信頼への確証
「なんだ、なんだぁ?チビばっかじゃねぇか。」
賢雄たちの目の前にいる、目測2メートルの男が告げる。
その男の両手にはそれぞれやけに刃が大きい斧が握られていた。
「はは、バカ言ってんじゃねぇよ。
お前がデカすぎるんだよ、このゴリラ。」
「………誘ってんのか?…残念だが俺はこの体格はいいと思ってるんでなぁ…
そういうのは効かないんだ。」
その言葉を聞いて怕維人の口から「げっ、」と言う声が漏れる。
この男には『大男=短気』と言う常識が通用しないらしい。
そう賢雄が思考している時、再度大男が喋り出す。
「お前らは一般人……じゃねぇよな?拳銃チャカ持ってるしな。
って言うことは……お前らがパケットか?」
大男が発した言葉に激震が走る。
(ば、バレてる⁉︎)
「おっ!その顔を見ると……ビンゴだな。」
確信がなかった男も、賢雄、夕夏、晋也、思礼の
4人の動揺した顔を見て確証を得る。
場数が圧倒的に少ないのもあるが、今のは明らかな致命傷だ。
敵に自分たちの正体がバレてしまっては本末転倒である。
そこへ空気を読まない弾丸が男の頬を掠める。
「よそ見してていいわけ?……そしてお前はする言い訳!」
「…クソガキがぁ……」
変に韻を踏んだ怕維人が、自分のサイトを守るかのように前に立ち塞がる。
「みんな、予定変更!前衛は車内戦闘、後衛は下で一般人の保護と対応を!」
その言葉と共に全員が一斉に動き始める。
前衛の2人は怕維人のカバーへ、後衛の2人は新美と共に外に出るため行動する。
そこへ……
「おいおい!逃げんなよ〜」
車両の窓ガラスを割って出ようとした夕夏と思礼に向かって斧を投擲する。
「きゃっ!」「あぶなっ。」
2人はギリギリでありながらも飛び退いて回避する。
それを追撃するように大男は、懐から小さな鉄球のようなもの2つ取り出すと、
2人の頭に向かって投げつける。
夕夏と思礼は体勢を崩されてしまったため、動くことが困難な状態。
そこへ迫る鉄球。
誰もが予測した最悪な展開をある一太刀が切り裂く。
「邪魔だ。」
新美がそう発した瞬間、二人に迫っていた鉄球が二つとも真っ二つに切られる。
とてつもない速さで切られた鉄球は熱を持っていて、断面が赤く染まっていた。
「おいおい!そこのねーちゃんシャレてんなぁ!」
「......悪いがこれは教師としての義務だ。」
賢雄がふと見ると、新美は持っていたピザのようなバッグを投げ捨て、
そのバックに入っていたであろう、死神が持つような大鎌を手にしていた。
その鎌はすべての光を飲み込んでしまうほど黒く、
きらきらと光沢を放っていた。
「........ほら行くぞ!」
新美は傍らにいた夕夏と思礼を両脇に抱えて窓ガラスから外に出ていく。
それを大男は確認すると大きくため息をつく。
「.........逃がしちまった......まぁ、任務を達成すればいいのか?」
そう言いつつ、のっそのっそ歩いて斧を手に取る。
斧を持ったタイミングを見計らって今度は怕維人が声をかける。
「........やっぱり団体だったのか?」
「おっ!やっぱ気づかれてたか.......」
「まぁな。お前ら防犯カメラ気にせず通るから見つけやすかったぜ。」
「はっ、ぬかせ。気の上部についてるカメラなんて防犯じゃなくて盗撮だろ。」
二人はそんなことを言いつつ、戦闘のため構えをとっていく。
その空気感に圧倒されつつも、遅れて賢雄と晋也が大男に銃口を向ける。
しかし、銃口を向けても伝わる大男のプレッシャーにより、
二人の標準は安定せず定まらない。
「大丈夫、いつも通りだから。」
怕維人の口から飛び出る普段とは違う真剣な声色。
だからこそ信頼できるという確証が賢雄の中にあった。
「はい、先生。」
再び3人は大男へと向き合った。
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