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2人の秘密  作者: あくあ
2/4

第2話 私に出来ること

彼はいつも笑っていた


笑顔が輝いているあなたをいつしか好きになっていた


あなたはそんなこと全く知らない


ここの窓から、毎日あなたの姿を追っていた


「福留!!!」


今日も彼がやってくる


私の心は、微笑みながら泣いている


「今日は何の話?」


分かってる


あなたの好きな人の話でしょ?


あなたと知り合えただけで嬉しいの


でもその口からは、私以外の名前しか出てこない


私の胸はまた、何かに押し潰されていく



〜3ヶ月前〜


「ぁれ…?いない…」


いつもはもう学校を出て、この窓から見えるはずなのに…


「やだなぁ…つまんなぃ…せっかく今日も来たのに。」


私はため息をつきながら窓の外をずっと眺めていた



ガラッ



「だれ?」


ここには誰も来るはずがないのに、今日は思わぬ来客者が来た




嘘……



彼が来た……


毎日遠くから眺めているだけだったのに…


まさか…なんで??


私の頭は大混乱でパニックになっていた


つぃ窓の方向に向いてしまった


「ぇっと……ゴメン…俺、神崎祐司…って言います。」


わかるわかる!!調べちゃったから!!


「君は?」


喋りかけられた!!!どどどうしよう!!


「福留…悠」


「2年生?」


嫌だ!!心臓が破裂する!!……ぅぅ


「なんでここにいるの?」


もぅ何も言わないで……答えられないよ……




「ねぇ…興味のある話とかって…なに?」



え?


なんでそんなこと言うの?


私と話がしたいって言ってくれてるの?


なんだか急に、スッと力が抜けてく気がした…


変な人…


初対面の私に必死になってる……


途中から声が出ていたかも知れない


私は、彼とどうしたら長い時間いられるか一生懸命考えた


「恋の話とか…興味あるかも。」


神崎君が、どういうタイプの人が好きか気になった


まさか、来るたんびに好きな人ができてるなんて思ってなかったけど





「それでどんな感じの子なの?辻川さんって。」


「それがまた可愛いんだよ!ポニーテールで。見たことない?」


可愛いとか言わないでよ…


「多分ないかな…ていうか…神崎くんって、惚れっぽいよね。」


明日3組に偵察いってやる…


「え………そぉ?」


気づいてないのか?


「だって一週間に一回くらいはここに来て、

 新しく好きになった人の話してくれるでしょ?」


まぁ会えるのは、嬉しかったりするけど…


「それは……」


神崎君が、ちょっと雲った顔をした


「まぁ惚れっぽいのかな〜?」


彼は笑った


胸の奥の方で何かがちくっとした気がした


「うん。惚れっぽい。でも、一度も上手くいかないよね?」


こんなに笑顔が眩しいのに…


この笑顔にやられる女の子は多いと心底思った


まぁ上手くいかれたら私はしばらく学校に来られないし…


「悲しいな〜俺って。嫌われてるとか?」


私は急に感情的になってしまった


「そんなことないよ!!……あ……嫌われてるわけ無いと思うよ…」


ちょっと頬が赤くなったのが分かった


「な…なんで?」


「だ…だって…神崎君の話とか…面白いし…」


…嫌いと言うより、私はむしろあなたが好きだ


「ありがと。」


そうして彼は教室を出ていった



「切ないなぁ…」


なんで好きな人の好きな人の話を聞かなくちゃいけないのよ…


いまさら好きだなんて言えない…


神崎君、惚れっぽいからなぁ…


「明日絶対見に行ってやる。」



次の日


「(もし神崎君と会ったら気まずいなぁ)」


そう思いながら3組の教室の前に行くと、


ポニーテールの女の子が何かを見つけたのか、1組の方へ走っていった


「(あ。ポニーテール!!あの人か!!)」


行く先をじっと見ていると、彼女は神崎君に話しかけた


「(神崎君……やだ……何を喋る気なの?)」


彼女たちの会話を、恐れながらも聞こうとした




「あの…ちょっと話があるんだけど……」


何言う気?


「神崎君が、私のことを好きって噂聞いて…」


そんな……


「なに?」


「あの…私も…神崎君のこと…」



頭が真っ白になった……



「えっと…辻川さん…彼氏…」


「あぁ、結構前に別れたんだ。好きな人出来ちゃったから…」


そう言って彼女は神崎君に目をやった


神崎君はよほど嬉しいのか、黙っていた


「神崎君?」




キーンコーン…



「(鐘…)」


その後神崎君が何か行った後、私は彼と目があった気がした…

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