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倉石瑞稀と100のやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
夏休み編

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36/121

パーティ会場に導かれし者達

 「えっと⋯⋯櫻井さん。 それでしたら調理しなければ、ある程度持つのではないでしょうか?」

 「⋯⋯ええ、それが出来ればですがね。 ⋯⋯手遅れです。 既に全食材が調理済みですよ。 ⋯⋯うちの妻子は食べるのが好きでね、毎年用意しないとあっと言う間になくなるんですから⋯⋯」

 「櫻井さん、どれくらいの量を頼んだんですか?」

 「そうですね。 ⋯⋯だいたい100人前ですね。 会場はあちらです」


 そう、和馬さんが言うと、見晴らしのいい場所に立つ家を指差した。 


 ーーどうやらあそこが、決戦の地らしいーー


 「いいでしょう。 あそこは夜になると、綺麗な花火が見えますよ」


 和馬さんはその言葉と裏腹に悲壮感が溢れていました。 つまり、私たちが花火を見る頃にはーー


 「⋯⋯えっと、櫻井和馬さん。 僕たち以外にも来るんですよね?」

 「そうだとも、弟さん。 ⋯⋯そろそろ、到着予定だよ」


 すると、バスがやって来て、ここに止まった。 中から出てきたのはーー


 「うむ。 ここは、心地よい風が吹いておるな」

 「そうですね。 今日はいい天気で、賑やかな声も聞こえますね」

 「お! 瑞稀も来てるな! 元気か?」


 まず最初に現れたのは、柳田家一行様。 あの土地の名家が外に出るのは珍しいことではないですか?


 「お祭りがあったね! お姉ちゃん!」

 「お姉さん。 ここが会場?」

 「そうだよ二人とも。 一緒におてて繋いで歩こうか」


 次に降りてきたのは、田中幸子と弟妹。 三人とも仲がいいのが伝わってくるね。 見ていて気持ちいいよね。


 (こんにちは! お招きありがとうございます!)

 「私たちもいいのかな?」

 「ついでで来てしまったわ!」

 「さらについでで来たぞ!」


 柳原結衣とそれからメンバーの二人ーー黒田明里と新田善子。 そして、立川竜也だね! ついでって謙遜しているけどありがたい援軍だよ。


 「⋯⋯まったく、こんなことしている場合じゃないんだけど」

 「お姉ちゃん! 招待していただいているんだから! その態度は良くないよ! ⋯⋯あ! みずちゃん!」

 「⋯⋯いないな。 ことねは今頃、お祭り中かな?」


 桐原姉妹に高坂湊まで来た! もしかして本当に全員に声をかけたんですか?


 そう思って和馬さんを見ると、和馬さんはまだバスの方を見ていた。


 えっと? まだ誰か、あのバスに乗っている? だとすれば誰が乗っているだろう。 そう思っていたら、中から現れたのはーー


 「ことね! お母さんがサプライズで登場したわよ! どう? びっくりした? あれ、ことねがいないわ⋯⋯」


 ーーあの方は間違いない。 


 私はノートに書いたリストを思い出す。


 51、川端雫に会う


 川端雫。 彼女は川端ことねの母親である。 高坂湊の両親と一緒に、遠い場所で赴任している。

 

 姫様が言うのは、娘を放置して、休日に推活ばかりをする母親だそう。 一方『ことね』の方は自信満々に『私が雫さんを推活沼にはめました』と言っていた。


 「娘さんはお祭りに行ってますよ、川端様」

 「あら! 貴方が瑞稀さんね! 噂はかねがね聞いているわよ」


 私の顔が引き攣った。 


 「⋯⋯えっと。 例えば、どんなことでしょうかね」

 「⋯⋯うん、そうね。 遅刻をしたり、授業中に居眠りをする。 あとは⋯⋯」

 「川端様! お話しはそれくらいに⋯⋯」

 「面白い話しですね。 もっと聴きたいですわ」

 「貴方は?」

 「この怠惰な子の母親です」

 「ひい!」


 お母さんが怖い。 後で覚えてなさいって言われているみたいだよ。


 ーーかくして役者は揃い、私たちは決戦の地へ移動するのでした。

 

 

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