最初に言っておかないと
その瞬間、部屋が一気に静まり返った。
…………………は?
こいつ、おかしいのか?
頭二次元に飛んじゃったのか!!!??
不思議の国の住人がお前は!!!???
到底理解できない内容の真相を考えつく限り探っていたところ
「…え…」
最初に沈黙を破ったのは大毅だった。
そして、
「なにそれすっっごい!!!!!!まじでいってる??ねぇそれまじで!!!!??」
キラキラした目で犬のように中山に飛びついた。
…そうだ、こいつ馬鹿だった。
少しでもまともな反応をすると思った私がバカだった
「そうなんです…信じてくれて嬉しいです…」
「信じるでしょ!!!!超興味ある!!」
いやいやいやいやちょっと待てお前ら!!!!
お前ら総じて頭おかしいぞ!!!!!!!!
頭の中ではツッコミの嵐だが何一つ言葉として出ていない。
とにかく、この二人の流れを止めなければ。
「ちょ、ちょっと待って!!!!」
「あの、大毅は馬鹿だからあれだけど普通そんなこと言われて信じる人いないから!」
「あー、ほっといていいよ中山君。あの女頭固いからさ〜」
「あー…そうなんですね…いかにも…」
哀れそうな目でこっちを見るなよ!!!!お前ら二人とも不思議の国にぶっ飛ばしてやろうか!!??
このまま頭固い女で丸め込まれるわけにはいかない
「だいたい、いきなりきてなんでそんなことカミングアウトしてんの!?いやもう全くわからない!!」
「いーじゃんそんなことどーでもさ。ねー?中山君?」
しかし、中山本人はうんとはいわず、静かに話し出した。
「…最初に言っておかないと、僕はきっとみなさんから見てかなり気持ち悪い人間に映るんです。それで孤独になるのも…この人数の少なさだと、空気を邪魔するだけの存在になってしまうので…」
再び沈黙が返ってきた。