表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニヴァース  作者: クモガミ
始まりの一日
32/125

現れた巨大兵器

腰に掛けてあるホルダーから手と同じ大きさの銃を取り出し、銃を構えて遠くで光る赤い光を睨むアイシャ。そして、その赤い光は早いスピードで走っているみたいで、みるみるとカレン達の方に近付いて来た。

「間違いない!」

車輪が奏でる走る音を聞いてからアイシャの予測を大体形作っていたのか、次に見えてきた赤い光を見えた途端、確信づいたようだ。

「!」

最初は豆のように小さかった赤い光が、カレン達の方に近付いて行くにつれ、光はどんどん大きくなっていき、同時に地下水道の中で響く不可思議な音も音量が大きくなり、そして赤い光の後方にこれまた大きな影をカレンは捉えた。

「あれは…!」

影は地下水道の空間内を上下左右に火花を走らせながら移動しているみたいで、その火花が走る音が謎の不可思議な音の原因ようで、カレンには影の形にしろ、大きさにしろ、とても人間には見えなかった。

「こいつが、大型の!?」

BATTLEバトルMACHINEマシーン!!」

その影の正体は、赤い光の正体であり、地下水道内を騒がしくした不可思議な音の正体であり、地面を揺らした正体でもあり、それはカレン達から数メートル離れたところで止まり、姿形がハッキリと見える距離になると、それを『BATTLEバトルMACHINEマシーン』だとアイシャは言った。

「これが!」

今まで見た見知らぬ物とはまた異質な外見にカレンは相手の全身に目を通す。六角形の顔にさっきまで遠くで見ていた幾つもの赤い光を放つ目、ズッシリとした四角形の胴体、足元に車輪が付いた縦長で八本の足、鋭く尖った三角形の尻尾、そしてグレー色の鋼鉄の体を持ち、尚且つまるで生き物と思われるような姿をした、巨大なバトル・マシーンがカレン達の目の前に立ち塞がった。

「で、デケェ!!」

空間内を埋め尽くす程の巨体にロロは『水底の洞窟』で遭遇した巨大なハサミと身体そして硬いウロコを持った白い魔物と重ね合わせる。

TYPEタイプTYRANTタイラント!」

現れた巨大なバトル・マシーンにアイシャは外見上だけで、種類を判別し、そのバトル・マシーンの名称を呟く。するとバトル・マシーンの顔と思われる六角形の顔の額部分からある小さな穴が浮び上がるように何故か光の反射と共に現れた。

「?」

「まずい!」

額部分から現れた小さな穴が一体何なのか、勿論カレンには分からないが、アイシャには分かった様で、素早く銃の標準を額部分の穴に合わせ、数発の銃声が空間内に響いた。

「(!)」

放たれた複数の銃弾は額部分に出た小さな穴に全て当たり、当たった小さな穴はパリーンとガラスが割れた音が鳴った。どうやら穴にはガラスが張っていたようで、穴が現れた時の光の反射はガラスに因る反射だったようだ。

「い、一体どうしたんだよ! アイシャ!?」

アイシャの突然の発砲に驚くロロ。

「今、あのバトル・マシーンの監視カメラを破壊したんだ!」

「監視カメラ!?」

撃ち込こまれたバトル・マシーンの額部分の穴を監視カメラと言われて、ロロは穴に中を覗こうと目を凝らす。

「監視カメラって?」

「出た! そのお決まりの質問!」

「……監視カメラって言うのは、様々な目的で監視を行う為のビデオカメラの事で、映した映像の伝送・処理および表示機能を含む監視システムを指す物だよ」

最早パターン化してしまったカレンの質問にロロはもう何となく予想が付いていたのか、お決まりだと突っ込みを入れ、アイシャは特に何も突っ込まずに説明を開始する。

「監視カメラは、主に防犯、防災、計測・記録の目的で使われている道具でもあるんだが、今逃げている俺達にとっちゃ、危険な物だ!」

「しかもあの監視カメラはリアルタイムで、映した映像を記録して、映像の伝送先に送る性能の高いカメラでも有るんだ!」

物を知らないカレンにとっては此処に来てまでも知らない物ばかりであり、度々人に尋ねるところは記憶喪失であるから仕方がないかもしれないが、その事情を知らない上に説明する側は、一筋縄ではいかない程、大変だとロロやアイシャ達を見れば、分かる。

「今、此処で私達の顔を撮られたら例えこの地下水道を出たとしてもカメラで撮って記録した私達の顔がもし、手配書を作られた時に写されてしまう! そうなってしまったら他の町や村に逃げても結局お尋ね者になってしまんだ!」

「だから、あの監視カメラを破壊したんだよ!」

「…え~~と…?」

二人の説明を聞いても、頭で理解する事が出来ないカレンは、声を唸らせるだけだった。

「つ、つまり、顔を見られたら駄目だって事?」

常識や世間に疎いだけでは無く、知識についても欠落しているカレンであっても、これも自分なりに考えて、答えを出してみた。

「…まぁ、極端に言えば、そうだよ」

「何も分かっちゃいないと思うが、無理に考え過ぎて混乱させるよりはマシか……」

悩んだ末にカレンが出した結論に極端の一言で結論付けるアイシャとこの緊急事態に変に悩んで、戸惑わせるより、これから起こる次の事態に備え、支障を起こすようなマネは避ける為、とりあえず何でも良いから納得させるように突っ込むのをやめておくロロ。

「ピピッ! ガガッ!」

「「「!?」」」

突如、バトル・マシーンから耳鳴りと間違いそう音量の高い雑音が流れ、カレン達は一斉にバトル・マシーンに視線を戻す。

「聞こえるか!? 容疑者の三人組!!」

バトル・マシーンから鳴り響いた雑音の次はカレン達に対して、呼び掛ける声が鳴った。

「喋った!?」

「違う違う! あの声は多分、あいつを操っている『トロイカ』軍人の声だよ!」

バトル・マシーンが喋ったと勘違いしたカレンに、お約束の突っ込みを入れるロロ。

「だが、監視カメラは壊したよな? どうやって俺達を見ているんだ?」

「恐らく、赤外線カメラである、あの赤い眼で私達を目視しているんだよ!」

相手(『トロイカ』軍人)が三人組と言ったという事は、相手はカレン達の姿が見えている訳であり、監視カメラが壊れたのに何故自分達の姿を捉えているのか、ロロは疑ったが、その疑問に対してアイシャは、自分達を見詰めているバトル・マシーンの六角形の顔に付いている赤い眼は赤外線カメラで、それを使って、自分達を捉えていると説明する。

「それとあの『タイプ=タイラント』は生体センサーも有る! 私達を見つけたのも生体反応を辿って、見つけたんだと思う!」

「そ、そうなのか?」

おまけみたいにアイシャは、目の前に居る『タイプ=タイラント』と呼ばれている大型のバトル・マシーンには生体センサーも有ると知らせ、ロロはアイシャが妙に詳しいと思いながら、返事を返す。

「君達は『レイチィム』で暴動を起こした! 例え君達が被害者であっても、暴動を引き起こした要因には変わらない。よって法則に従って、君達を確保する! 抵抗は諦め、大人しく降伏しなさい!!」

セリフからにして規律に準じる『トロイカ』軍人のようであり、バトル・マシーン越しからカレン達に降伏しろと呼び掛けながらジリジリとバトル・マシーンがその巨大な体を前進させ、カレン達の方へ少しずつ近付いて来る。

「抵抗しなければ気害は加えない。降伏を受け入れるなら武器を捨て、両手を上げて、膝を地面に付け! そしてそのままじっとしているんだ、そうすれば数十分で懲罰部隊がこちらに来て、君達を確保する!」

そしてバトル・マシーンは地下水道の出口である、通路の曲がり道の前にピタリと止まり、曲がり道への道を塞ぎ込んだ。

「もしこちらに反抗する事があれば、手荒だが、力で君達を捻じ伏せた後から確保する! そんな事にならないよう馬鹿な真似だけはしない事を薦める」

軍人は恐らくカレン達をこの地下水道から逃さない為に、自身が操っている巨大なバトル・マシーンの体を利用して、外へ繋がっている曲がり道を塞いで通せんぼし、脱出を断念させ、大人しく降伏させる試みらしい。

「警告は以上だ! そちらの答えは行動で示して貰おう!」

バトル・マシーン越しから『トロイカ』軍人はカレン達に警告を伝え終えると、カレン達の返答を待った。

「どうする、アイシャ、ロロ?」

自分は勿論、捕まって牢獄に入れられ程余裕は無いので、大人しく捕まる気は無いが、カレンは二人の意見を聞かずに行動するのは駄目だと思い、まずは二人の真意を確かめる。

「ここで大人しく捕まれば、この地下水道から出てお尋ね者になるよりは、数日間だけの牢獄生活の方が良いのかもしれない……けど私には成し遂げなければならない仕事がある!」

まるで自分に言い聞かすように、自分の答えをカレンに話すアイシャ。

「だから、私はこんな所で捕まる訳にはいかない、これが私の答え」

「…わかった」

アイシャの真意を確かめたカレンは、次にロロの真意を確かめようと視線をロロに向ける。

「……カレン、俺はお前やアイシャみたいに目的が有る訳じゃない、ハッキリ言って、普段俺だったら、ここで大人しく降伏して捕まるのを選んでいた……だが、どうしても捕まりたくない理由が俺にも出来ちまった!!」

何かに抗う様にロロの眼は獣のように強くて鋭い物になり、自分の答えを語るロロ。

「だから、俺も捕まりたくねぇ! どんな事があっても、逃げだしてやる!! これが俺の答えだ!」

「うん……僕もそうだよ!」

最後にロロの真意を確かめたカレンは、自分も同じだと小さく頷き、背中に在る魔装器まそうぎでもある、大剣に手を伸ばす。

「じゃあ、二人とも……行くよ!」

ゆっくりと大剣を抜き取ったカレンは、ロロとアイシャに目を配り、戦闘の合図を言う。

「うん!」

「ああ、飛ばして行こう……ぜっ!!」

合図に乗ってロロは、先制攻撃として腰に掛けてあった鞄から素早く『ロロ特製お手軽爆弾』をバトル・マシーンの顔に向けて放つ。

「(!!!)」

放たれた爆弾は巨大なバトル・マシーンの六角形の顔にコンッと当たり、当たった直後に爆弾は爆発し、耳鳴りを引き起こす程の爆音が地下水道内に響き渡る。

「抵抗する気か!? ならば警告通り、実力を持って確保する!!」

爆風が収まった後、爆発した所から広がる爆煙の中から、少し焦げただけのバトル・マシーンが飛び出し、カレン達に向かって、一直線に猛スピードで突進して来た。

「「「!!」」」

八本の脚の足元に在る車輪をそれぞれ上下左右の壁を伝って、火花を走らせながらカレン達に急接近したバトル・マシーンは、一本の脚を走って来た勢いで大きく上に振り上げ、そのまま力一杯振り下ろした。

「うおっおっ!?」

「っ!」

「!」

リーチが長い縦長の脚がカレン達の頭上に振り掛り、ロロは慌てて、バトル・マシーンの懐に入り込むように飛び込み、カレンはバックステップで大きく後ろに下がって避け、アイシャは向こう岸の通路に飛び移り、攻撃から身をかわし、振り下ろされた一本の脚はコンクリートの地面を叩き砕いた。

「加減無しかよ!!」

攻撃を避けて、バトル・マシーンの真下に逃げ込んだロロは確保するって言っておきながら、その前に殺す気かとバトル・マシーンの矛盾紛いの攻撃に突っ込みを入れる。

「(!)」

「?」

振り下ろした脚を引き戻し、バトル・マシーンは六角形の顔、口部分と思われる場所から電気を帯びた2本の黒い棒のような物が生えるように現れ、正面に居るカレンにはそれが一体どういう物なのか、理解出来なかった。

「! 『プラズマ砲』!!」

向こう岸に移ったアイシャは、バトル・マシーンの顔から出て来た黒い棒状の物を『プラズマ砲』と言う物と一目見ただけで判別し、そしてその『プラズマ砲』の標準がカレンに向けられている事も一目で分かった。

「カレン! 避けて!!」

避けるようにアイシャは叫んで促そうとするが、時は既に遅し、バトル・マシーンの顔から現れた『プラズマ砲』から、高出力の電撃がカレンに向けて放たれた。

「!!!」

目でハッキリ見える程の高出力の電撃が、自分に向かって一直線且つ広範囲に音速並みの速さで走って来て、カレンは咄嗟に大剣を前に出して、強く念じた。

ENERGYエネルギーFIELDフィールド!!」

電撃がこちらに到着する前にカレンの念じに答えた大剣でもある魔装器まそうぎは、山吹色の光を放出させ、光は円状の形と成ってカレンの周りを包み込み、声と共に『ENERGYエネルギーFIELDフィールド』を展開させ、電撃を弾き返す。

「くぅ!」

継続的に放出されている高出力の電撃に、カレンは地上で戦った盗賊達が操っていたバトル・マシーンの攻撃力とは桁違いだと、今電撃を弾き返し続けている『エネルギー・フィールド』越しに感じ取るが、同時にそう経たない内に電撃がみるみると弱まり、バトル・マシーンは電撃の放出を止める。

「……」

難なく電撃を防いだカレンは『エネルギー・フィールド』を解き、バトル・マシーンの顔に在る黒い棒状である『プラズマ砲』に目を向ける。

「放出時間には限界が有る! 次のリチャージが終える前に攻撃して!」

どうやら電撃を放出する時間は限られているようで、アイシャはカレンに次の電撃を出す電気を充電する前に、攻撃しろと説明して促す。

「分かった!」

アイシャの説明を直感的に理解したカレンは、次の電撃が放たれる前に大剣の剣先をバトル・マシーンに向け、剣の取っ手部分に在るトリガーを押す。

BEAMビームCANNONカノン!!」

声と共にトリガーを押すと、刃の中央が左右に別れ、刃と刃の隙間からライトピンク色の光の矢が飛び出す。

「!?」

ここでカレンはある異変に気付く、それは自身の大剣から出たビームの出力が上がっている事であった。

「(!!)」

飛んで来た光の矢にバトル・マシーンは、脚の一本を使って防ごうとしたが、光の矢は当たった箇所の厚い鋼鉄の装甲を色濃く焦がし、脚の装甲を半分程溶かし尽くした。

「(威力が上がっている!?)」

以前この技使った時には、これ程の威力は誇ってはおらず、カレンは何故突然この技は威力が上昇したのか疑問を抱く。

「(…そういえば、今までこの状態でこの技は使った事がなかったっけ?)」

思い返して見ると、今の大剣の姿で殆どの技を使った事が無いとカレンは思い出す。

「(…! ……!)」

と、考えている内にバトル・マシーンは反撃に移そうと、態勢を立て直し、攻撃の準備に取り掛ろうとしていた。

「(考えている場合じゃないか……今は戦わないと!)」

今は考えている暇は無く、戦いに集中しなければと頭を切り替えたカレンは、再び大剣の剣先をバトル・マシーンに向け、カレンはトリガーを連続で三回も押す。

「いっけぇぇぇぇ!!」

気合いの叫びと共に大剣から三本の光の矢が連続で発射され、バトル・マシーンの顔面目掛けて飛んで行った。

「(!!!)」

一直線に飛んで来る光の矢を防ごうと、さっき程光の矢を防御した脚は使わず、別のもう一本の脚で防ごうとしたが、一発目の光の矢に脚の半分を溶かされ、二発目の光の矢に脚の殆どを溶かされ、そして三発目の光の矢で脚を完全に貫かれ、そのまま光の矢は顔面に直撃する。

「やった!」

「(…!! ……!!!)」

顔面に直撃した光の矢は顔の右目部分の装甲を溶かし尽くし、溶かされた箇所から機械的な中身が見え、それと脚を一本破壊されたバトル・マシーンは脚と顔を破壊された衝撃でバランスを崩し、機体が傾く。

「ぬわっちょっと!!? な、何だ!?」

機体が傾いて、脚の何本かが地面に倒れ込み、バトル・マシーンの態勢は大きく音を立てながら崩れ、その時バトル・マシーンの真下に逃げ込んでいたロロは何かの作業していたようで、その最中にバトル・マシーンが急に大きく傾いたので、大層驚いていた。

「(!!)」

「!」

負けじとバトル・マシーンは『プラズマ砲』のリチャージが完了したようで、顔から出ている黒い棒状が再び電気を帯び、標的を再びカレンに定め、発射しようとしていた。

それを悟ったカレンは、素早く大剣を持ち変え、刃先に力のような物を溜め込み、剣を横に大きく振り被った。

剛魔ごうま!!」

声と共に大剣を大きく薙ぎ払い、風を薙ぎ払った剣はとても大きな風の波を作り、巨大な衝撃波と成って、バトル・マシーンに向かって前進して行った。

「!?」

「(!!!)」

音速のスピードで前進して行った衝撃波はバトル・マシーンの顔の右目部分に直撃し、この攻撃により前の攻撃で破損していた右目部分は、右目部分から上は吹き飛んでしまい。

その衝撃で発射寸前の『プラズマ砲』の標準が大きくズレ、高出力の電撃は見当違いの方向に発射され、電撃は天上に直撃してカレンにはカスリも当たらなかったが、カレンは剛魔を放った時にまた新たな異変を発見する。

「(この技も威力が上がっている! やっぱりこの状態の所為なのか?)」

以前出した『剛魔ごうま』とは威力も大きさも違うと、今出した技も威力が上昇していると気付いたカレンは、やはり今の大剣の姿が関係しているのかと思い始める。

「(……!)」

これ程ダメージを喰らうとは思ってもみなかったのか、一旦距離を置こうとバトル・マシーンは後ずさるように機体を後退させようとした……しかし。

「(!!)」

脚が一本壊れて、今は脚が七本になってしまったバトル・マシーンは後退しようと機体を動かそうとしたら、七本の内2本が地面にくっ付いているのか、その場から動かそうにも動いてくれず、後退が出来ない状態になっていた。

「?」

何故バトル・マシーンが動けなくなったのか、カレンは見当が付かなかったが、その疑問を打ち消すようにバトル・マシーンの真下に居るロロの姿が視界に入った。

「ロロ?」

「おーーーい! カレン、今コイツの動きを封じている内に止めを刺せ!」

バトル・マシーンの動けない2本の足の近くにロロの姿が在り、良く見ると動けない2本の脚の足元にロロ特製スライム接着剤がくっ付いており、これによって2本の脚は地面に張り付いて動けないとカレンはトリックの仕掛けが分かり、心の中で納得する。

「コイツの力の前じゃ、スライム接着剤でも長くは持たない! スライムの効力が切れる前に早くコイツをぶっ壊せ!!」

「うん! 分かった!」

ロロのナイスアシストの御かげで絶好の攻撃のチャンスが出来上がり、ロロの頑張りに答えるようにカレンは剣を持ち直し、一気にカタを付けようと脚を一歩出そうとした。

「ちょっと、待って!!」

「!?」

バトル・マシーンの懐までカレンが踏み込もうとした時、突然アイシャが呼び止める。

「あ、アイシャ?」

「何で止めるんだよ!?」

攻撃を中断させられ、カレンはポカンと呆然とした顔でと向こう岸に居るアイシャに視線を移し、ロロは何故攻撃を止めさせたのかを問い掛けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ