仲間を求めて。
そろそろヒロインを出したいです・・・。
無事に引き換えを終え、道具屋で聖水と鉢金を売り捌き、ルイーゼの酒場に向かう。
しかし、魔法の袋を手に入れれたのは大きい。これがあればどれだけ荷物があっても身軽だし、何より無限増殖バグ技を試せる。
仲間がいれば俺の装備している『メタル装備シリーズ 』を増殖させても良いだろう。
この装備はケーニッヒメタルと言う金属スライムの死骸から極小量だけ取れるメタニウムと言う金属を使った武具だ。
非常に頑丈で、綿毛の様に軽い魔法武具で、ぶっちゃけこの装備があればラスボスまで何もいらないと言えるバランスブレイカーな装備である。
「おい。あんた。ここに何の用だ?」
ルイーゼの酒場に入った瞬間、バーカウンターの向こうから禿げたマッチョのオッサンに声をかけられた。
酒場としては開店前なのだろう。
ガランとした店内には頑丈そうな丸テーブルと椅子が何組も無造作に置かれ、壁際には酒瓶の並んだ棚とバーカウンターがある。
立ち位置的にここのマスターっぽい。
ありゃ?ルイーゼさんじゃないのか?
「仕事の依頼だ。」
年季が入ったかなり雰囲気のあるバーだ。
やはりここはハードボイルドに決めたい。
スっとカジノの店長に貰った紹介状を出す。
「あの守銭奴からか!その装備と言い、アンタ尋常な戦士じゃねぇな・・・。」
ヒュウっと口笛を吹き紹介状を検めるマスター(仮)
うーん。ハードボイルド。
「期限は3日。この付近で狩りを行う。その際に多少苦労して貰う事になるが、金額は言い値で構わない。職業もレベルも問わないが、なるべくレベルは低い方が望ましい。」
そう。レベルは大事だ。
【幸福の1歩】には自分よりレベルが低い仲間が必須なのだ。
「変な依頼だな。囮にでもすんのか?」
パラパラとファイルを捲りながら物騒な事を言うマスター。
「そんな事はせんよ。と言うよりそんな依頼を受けるやつはいるのか?」
「割といるぜ?食い詰めたガキなんざ掃いて捨てるほどいるんだ。」
聞けば、商人やら大工、魔術師や神官なんかの専門職になるのは割と狭い門らしい。
学もコネもない人間は体を使って働くしかない。
街の掃除から荷運びに魔物退治。
仕事はキツいし保証もないが、日銭は出る。
気に入って貰えれば専属契約もあるらしい。
そしてそれを管理するギルドとして『 ルイーゼの酒場』が様々な街にあるとの事だ。
良く言えばセーフティネット、悪く言えば奴隷売買って感じ。
まぁ、現代の派遣業界も似たようなもんだが。
「本当に誰でも良いなら1人いるな。すぐに動ける。と言うより今からならこちらから頼みたい。」
「よっぽど食い詰めてるのか?」
「あぁ。ろくに仕事がないままそろそろ1週間だ。
このままいけば死ぬしかない。」
どうやらこの世界は人の命は軽いらしい。