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へたれは治らない。いっそのこと憐れだ…。後編

『知らぬが仏』



という言葉がある。



今はその時だろう…。


たぶん、本人ためにもその方が良いのだ!



鈴木三兄妹の必殺、アイコンタクト!!



〈王子ニハ内緒ダ!〉



〈イエス、マイブラザー〉




二人の視線での会話が成り立つ。





「ところで朝早くから何をしようとしているんだ?」



「たんめん」



「合気道の稽古です。」



「面白そうだな。見学して構わないか?」



「ぴざ」


「ぜひ、どうぞ。」



雫はやや聞き取りができているが発音はイマイチのようだ。







朝の稽古は上手く転ぶことと雫に投げ飛ばされて擦り傷ができた。




「お前の方が強いのだな…、最初は頭のネジが一本とんでいるかとおもったが、小さいながらに苦労しているんだな…」




「きょうだい、しり、さわる、あたり、お前。」


「……兄妹ですから、…尻拭いは当たり前です。」


兄、代弁で名誉挽回できるか…





「…そうか……」



出来なかった。



「そうだ、エヴァの授業の後にでも馬に乗ってみるか?」


乗馬のお誘いだ。



「ぴざ、たのむ」



「ぜひとも、楽しみです。」






そして、




勇者の一番下の妹、雫は兄より100m先に秀でていることが判明した……




乗馬と体術においては。




これには、流石のジャクソン王子も驚いている。




「勇者の妹は、今まで乗馬の経験は?」



「いや、初めてはず…です。たぶん……」



いつの間に馬に乗れるようになったのだろうか…。




それよりも、俺も負けてはいられない。



白馬だか黒い毛が混じって牛のような馬のモーシーに乗ろうとするが、

モーシーが急に走り出す。




なぜ?



走行する内にモーシーが

イヒヒーンッ!

といななく。


目の前には木に干してある真っ赤なシーツに興奮したらしい…。



大きく前足を上げて落馬する勇者。



勇者は受け身になり、衝撃に備える。








どっぷんっ!





どっぷん?



泥沼に落ちた…。

すごく臭い。息も出来ない、目も開けたくない。



頭から突っ込んだので足をばたばたさせる。




が、逆にどんどん沈んでいく勇者、静也。




「お兄ちゃんっ!いま、助ける、じっとしろ」




あぁ、末っ子の声がする。



「どうやって、引き上げるのだ?」


ジャクソン王子も一緒だ。



雫はいきなり上の服を脱ぎ始める。



「えっ?おい!!女の子が…」



言いかけてジャクソン王子が目にしたのは、



胸部から腰辺りまでしっかりした縄紐を身体にぐるぐる巻いた雫だ。




その縄紐を身体からほどいて兄の足にしっかり結びつけ、雫が乗っていた黒馬のキャシーの後足にも結んだ。



「ジャックおじたま、うま、はしる」




雫がジャクソン王子に言い、急いで馬を走らせる。



泥沼いや本当は肥溜めに落ちた勇者を黒馬に乗った王子に足を縛られ馬に引きずり回され無事救出された。




勇者の静也、糞尿まみれでしばらくそのまま馬に引きずり回されていた。

何かの罰ゲームみたいだ。




その後、風呂に入っても臭く、エヴァンナ王女に消臭の魔法をかけてもらったが……。



妹達以外、しばらく勇者に近付く者はいなかった……。




勇者としてあるまじき由々しき出来事



『小説家になろう』または『小説を読む』を通じてご覧の読者様、もし異世界トリップで勇者が肥溜めに落ちて王子様に助けられている小説がございましたら、ぜひお教え下さい。


もし同じネタでかぶっていたのでしたら、この場をお借りしてお詫び申し上げます。


もし、ぜんぜん良いと仰有られる作者様でしたらぜひともお友達になって下さい。



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