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おっさんのゲーム世界転移生活日記  作者: 太郎冠者
真紅の戦姫
23/96

愛のお話。


ローザタウンとは元々は山奥にある隠れ里だった。

ホビットやエルフ、ドワーフ、魔族、人間、果ては魔物までが仲良く暮らす村だった。


そこにひょんな事から訪れた、若かりし魔王ピエトロが心優しき娘ローザと出会う。


遥か昔に封印されてしまった大魔王を復活させ、魔族の復権を画策する魔王。(この辺りが1~3章付近だ。)


しかし、平和を愛するローザに次第に惹かれ初め、徐々に感化されだす。


確証はないが4章付近と思われる。

小説版では、この付近で魔王ピエトロはかなり平和路線に傾きつつあり、単なる隠れ里だった村をローザタウンと名付け、大きくしようとしていた。


そしてついに5章中盤に黒幕であるデーモン・プリーストに唆された人間達がローザタウンを襲撃する。


そしてそれを知った魔王は暴走し、事態は急展開を迎える。



「━━━と、まぁこんな感じのお告げを受けてな。」


「・・・やけに具体的過ぎないか?」



すっかり日もくれ、月明かりを頼りにローザタウンを遠目から監視する俺達。


気分はソリッドなスネイクの叔父様だ。


デーモン・プリーストはこの村から北に少し行った神殿を根城にしている。

原作準拠なら、奴は魔王を裏切る気満々なので、ローザの護衛はしておらず、せっせと陰謀を企てているはずだ。


あまり無闇に近づいて敵に見つかっても面白くないので、村から少し外れた祠付近でキャンプをしている。



「・・・まぁ、話の出処は兎も角、確かにこんな所に村があるのは初耳だし、遠目から見ても人間以外が住んでいるように見えるな・・・。」


「目的は全部で3つ。村外れの祠で朽ち果てている像から腕輪を入手。次にこの村で買い物をする。そして、件のデーモン・プリーストを倒す。以上だ。」


「前半2つはなんだ!?後、祠にある腕輪の入手って、祀られている神器を盗むって事か!?なんて罰当たりな!」


「まぁ、そこに転がってるんだけどな。」


「!?」


暗がりで見ると単なる瓦礫の山に見えるが、倒壊した小さな祠がそこにあった。


祠の中には精霊神ルビシアを象った像があり、その足元には小さな紅い宝石を付けた銀色の腕輪が落ちていた。



『 止炎の腕輪』


猛る心を落ち着かせ、装備者に明鏡止水の心を授ける腕輪だ。これだけ聞くとお手軽悟り開眼グッズみたいだ。


効果は状態異常の完全耐性。

心を落ち着かせれば毒や麻痺も防げるのかは甚だ疑問だが、これを付けるとステラの『 血の衝動』スキルの弊害は一切なくなる。


実はデモクエ4には初期版とリメイク版があるのだが、初期版にはこの腕輪にはバグがある。


有益なバグなのだが、これは今は確認しようもないので、後々のお楽しみだ。



「ステラには有効な装備だし、魔王を倒す為となればルビシア様も許してくれるさ。」


デモクエ4にはルビシアは出てこないけど・・・。


「う、うむ。まぁ気乗りはしないが、確かに有益そうな加護だな・・・。」


腕輪の力を伝えたら気になるのか、渋々と言った雰囲気を出しつつも素直に装備をするステラ。

何のかんのと言って気に入った様だ。



「そう言えば、魔王ピエトロ本人やローザと言う娘には何もしなくて良いのか?何か出来る事があったりしないんだろうか?」


まぁ言わんとすることも分かる。

ピエトロ本人を倒さないにしても、ローザの説得の手助けをする事でよりスムーズに話を終わらせる事も出来るだろう。


しかし・・・。



「魔王ピエトロを止めれるのは、ローザの愛だけだ。

他人の俺達に出来る事はないだろうさ。」


「なるほど!!そうだな!ローザの深い愛情が魔王の心を救い、争いが止まるのだな!素晴らしい!」


何だかキラキラした目で愛を叫ぶステラ。

この数日で分かったが、普段はキリッとしたまさに姫騎士と言ったステラだが、時たま耳年増な乙女になる。



そもそも男女の関係に、恋愛経験がろくにない童貞と処女が介入出来るはずがないのだ。




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