花街の悪夢 3
店の中に自分の良く知った二人がいる。
静也は今までの緊張が溶けるように警戒心も緩んでいた。
注文したミートスパゲッティがきた。
「お嬢ちゃん、さあ、遠慮せずこのチーズかけてをお食べ」
初老の男は粉チーズを静也のスパゲッティの皿にかけた。
男はまた気色悪い笑顔でまたニヤリ( ̄ー ̄)として、「さあ」と静也に食事を勧めてくる。
静也は仕方なくスパゲッティを食べる…。
スパゲッティにチーズの味はしないが変な味もしない。そのまま飲み込み、男を見る。
「食べたね…」
男はニタリと笑い、静也は身の危険を感じて席を放れようとした。
が、
体が痺れて動けず、眠くなってきた。
「お嬢ちゃん、さっきのチーズ粉は即効性の強い痺れ薬と睡眠薬だよ」
男はまたニタリと笑って静也は意識をなくした。
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ちゅん、ちゅん。
雀の鳴き声で静也は目を覚ました。
古いかび臭い匂いがするベッドに静也は両手に手錠を掛けられて寝かされていた。
和服はそのままで乱れていない…
良かった。
静也はひとまず他に何もされていないことに安堵してほっと息を付いた。
しかし、昨夜はスパゲッティを食べてすぐに体が痺れて眠ってしまうとは、
……凄く情けない。
妹達が居なくて本当にある意味良かった。
俺の新たなる黒歴史が妹達に知られなくて…。
静也がとりとめなくそんな考えをしていると、昨夜の初老の男が静也の様子を見に来ていた。
「お目覚めはどうだい?
お嬢ちゃん」
「…何のために、おっ私を監禁したんですか?」
静也は女の子と思っている男に対して質問を投げ掛ける。
「もちろん、売るためだよ、お嬢ちゃん。珍しい黒髪に黒目だ!
お嬢ちゃんはきっと高値が付くだろう」
男はまたニタリと笑って静也に言った。
「お嬢ちゃんが売り出されるのは今晩だ。せいぜい、良い金持ちに買われるといいな」
男は静也にそう告げて部屋から出ていった。
み、短くてすみませんm(__)m