先王の遺産
「最後に僕から父上の遺産を見せてやろう!」
金髪碧眼の美少年ことジャクソン王子だ。
とうとう、いや、やっとセリフが言えた。
ジャクソン王子の声はまだ少し高めだ!
大ヒットだ!
お姉ちゃんが鼻血放出しだした…。
説明しよう!
姉の静香は、好みの美少年や美青年を見ると脳内妄想がヒートアップし激しく萌え尽きてしまい処理しきれなくなってしまう。
そこで鼻血を放出してしまうのである。
セーラー服の美少女に鼻血とは考えがえたくない組み合わせ…。
静香のことは、この際放って置こう。
ジャクソン王子は大聖堂の地下へ3人を案内する。
「これが亡き父上の遺産!魔王の首だ!」
それと同時に白い布を引いた。
魔王の首だ……。
一言でいうと、
龍の首だ。
怖くない、むしろ恰好いい。
腐れないように、防腐の魔法をかけているとかでリアルで迫力がある。
突然、何を思ったのか末っ子の雫が動き出し、がばっあと龍の口を開き頭を突っ込む。
周りが唖然としたのも無理はない。
かつて、死んでいるとはいえ魔王と言われたものに口に頭を突っ込む者は今までいなかったのだから……。
兄と姉と末っ子といいこの者達で本当に大丈夫なのだろうか…。
アディストリア公国の魔族保護計画は前途多難だと、誰もが思った。
ーーソナタ ワ レ ノ コエ ガ
タノ ム ワレ サイゴ ノ コノ ナヲ ツタエーー
ノアール。と、
その微かな声が聴こえたものはその場に、
一人だけいた。
やっとプロローグ的な話が終わりました。