櫻井家パーティ開催中
パーティーそれは、煌びやか雰囲気の中、談笑してする社交場。 綺麗な衣装を身に纏い、会場を舞う。
決して、頭にハチマキを巻き、気合いを入れてご飯を食べる場所じゃない!
「わあ! このスープ、池みたいな量があるよ!」
「唐揚げが山みたいだ!」
「おいおい! 嘘だろ⋯⋯巨人が現れるのか? この会場は!」
私は和馬さんに詰め寄る。
「あの? 和馬さん? これはどう言うことですか? 100人前何処じゃないですよね?」
「うん? 各種100人前だよ?」
ちょっと待って! 私が想像していたのは総合で100人前! しかしこれは単品で100人前換算だよ!
「なによこれ! こんなのおかしいでしょ! うわー!」
彩乃がパニックになっている。
「えー。 ではみなさん、好きなだけ取ってください。 スタート!」
和馬さんが声をかけると、戦いの音楽が鳴り響き、何処からか人だかりが現れた。
「いくぞ! 我らの力を見せつけよ!」
「旦那様、私たちを見ていてくださいませ」
この人たちは! 櫻井家の使用人達! 食事へ一生懸命に喰らいつく。
このパーティ会場はさっそく、混沌とした場に早変わりした。
「なんだ? この雰囲気は?」
「これが、櫻井家のパーティーだ健太」
「親父! そうなのか⋯⋯」
「それでね! あの子は毎日楽しそうで。 なんでも『瑞稀ちゃんの最近の流行りは授業中に推活することだ!』って言ってたわ」
「そうなんですね⋯⋯他にも教えていただきたいですね」
『わたし〜たち〜はかぜにのり〜うたで〜きもちを〜つたえたいよ〜』
「わあい!」
「素晴らしい演奏ありがとうございます!」
「こちらの唐揚げの隠し味はなんですか?」
「田中様、こちらは隠し味に⋯⋯」
「ふむ、ありがとうございます」
「お姉ちゃん! 唐揚げ美味しいね!」
「そうだね。 今度作るからね!」
「わーい! お姉さん!」
混沌だ! この雰囲気! 私は和馬さんを見る。 和馬さんはまるで総大将のように佇んでいた。 戦かな?
「殿! 間もなく敵兵第二軍が到着します!」
「うむ、良かろう。 かかってきなさい」
私は頭のハチマキを見た。 そうだ、私も戦おう!
「⋯⋯殿。 前線部隊、満腹のため撤退します!」
「ご苦労だった。 ゆっくり休めよ」
「有り難き幸せ!」
私は空を見た。 暗くなっていた。 間もなく花火が上がりそうだーー
「みなご苦労! 我々の奮闘により、敵は壊滅状態じゃ!」
「おお!」
「殿! 大変です! 突然大量の食事が届きました!」
「なんだと!」
「こちらの手紙が中に⋯⋯」
「読ませろ!」
「なになに『親愛なる美羽へ。 お母さん、突然用事が出来て行けなくなっちゃた。 代わりに美羽が好きな食事を送るわね。 貴方を大好きな香織より』」
そして運ばれてくる食事たち、現場にはもう精鋭たちはいない。
「竜也! ねぇ! しっかりして!」
「善子⋯⋯」
「竜也!」
「善子⋯⋯残念だけど竜也はもう⋯⋯」
「そんな! 私が仇を取るわ! 来なさい食べ物!」
「駄目だ善子! 私たちは食事制限中だよ」
「明里! どいて! 私は仇を取るのよ!」
ーーなんだ、この茶番劇はーー
「くっう」
「健太!」
「彩乃! うおー! 俺の秘めたる力降臨せよ!」
「これは!」
「湊! 健太の身になにが起こっているの!」
「健太の覚醒が起こったんだ! ⋯⋯俺も負けられないな! ことね! 俺に力を貸してくれ!」
アンタたちもかよーー
「香織! 何故このような仕打ちを!」
「和馬。 もうやめよ。 お前には不可能だ」
「⋯⋯何故香織は私に説明をせずにこれを送って来たんでしょう?」
「サプライズですわ!」
「サプライズ? とは?」
みんなが駄目になってしまった。 私は気が遠くなり、窓の下を見る。
「あれ? ミウミウとことねじゃない?」
「本当だな」
私たちは声をかけて呼ぼうとした、その時。
パーン、ボーンパーン
花火の音が聞こえ来た。 お陰で見える程、近くにいるのに聞こえない。
私たちの声はいつしか、悲鳴になった。 しかし、彼女たちには聞こえないのである。
「そんな! 助けてよ! ミウミウ!」
私たちは花火が終わるまで、叫び続けるのであった。




