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任務の通知


「えーっと........つまり、今日はお兄ちゃんの日だったってこと?」

「.......まぁ、ざっくり言うとね........」


食卓を囲みながら兄弟はそんなことを話している。

兄の躍動の1日の話を聞いた鈴は......


「全力で生きてるバカを見たい.....だって!かっこいいねぇ!」

「そうか?」

「そうだよ!.....はぁ、自然にそういう言葉が出てくるのかな?」


妹がわけのわからない妄想をしているが、それを無視して、

賢雄はハンバーグを食べやすいように箸で切る。


「そういえばその.......晋也さんはどうなったの?」

「え~と、気分がすぐれないって言って早退した気がする。」

「そっか~..........でもその人はその人ですごいんでしょ?」

「そうだね。自分には足りないものをたくさん持ってるよ。」


ご飯を口に運びながら話は続いていく。


「ねぇ、お兄ちゃん?」

「ん?.......ふぉうふぃた[どうした]?」

「....口に食べ物入ってるよ?..........まぁ、いっか。」

「?」

「お兄ちゃん.........学校楽しい?」

「うん、楽しいぞ。」

「そう.......ならよかった........」


カーテンの外はあからさまに暗く、夕方から夜になったことがわかる。

兄弟ともにご飯を口に放り込む。


話の話題が終わったので沈黙が流れる。

しかし、気まずい沈黙ではない。

お互いがお互いの時間を大切にしようと考える沈黙。


しかし、沈黙は沈黙なのでテレビをつけようとしたとき、

妹が兄に声をかける。


「...........お兄ちゃん。」

「ん?............どうした?」


妹は兄に言いたかったことを述べる。



「私ね........お兄ちゃんには、お母さんやお父さんの

 仇を取るっていうのをしなくていいと思うの。」



妹から発せられた思いは賢雄の心をたたく。


「な.........なんで?」

「私は、お兄ちゃんにそんな()()()を抱えて学校に行ってほしくないの。」

「すずっ!」


鈴の肩がビクンと跳ね上がる。

賢雄が鈴に怒鳴ったからだ。

今、鈴は両親のことをノイズと言った。


確かに鈴にとっては物覚えがなく、

両親はそんなに大切ではなかったかもしれない……

それでも、賢雄にとって許せなかった。

人生で初めて体が弱い妹に怒った瞬間だった。


「...........ごめん。」


賢雄は自分が熱くなりすぎたと反省している。

ちゃんと妹の話も聞くべきだと.........


「ううん!別にお兄ちゃんは悪くないから.........大丈夫だから.......」


鈴が涙目で今にも泣きそうな声で言う。


「じゃあ、ごめんお兄ちゃん。.......先寝るね。」


鈴は食べ終わった皿を戻しつつ、自室に戻ろうとする。


「待って、鈴......歯磨きはとお風呂は?」

「明日やるから........」


妹はそう言うとバタンと自室の扉を閉めた。

賢雄はあっけにとられる。

ご飯を運ぶ右手が動かなくなる。


「.........ごちそうさまでした。」


賢雄は好きなハンバーグを残してしまうほどにやつれてしまった。

台所へ皿たちを運んでいくと、鈴がきれいに重ねた皿が置いていた。

賢雄はそれらを洗い出す。

ゆっくり1枚ずつ丁寧に。



........ハンバーグのソースが台所を流れた。


◇◇◇◇◇


「皆さん!今日もお疲れ様で~すっ!」


相変わらず、朝に怕維人の能天気な声が教室に響く。


「今日の日程は~って言っていきたかったんだけど.........」


いきなり話のテンションが落ちる。

怕維人の顔がお茶らけた感じから、まじめな感じに変わる。


「みんなは昨日で50点超えて

 課外プログラムに参加できるようになったんだけど....」


少し間を開けるととんでもないことを言い放つ。



「もう行います。それも明日から。」


「「「「「「「「⁉」」」」」」」」



教室にいる生徒全員が驚きで染まる。


「えっとね、みんな知らないと思うから、

 まずは課外プログラムについて説明するね。」


そう言うと怕維人は前のスクリーンを下ろし、プロジェクターをつける。

プロジェクターには課外プログラムについてという文字が映し出された。


「みんな気になっていると思う課外プログラムの内容は

 まずは、警察庁から任務の依頼が来るんだ。

 これをやってくださいってね。

 で、俺らはいろんなところを飛び回ってそれを解決するの。」


すると奥にいる夜蝶が手を挙げる。


「先生、ちょっと質問してもいいですか?」

「ん?どうした⁉︎夜蝶雛(やちょうひな)さん⁉︎」

「……先ほど警察庁から任務が来るとおっしゃいましたが、

 警察は動かないんでしょうか?」


そう言われた怕維人は待ってましたと言わんばかりに答える。


「警察庁の中に極秘でPUCって組織がいてね。

 全国の防犯カメラをリアルタイムでチェックしてるんだよ。

 で、そのときに怪しいなぁって思ったことをこっちに報告してくるの。

 警察は裁判官の逮捕状がないと逮捕できないからね。

 事後でしか対応できないわけ。」


夜蝶への質問を返し終わると、次は鳳翔が手を挙げる。


「はい!鳳翔悠馬(ほうしょうゆうま)君。」


ノってきた怕維人はビシッと鳳翔を指す。


「..........僕も質問なんですけど、怪しいと思うだけなら()()ありますよね?」

「はいはい、え~とね。今のところその心配はないかな…

 現状PUCは全部的中してるし。」


怕維人がそう答えると、全員質問が尽きたのか黙る。


「........終わったかな?.....じゃあ、皆さん今回のミッションの場所を発表しますよ。

 今回の場所は........」


変に間を作り、ジャガジャガ言い始める怕維人。

そして場所が発表される。



「.............バンッ!富山でぇぇぇす!!」



そういわれると同時にスクリーンには富山県のシルエットが映る。

全員が「富山?」と思っているところに怕維人が話を続ける。


「はい、みんな!富山と言ったら何がある?」


そんなことを急にみんなに問う怕維人。

すると蜂が口を開く。


「.........黒部ダム。」

「おぉ、もうちょっと粘って欲しかったけど、大正解!!

 今回はみんなに黒部ダムの任務に挑んでもらいますっ!」


黒部ダム......賢雄は中学校の社会科の授業を思い出す。

全長は492メートルで、高さが186メートルの日本トップのダム。

水力発電量も日本トップの場所だったはずだ。


賢雄がそんなことを考えていると、夕夏が先生に質問する。


「で、先生。その黒部ダムっていうので何が起こるの?」

「いい質問だね。......さっき言ったPUCが

 黒部ダム付近の防犯カメラで怪しい五人組を発見したんだ。

 で、その5人が話す内容として想定されるのが.......」


怕維人がもう一回間を作り話す。



「ダムの破壊による、水力発電の停止と

 富山県内の川の水量を上げて洪水をおこすことだ。」



全員が息をのむ。

もし黒部ダムが破壊されてしまったら、

森林破壊や観光地としての威厳も失われてしまうだろう。

そんなことが容易に想像できてしまう。


「というわけで俺らは黒部ダムの破壊を防ぎに行こうってわけ。」


怕維人がそうあっさり言う。

果たしてそんなあっさり言っていいものなのか?


しかし、このような事件が全国に広まると絶対にパニックが起きてしまう。

まだ小さいときに目は摘み取っておかないと大変なことになる。


「さぁ、みんなやる気は出てきたかい?

 知っての通り、こういう任務はパケットの仕事そのものだ。

 将来への模擬練習だと思って全力を出していこう。」


怕維人のその話にみんなが返事をする。

それをもって、学校の鐘がなりホームルームが終了する。

今日も何気ない1日が始まる。


よかったら評価よろしく。


不明点やアドバイス、感想、アンチコメも受け付けてます。

皆さんの意見をぜひお聞かせください。

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