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♯3.心で泣く歌

小説評価して下さった方、読んでくれた方ありがとうございます。これからも応援してください!

池波に彼女ができた…

しかも年上…

今まで生きてきて何度もあった敗北感の中で見事首位を獲得した出来事だった。

イライラしてタバコの量は増え、その日は何をしたかは覚えていなかった。

それからしばらくたったある日…

久々に池波に会うことになり、朝からでかける準備をしていた。

「紹介するから明日俺の家に来い」

やつの言葉はそれだけだった。

俺は別に見たくもなかった。

というか会うのも嫌だった。幼馴染みの彼女。複雑な気分で家をでた。

電車に揺られること20分。イライラをまぎらわす為に寝ていた。

「尼之崎〜尼之崎〜」

車掌のウザイ声で起こされる。

池波と俺は元々葉田【はだ】というところに住んでいたが、中2の時池波が親の事情で尼之崎に転校していき、もう会うこともないと思っていたが…なぜか高校の入学式で再会してしまう。

会った時はマジで驚いた。多分これが腐れ縁てやつかなと今だから思える。


「はぁ…憂鬱…」

駅を降り歩きながら滝田はため息ばかりだった。

会ってなんて言おうか。

こんにちわ…その後の言葉をいくら探しても出てくるわけもなく、早くも池波の家に到着してしまった。

「………」

玄関の前に来た時にはすでに言葉はなく、入学式並みの緊張感で溢れかえっていた。


ピンポーン…

カチャ

チャイムを鳴らして2秒。そこには奴がいた。

「早え…」

「ようこそ友よ。さぁ入った入った」

池波の部屋に入るとそこには背を向けた女の子がいた。

「あ…どうも…滝田です…」

「え?」

振り返るその子の姿は、さっきまでの俺の緊張を完全に無駄にしてくれるキャラでした。

「…池波…この人がお前の?」

「当たり前じゃん。それ以外のなんなんだよ」

幼馴染みの彼女、ということで大目に見ても俺には可愛いとは思えなかった。

中の下…といったところか。

なぜか男はこういう時に女の子を【上中下】でランク付けしてしまう。女性の方、申し訳ない。

「はじめまして。井上由衣【いのうえゆい】です」

可愛い…確かに声は可愛かった。

羨ましいに値するだろう。

「あの…こいつから年上だって聞いてたんだけど何歳すか?」

「18だよ。今年19になるけど」

「由衣今年の春から尼大通ってんだよなぁ」

「うん」

(え?女子大生っすか?)

第一印象は抜きにして羨ましいさがMAXに達し、同時に劣等感に襲われた。

この後3人でファミレスに行き、夕方に尼之崎駅で別れた。

帰りの電車で滝田は少し泣いた。(嘘)


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