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花街の悪夢 3.5

「ところで…、ご隠居。勇者殿に女装はまあいいとして、娼婦のような真似事をさせて捕らえて闇市場に競売に賭けるとは、勇者殿に後で何とご説明したらよいのか……」



「ふおぉっほっほっほぉ、一度いいから、『悪役』をやって見たかったのじゃあ。なかなかの気色悪さをであろう?」




「そんなことよりアタシのあの格好はないんじゃなくて?

エタリーナ先代国王陛下?」




「ええじゃあないか、キール。昨夜はよう似合っておったぞ?」




「ヤダワァ、モォウ。ご隠居ってば、上手なんだから」




キールがウインクする。




「しかしのぉう、あの者が男なのが残念じゃのう。確かなあの者には妹がいるそうじゃなあ。

妹達はどうじゃ?」




………。




沈黙する二人。




「ソウネェ、聖女様の方は綺麗な方ヨ…外見は」



「ええ、キールの言う通りです」




「何か性格に問題でもあるのかい?」



「いえ、性格は特に普段はお優しくて、穏やかなご気性です」



ルイズラムは差し障りのない回答をする。




((性癖に問題がありますが))




静華に対する男二人の言えない心の声。



いひ。



と笑いながら今頃、原稿をちゃっかり書いているのかも知れない。




「それから、一番下のシズクはねぇ。とぉぉぉぉぉぉっても幼いけど可愛くて強いのよ」



「キール、シズク殿はああ見えてもう10歳だか…」




「ええ!?」




キールは驚いたようだ。




「して、その下の者は?」



「そうですね…。勇者殿の言葉を借りると天然でしっかり者だそうです」




「天然でしっかり?不思議ちゃんだのう」




「そうですね…。わたしもそう思います」




雫は魔女っ子なので幾分当たっている。




「しかし、お嬢ちゃん、いや勇者君はヘタレじゃあのう」



…ご隠居、それは言わなくても読者の皆様は重々承知です。





**




「はぁ、はっくしょん!」



同じ、建物の中でこんな会話などされているとは夢にも思わない勇者の静也は今夜の闇市場の競売に頭を抱え込んでいた…。




(…可哀想だな)

作者の心の声。




最初からすべて仕組まれていたことでした。

作者にまで同情されて……



大丈夫!


きっと、活躍はある。


「あーれーとか、お代官様とかのセリフ無しで」



ぎく!




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