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決意の先に見えるもの


「っていうわけで、鈴ちゃんが状況を教えてくれたってわけ。」

「なるほど..........あ、粗茶ですがどうぞ。」


そう言い、お茶を出す賢雄。


なんやかんやで突然訪問してきた怕維人。

立ち話も失礼なので、

賢雄と鈴は怕維人をリビングの椅子に座らせていた。


「あ、ありがとう。」


怕維人はお茶を受け取ると容赦なくぐびぐびと飲む。


「おいしーね、これ。」


怕維人がそう賢雄に投げかけると賢雄は答える。


「お気に召してくれたようでよかったです。

 叔父が京都でお茶の専門店をやっているのでよく送ってもらうんですよ。」

「へ~、そうなんだ。」


賢雄はそう話すと、いきなり切り込む。


「話の要件は分かりました。妹が迷惑をおかけしたのもわかっています。

 ですが、入学は考えておりません。」

「........そう。」


賢雄がはっきり言うと、怕維人は黙り込む。

だが、何かを思いついたようにまた話し始める。


「ちょうど、5年前か..........」

「?」

「二人に言おうと思ったんだけど.......

 たぶん、君達のご両親は事故で亡くなったんじゃない.......


そんなことを言い出した。そして、真実を話す.....



 ....................殺されたんだよ。」


「「!!」」

「まぁ、確証はないけど。」

「それは.........ほ、本当ですか?」

「9割9分ね。」


怕維人が断言する。


「けど、エンジン故障だって.........」

「いや~、いろいろと調べたのよ。まじで褒めてほしい。」


そういうと、机の上に厚いファイルを置く。

そのファイルをある1ページを開き、指をさす。


「エンジンの故障による爆破とかって、

 ここに書いてある通り車前方から煙が立ったり、匂いがきついのよ。

 で、鈴ちゃんに聞いた話だと、突然爆破した。そうだよね?」


そう言って、鈴に確認をとる怕維人。

すると、鈴はこくんと首を縦に振る。


「そう、で、5年前のその時期ハヤブサっていう探査機が

 彗星を調査したんだけど、地球に帰ってきたときカプセルが回収されてね。

 発表はされなかったんだけど、その時の回収データが盗まれて

 俺らが取り戻すために追跡してたんだ。

 で、相手が逃走の目くらましとして車を爆破したってわけ。

 鈴ちゃんが爆破する寸前に横に車が通ったって言ってるからね。」


殺された。しかも、目くらましのために..........

腹の底から湧いてくる怒り。

それを抑えようと賢雄は深呼吸する。


「.......その盗まれたデータというのは?」

「彗星の形状や内部にある物質だよ。」


賢雄はさらに問う。


「それはなんで盗まれたんですか?」


そう賢雄が言うと、怕維人の言葉が詰まる。



「...............新しい大陸間弾道ミサイルの開発さ。」



「..........は?」

「盗んだのは、まだ分かっていないが日本国内でないのは確かだ。

 彗星の速さは毎秒60キロ.....そんなものが兵器として再現出来たらどうなると思う?」

「..................どう、なるんですか?」



「..............人類全滅だよ。」



「そんな.......」

「まぁ、恐竜が絶滅したのも彗星のせいだって言われてるからね。」


スケールが大きすぎる。


「けどね、賢雄君。

最近その逃走車グループの一人が尋問でグループ名を吐いたんだ。」

「................そのグループってなんですか?」


怕維人は、バックからタブレットを取り出し賢雄に見せる。


「............国際犯罪組織、World Initialization Thought Army。

 日本語で世界初期化思考軍。縮めてWITAだね。」


....................世界を初期化。

想像ができない。とんでもない考えだ。


賢雄の脳に大量の情報が流れ込み、背筋には冷や汗が流れる。


「では、本当の本題に入ろう。賢雄君。」


そう怕維人は言うと、タブレットをしまい賢雄の目を見る。


「あの時は事情知らなくて済まない.....俺がこの場所を知ったのも、

 鈴ちゃんが賢雄君に好きに生きてほしいから電話したくれたからだ。」


そう言われて、賢雄は鈴の顔を見る。

その顔はまっすぐこちらへと向いていた。


「俺たちの高校は全寮制で、妹さんとも一緒に暮らせる。

 そして、俺から理事長に頼んで金銭面の支援を出す。........だからっ!」


ドンッ!と机をたたき、怕維人は立ち上がる。



「来いッ!賢雄!俺らと一緒に日本を守ろう!!」



賢雄は今までこんな人を見たことがない。

最初は、危ないから断った。

妹や、叔父、おばさんのこともあって。

だが....................



「............分かりました。俺が二人の仇を必ず取る。」



こうもなれば、彼は決意を決める。

賢雄の目が怕維人に向けられる。


「.............いい目になったじゃん。」


その目は、はるか遠くを見つめていた。


◇◇◇◇◇


3月16日になった。


賢雄は今まで住んでいたアパートに目を向ける。

苦しい日々を共に過ごした場所。

決してつらいことばかりではなかった。

そんな感慨に更けていると、後ろから声がかかる。


「賢雄!妹さんも送ったから行くよ!」


そう言い、車のボンネットをコンコンする怕維人。


「おやめください。怕維人様..........」


運転席の窓から顔を出しているのは森さん。


「だってさ、賢雄。森さん怒ってるぞ。」

「..........はぁ、あなたに怒ってるんですよ。」


そんな会話をしているのが見て取れる。

ちなみに鈴は体が弱いため、特別な車?というものに乗せられていった。

つまり、賢雄のみ。


「ちょっと待っててください。」


そう怕維人と森さんに言うと........


「.......今まで..........ありがとうございました。」


深々とアパートに頭を下げる。気が済み、頭を上げると……


「おい、早くしないと置いてくぞ!」

「分かりましたよ。」


アパートを背に車に向かって歩き出した。


◇◇◇◇◇


車に揺られること1時間。

賢雄たちは国会議事堂前にいた。


「えっ、学校って国会議事堂なんですか?」

「う~ん。半分正解かな。」


二人は入口に立っている警備員に挨拶をして、

話しながら国会議事堂の中に入っていく。


「.............けど受けてくれてありがとね賢雄。」

「?」

「いや、入学の件だよ。」


いきなり言われたことに驚きつつも賢雄は答える。


「怕維人さんこそこんな僕を誘ってくれてありがとうございます。

 けど、たぶんなんですけど....................

 僕を推薦した理由って運動神経がいいからってわけじゃないですよね?」

「...........なんでそう思ったの?」

「何となくです。」

「.................君と僕は似てるんだよ。それだけさ。」


そう怕維人と話していると、目的の場所についたらしい。


「ここですか?」

「うんここ。」


その場所とは議事堂の中央広場。

かの有名な板垣退助、大隈重信、伊藤博文の像があるところだ。


すると、怕維人は4つ目の台座だけがあるところに行く。

そこにしゃがみ込むと話しをまた始める。


「この台座には『政治に完成はない、未完の象徴』という意味がある。

 将来この場所に誰かが入れるようにね。

 俺らパケットはそんな人たちを支える仕事。

 『縁の下の力持ち』ってやつ。つまり.............」


いきなりカチッという音が鳴り、台座が動く。


「え、⁉........まさか⁉」


台座が動きを止める。

台座が元あった場所には穴が............


「正解は地下だよ。」


そう言うと、突然怕維人が賢雄の手をつかむ。


「え、ちょ!!」

「ついてこい賢雄!!」


そう言って穴に押し込まれ、飛び込んでしまう。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「ひゃほう!」


穴の中は垂直ではなく、滑り台のようになっていた。

ものすごいスピードで滑っていくと、奥に光が見える。


「ぐえっ!」


怕維人は、慣れているからうまく着地できたが、

賢雄はそうはいかない。


「あれ~、賢雄本当に運動神経いいの?」

「........あんなに早い滑り台は、初めてなんですっ!!!」


そう怒りながら周りを見渡すと....................


「えっ?」


地下なはずなのに太陽のようなまぶしさがあり、

地下なのに桜が生い茂っている。


そして、真っ黒い鳥居。

あれが校門だろうか?


立ち上がろうとする賢雄に怕維人は手を差し伸べる。




「ようこそ!国立パケット専攻養育高等学校へ!!」


よかったら評価よろしく。


不明点やアドバイス、感想、アンチコメも受け付けてます。

皆さんの意見をぜひお聞かせください。

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