副会長の企み ーー櫻井美羽視点
早朝、私は生徒会室にやって来た。 そう、生徒会長ですから当然ですわね。
エリートである私の一日は、一杯のコーヒーから始まる。 こうやってコーヒーを飲むと、脳が刺激されてーーあっつうニッガ。 なんですのこれは! 危うく書類にこぼす所でしたわ。
ゴッホン。 気を取り直してエレガントな朝を続けますわ!
私は、クールに積まれた仕事に、手を伸ばしますの。 ふぅ。 なんですのこれ? よくわかりませんわ。
私は、窓の景色を見ながら考えましたわ。 ーーそうですの、この学校を夢の楽園にしませんこと?
そうと決まれば、話しは早いですの。
私の夢の楽園計画スタートですわ!
まずは、校内の蛇口の水道水をジュースに変えてしまいましょう。
さらに、校内の食べ放題バイキングを設置しますわ、これで私の夢が叶いますわね。
はあ、想像しただけで、お腹が空いて来ましたの。
そうやって、計画書を書いていたら、あっという間に時間ですわ! まったく生徒会長というのは大変ですわね。
「ふふ、設置計画書は準備完了。 計画実行日は明日、私の考えに狂いはありませんわ! オホホホ、ゴッホ」
「みんな、ありがとう。 おかげさまで元気になったよ」
「ミミミミ瑞稀!」
「おはよう、ミウミウ」
「おおお、はようですわ」
なんと言うことですの! 瑞稀が帰って来ましたわ! このままでは、私の生徒会長ライフが終了してしまいますわ。 せっかく今日が予定日なのに。
「さて、仕事も溜まっているだろうから、張り切って頑張るぞ」
「待ってくださいまし」
「ミウミウ、どうしたの?」
「瑞稀はまだ安泰にしておくべきですわ、そうよですの」
「うん? 大丈夫だよ! 元気だから」
「駄目ですわよ~」
私は土下座をしましたわ。 ふん。 プライドなんてものは、夢の楽園の前には意味もなさないのですわ!
私の突然の行動に、クラスメイトが驚いておりますわね。 すると、瑞稀が私の肩を優しく叩きましたわ。 私が顔を上げると、ニンマリ笑顔の瑞稀がーー
「ミウミウ。 質問があるんだけど⋯⋯これは、なにかな?」
「ええっと。 ⋯⋯なぜ、瑞稀がそれを持っているのかしら?」
それは、私の夢の計画書ですわ!
「とても、お花畑思考のいい見本でしたよ、ミウミウ?」
「なんですの、瑞稀。 私の夢は空想ではありませんの! 今日施工を⋯⋯」
あ! しまったわ! うっかり口を滑らせてしまいましたわ。
「へえ? 今日なんだ。 ふん~」
「こうなれば最終手段ですわ!」
私は蛇口へ駆け込みましてよ。 すでに材料は準備しておりますの、あとは取り付けですわ。
「既成事実ですわ。 ⋯⋯これで私の夢が⋯⋯」
「夢がなに?」
「ホギャー」
瑞稀ですわ! 私はなんでもない振りをして、やり過ごしましますわ。
「えっ、瑞稀どういたしました? 私は手を洗っているだけですです」
「⋯⋯ミウミウ。 動揺しすぎ。 ⋯⋯まったく。 私、緊張してたのに、怒られるかなって⋯⋯」
「瑞稀⋯⋯」
「ただいま。 ミウミウ」
「おかえりなさい。 瑞稀」
私たちは、二人で笑い合いましてよ。
ーー夢の楽園計画? それよりも、私たちの友情の方が最優先ですわよ。




