。悪魔達にも化物と言われましたよ。」


「それは重畳。これで大神官様は唯一無二の化物と証明された訳だ。」



何やら不穏な空気で笑顔で会話をするフィルと大神官。

どうやらフィルはただの薄幸の美少女と言う訳でもなく、案外バチバチとやり合っていた様だ。


「ええ。そうです。私は裏表のない人が好きなので、神官長の事は嫌いではありませんしね。」


「ふん。儂は嫌いだ!

シュウ殿、裏口の開門と露払いはお任せしましたぞ!儂はロンフー殿と皆を纏めてから向かいます。

・・・大神官様も含め、どうぞよしなに。」



オッサンのツンデレかよ。

どこぞの料亭のオーナーみたいだ。


「ツンデレ?」


「あ、私知ってる!普段ツンツンしてるけど、実はその人の事が好きで意地悪してるだけってやつよね!」



「さっさと行け!馬鹿者共!!」


顔を真っ赤にして怒鳴り散らす大神官。

クスクスと楽しそうに笑うフィルを見ると、まぁそう言う事なのではないかと思う。






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