大食い大会 日本予選2
「まずは、選手たちは一同におかずに向かっていきます!」
「⋯⋯あの。 この予選、おかずはポイントに入らないのよね?」
「川端様。 そうですが? なにか?」
「なんで、おかずに群がっているの?」
「簡単なことです。 美味しいご飯を食べるためには、美味しいおかずが必要⋯⋯みなさんはそのために、必死なんです!」
「⋯⋯はあ。 そう言うものなの?」
「おっと! 美羽選手! 相手からおかずを強奪!」
「あの子⋯⋯なにしているのよ⋯⋯」
「⋯⋯今、スタッフから連絡がありました。 『私のおかずは私のもの、貴方のおかずは私のものですわ』と美羽選手が主張しているようです」
「⋯⋯どこの、強奪者思考よ⋯⋯」
「相手は文句を言おうにも、おかずは既に美羽選手の胃袋の中⋯⋯手遅れです」
「⋯⋯というか、まだ他にもおかずはあるでしょう?」
「⋯⋯それが、スタッフからの連絡でおかずは、壊滅したそうです。 ⋯⋯今、緊急でおかずの買い出しに、大食いねのスタッフ⋯⋯ザク郎さんとジンさんが向かっているとのことです⋯⋯」
「はあ? それって用意する量が少なかったんじゃなくて?」
「⋯⋯いえ。 今回も、毎年開催時と同量以上に準備いたしました。 しかし⋯⋯あ! これは! 美羽選手の食事会場をご覧ください! 彼女の机に大量のおかずたちが並んでいます!」
「ニコニコと美味しそうに食べているわね⋯⋯おかずだけ⋯⋯」
「おお! 出た! 運動連合会のストレッチタイムだ!」
「⋯⋯あの人たちは、なんで試合中に運動するのかしら?」
「近々、スポーツ大会が控えていますからね、そのためでしょう」
「安藤兄弟は、リズムよくご飯を食べているわね。 ⋯⋯でも辛そうに見えるけど⋯⋯」
「ああ。 あのチームは最初から、お米のご飯しか食べていませんから⋯⋯さすがに飽きてきたのでしょう」
「ウルフマンはよく食べるわね。 ⋯⋯ところで横のウルフちゃんは、スマホで写真撮影をしているの?」
「はい、広報係ですからね。 snsの発信に夢中なようです」
「おっと! ザク郎さんとジンさんが帰って来ました。 ⋯⋯あれ? 隣にいるのは、二人の師匠のボンヌさんですね」
「やっぱり、俺たちには師匠が必要なんだ!」
「師匠! 助けてください!」
「⋯⋯まったく。 戦場はどこだ、案内しろ!」
「感動する場面のようね。 ⋯⋯あれ? ちょっと、美羽! なにしているのよ!」
「お前は! この前の金髪のお嬢様!」
「オイ! ここでなにをしていやがる! ここは俺たちの戦場だぞ!」
「おかずを作っているのですわ! 私、おかずぐらい自分で用意しますわ!」
「⋯⋯お嬢さん。 君は選手じゃろ⋯⋯なら、君の戦場はここではない。 ここは、俺たち料理人の戦場だ。 立ち去りなさい」
「決まった! ボンヌさんの名台詞だ!」
「そうでしたわね。 ⋯⋯でしたら、私を満足させて見なさいですわ! それまで、ご飯を食べて待っておきますわ」
「待っていろ、お嬢さんが満足するご飯を我々が作って見せよう⋯⋯」
「⋯⋯ねえ。 倉石さん、これって大食い大会なのよね?」
「うぅ。 感動しました。 これが戦! まさに戦いです!」
「⋯⋯はあ。 駄目ね、この大会⋯⋯」
「おっと! 安藤兄弟がここで脱落!」
「まあ、開始からお米しか食べてなかったから、当然よね。 貴方達の栄養を讃えるわ、お陰で大会の体制が保たれたもの⋯⋯」
「続いて、運動連合会もリタイア!」
「⋯⋯この人達はご飯を食べて、運動してただけじゃない⋯⋯」
「さあ、勝者は絞られました!」
「え? 瑞稀のお父様、美羽はおかずしか食べてなかったんじゃないの? そして、なぜか自分で料理してたじゃない! ⋯⋯それなのに、優勝候補なの?」
「そうですが⋯⋯なにか? 今や白ごはんを食べた量は二位だね。 おっと! 美羽選手が一番に躍り出ました!」
「白ごはんが消えたわ⋯⋯美羽。 いつも間にそんなに食べていたの?」
「驚、慌、不、力」
「驚いたわ、私も慌てるが⋯⋯もう不可能よ。 力及ばず面目ない」
「さあ! 優勝は美羽選手! ⋯⋯えっと、スタッフからの連絡がありまして⋯⋯美羽選手は、料理人の方と一緒にお食事中とのことです」
「⋯⋯はあ。 なんなの、あの子⋯⋯」
「さて! 選手たちに感想をいただきまして、閉会とさせていただきます。 ありがとうございました!」
「我、修、必、勝」
「我は修行を重ねて必ず勝わ! ⋯⋯私は広報として成長するわよ」
「いや、みんな負けたようだね。 私も役目を果たしたから、帰るか」
「「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」
「お嬢さん、なかなかの食べっぷりじゃの」
「そうだぜ。 俺たちは完敗だ」
「お嬢様なら、世界を目指せるさ!」
「そうですわね⋯⋯世界! そこには美味しいご飯がいっぱいありますわね! ⋯⋯そして楽しい思い出も。 私、喰らいつくしますわね」




