オリエンテーション
53、生徒会メンバー同士仲良くなろう!
「みなさん、本日は夜という遅い時間の中、集まっていただきましてありがとうございます」
「本当ですわ! こんな時間になにをなさいますの?」
ーーあの後、ミウミウの所に向かい「夜遊びしよ!」って誘ったら、もうこの時間だったよ! 一日ってあっという間に過ぎるねーー
「我ら、生徒会メンバーは二学期に入ると、毎日、忙しい日々が始まります。 その前に、今回はみなさんと交流を深めて仲良くなりたいと思うんです」
そう言うと瑞稀は、メンバーの顔を見回す。 拍子抜けした顔の櫻井美羽、ドヤ顔の田中幸子、興味深そうな顔の榊原結衣、そして訝しげな表情の柳田健太。
「なにをなさいますの? ⋯⋯ここはなんか不気味な雰囲気がしますわ⋯⋯」
(理由をお聞かせください)
「ふふふ、ここは我が説明しよう!」
堂々と前にでた田中書記は黒いマント姿だった。 彼女は私に視線を合わせて頷く。 自信満々だね! 作戦成功!
「これから我らの主、エターナルパーフェクト様をこの場に召喚する!」
「⋯⋯はい、と言うことでやって行きたいんですけどね⋯⋯」
「何言ってますの? それってただの貴方達の空想の存在ですわ!」
「それがそうとは限らないんだよ⋯⋯この日記を見てよ!」
私があの古くてボロボロな紙の束を取り出した。
(明らかにあやしい紙だね)
そうでしょう、そうでしょう。 頑張って加工しました!
「⋯⋯倉石会長、これをどこで手に入れた?」
「柳田番犬。 これは、生徒会室の中にありました。 ⋯⋯なんか封印がされていたけど、触ったら封印が解けちゃった」
まったくの嘘だらけだけどね! ふふふ。
「これぞ、選ばれし者の証! 我らはこの文献の謎を分析した。 その結果、この魔法陣と祭壇を用意するに至ったのだ」
さすが脚本家! それに演技も最高! ーーまるで本当にこれから儀式が始まるみたいだね。
おっと! 私も説明しなきゃね。
「これから、みなさんには指示を与えますのでその通りに動いていただきます」
「嫌ですわ! そんなあやしい行為したくありませんわ!」
「大丈夫だよ、ミウミウ! 貴方の役目はお供え物だから⋯⋯」
「余計嫌ですわ! は! たしか私の役目って供物でしたわ⋯⋯」
ミウミウったら面白い! 同じこと二回も言っちゃってさ!
「⋯⋯俺はなにをするんだ?」
「ふふふ、焦るでない。 我々はこの儀式を通じて一致団結するのだからな!」
「あれれ? ノリが悪いよ番犬くん?」
「倉石。 ⋯⋯お前、この行為の意味がわかっているのか?」
どうしたの? 柳田庶務? そんなにシリアスな雰囲気を出して。 ただのオリエンテーションなのにーー
「エターナルパーフェクトさま~、こんばんは~。 あれれ~、声が聞こえないよ~、もう一度~」
「フグ、ブク」
「「今宵の闇夜に、我ら貴方様へ謁見を申す者なり」」
「それ即ち、我ら、貴方様の家臣なり」
「その姿を我らに現せ!」
「「エターナルパーフェクト」」
私と田中書記が声を合わせると、魔法陣が輝き始めました。 そしてそれらが、一斉に一箇所に集まります。
(凄いわ。 夢見たいね。 綺麗)
「マジでしたわ! ⋯⋯貴方たちなにを望んでいるんですの?」
「「え~本当に光った! 冗談だったのに」」
「なに、息ぴったりに発言していますの! 早く、私を助けてくださいまし!」
えっと、本当に光ったね! 驚きだよ!
光が美羽の体へ迫るその時、柳田庶務がミウミウを片手で抱えて飛躍、そして、もう片方で謎の印を光へ投げ入れました。
「消えろ! お前の居場所はここではない一閃の光、万邪を祓う。悪霊退散!」
「すご! まじで映える! 写真とろ! はいピース!」
「さすが、田中さん! ⋯⋯わあ、すごい綺麗ですね」
「わあ~、花火~、みたい~、綺麗~」
「なに、呑気に写真を眺めていますの! ⋯⋯たしかにいいですわね」
写真について盛り上がっている中、健太は今の現象について考えていた。
「⋯⋯今の悪霊、まさか名前に釣られて?。 エターナルパーフェクトか⋯⋯」
「凄かったぞ、柳田! さすが、番犬! 頼りになるぞ!」
「ええ! 我々は今回の出来事で一致団結出来ました!」
(本当! 凄かった! さすがファンがいるだけあるね!)
健太を褒めて一見落着の雰囲気の中、美羽が文句を言い出します。
「映える写真撮れた! ⋯⋯じゃあねぇですわよ! あのままだと、私の命が危なかったんですのよ!」
「ごめん、ミウミウ。 ⋯⋯まさか本当に発動するなんて⋯⋯」
「本当にびっくりだよね、世の中不思議があるもんだね」
「貴方達、許して欲しかったら、これから二次会をするんですの!」
(二次会! 楽しみ!)
「倉石生徒会長。 ⋯⋯その文献、俺が預かってもいいか?」
「どうぞ。 でも本当に柳田先輩がいて助かりました⋯⋯どこかで修行を?」
「家族代々、引き継がれてますからね⋯⋯」
「ほう⋯⋯柳田よ、今度我にもその呪術を教え賜え」
「アンタたちには、教えないよ! ⋯⋯教えたらとんでもないことになるから」
そう柳田庶務は言うと、先に出て行ったミウミウと榊原会計を追いかけて、この場を後にしたーー
「それじゃ! 二人で片付けをしましょうか!」
「そうですね。 楽しかったよ倉石」
「え? 田中書記」
私たちは見つめ合う、二人はお互いに何故かドキドキが止まらなかった。
「サッチー⋯⋯」
「瑞稀⋯⋯」
『素晴らしいことです。 青春とはなんと美しいものでしょう⋯⋯』
「「ギャー」」




