みんなで海水浴をしよう!
「はい、お姉ちゃん! 用意したよ水着!」
「これ着るの恥ずかしいんだけど⋯⋯」
『彩乃ちゃん、恥ずかしいくないよ、むしろかわいいよ!』
海水場に辿りついた私たちは、さっそく水着に着替える。
どうやら、桐原さんの水着は、舞香ちゃんが用意したらしい。 彼女のピンクの髪に似合っていて、とても良かった。
「瑞稀。 私の方を見てどうしたの」
「え? 可愛いと思って⋯⋯」
「⋯⋯そう」
そう言うと、彼女は私に近づき、頭を下げた?
「⋯⋯どうしたのかな? 桐原さん?」
「頭を撫でてくれないの? ⋯⋯この前、撫でてくれたのに⋯⋯」
どうやら彼女は、生徒会長主任の時のことを言っているらしいーー
あの時の私、勇気があったな。 生徒会長になれば、みんなが私に構ってくれるって思っていたから、調子にのってたんだよねーー
私は、桐原さんの頭を撫でた。 彼女は嬉しそうな表情を、私に見せた後、ことねたちの方へ向かった。
ーー私はと言えば、顔が真っ赤になってしまった。 そこにあるビーチチェアで横になる。
「ふぅ、やっぱりのんびりした景色、映えるね⋯⋯」
独り言を呟き、私はのんびりと彼女たちを見守る。
ことねは、舞香と一緒にはしゃいでいる。
桐原さんも、呆れているが楽しそうだ。
ーーそして、ミウミウは? あれ? どこに行ったのミウミウ!
「屋台に色んな食べ物が売ってますわ! ⋯⋯すみません全部ください!」
「全部? なにを言って⋯⋯お前は櫻井美羽!」
「ボンヌさんにジンさんにザク郎さんですわ!」
「お嬢さんは海水浴⋯⋯ならぬ、海水場メニュー喰らいかい」
「今回は俺たちは負けないぜ!」
「そうだぜ! いきがいい新鮮な材料があるからな!」
「勝負ですわ!」
「ことねお姉ちゃん! お腹空いてきちゃった!」
『そうだね! 海の家でご飯食べようか!』
「いらっしゃいですわ!」
「あれ? ミウミウ! なにしているの?」
「店員が食材集めに行ったので店番ですわ!」
寝てしまった! 昨日、寝不足だったからな。
「あれ? 起きたの? ⋯⋯ずいぶんうなされていたけど」
「えっと、桐原さん。 うなされていた⋯⋯」
私はまったく覚えていないけどーー
「あなた、ずっと謝っていたわよ。 ことねにね⋯⋯ 」
私がことねに? どうしてだろう?
『おーい。 ご飯持ってきたよ! 食べよう!』
「食べるのですわ」
「む。 ミウミウはもう食べないでよ」
「そんな! ですわ!」
「なんで私が写真を撮るのよ!」
「お姉ちゃんにぎゅ」
「もう一人私がぎゅ」
「ちょっと、ことね! 痛い! 締め付けすぎよ!」
「ふぅ、次はなにを食べようかしら⋯⋯」
「ミウミウ、お前の体はブラックホールなのか! 羨ましい!」
食後、みんなで写真撮影をした。 みんな笑顔で楽しそうーー
私は、ビーチチェアにまた座る、食事の後で動く気持ちには、なれなかったからだ。 そんな私の横にことねが座る。
『瑞稀ちゃん! 楽しいね!』
「そうだね」
「⋯⋯あら、貴方はあんまり楽しくなさそうね?」
「そんなことないですよ⋯⋯ その、姫様はいかがですか?」
「私? ぼちぼちね⋯⋯ 『私』が楽しいならそれでいいんじゃない?」
姫様は、不敵な笑みを私に浮かべるーー
「おや? 『私』が拗ねているわよ。 『瑞稀ちゃんが楽しくないと! 私も楽しくないもん!』だって」
ーーつまり、こう言いたい訳だ。 私が笑顔で楽しまないと、姫様も楽しくないとーー
「貴方が、なにを悩んでいるか知らないけど、せっかくの海なんだから⋯⋯もっとはっちゃけましょ」
そう言うと、姫様は私を持ち上げた? ちょっと待って!
『瑞稀ちゃん! 思ったよりも軽いよ! ちゃんと食べてる?』
「ことね! 下ろして! 恥ずかしいって!」
「ふふふ。 彩乃よりも、弱い抵抗ね貴方。 口は強いけど⋯⋯」
私は海岸まで運ばれた。 みんなが私を見てるーー
「みずちゃん! やっと来た!」
「ことねに抱いてもらうなんて⋯⋯私と同じじゃない⋯⋯」
「瑞稀! こっちなのだわ! 美味しい食べ物がありますわよ!」
こうなれば、ヤケクソだ! 私は夕方まで、みんなと遊び続けた。




