パーティーへ招待
「ふぁー」
自分の部屋の中で、私は背伸びをした。 カーテンを捲れば、もう夕方だ。
今頃、ミウミウとことねは別荘かーー
私はーーと言うと、朝から晩までゲームをしていた。 勉強? それよりも推活優先でしょ!
そんなことを考えていると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。 私は声を上げて返答する。
「いるよ? どうしたの?」
「瑞稀! 櫻井さんがパーティーに招待してくれたぞ! 明日は家族みんなでパーティに行くぞ!」
お父さんが興奮したように、話してくる。
ーーパーティー! 何かたくさんのご馳走が食べられそうな予感!
「いいね、さすがお父さん!」
「そうだろう。 明日が楽しみだよなぁ」
私は、お父さんと手を合わせ、明日のことに期待した。
ーーきっと仲良くなった、ミウミウとことねに会えるだろうーー
三人でどんな話しをしようかな? そうだ、姫様も出て来てくれるよね? あれ? それとも、出て来るのは『ことね』の方なのかな? まあいいか!
私は色々なことを想像してワクワクしながら、眠りにつくのであった。
会場は、なんとミウミウの別荘の近くらしい。 私たち家族は、車でミウミウの別荘に向かった。
「わあ! お祭りの屋台だよ!」
「まあ。 凄い立派な屋台ね」
「ミウミウが一緒に周りたいって言ってた意味がわかるよ⋯⋯」
「あれ? 姉さん? だったら何故今日はパーティーなんてするの?」
弟にそう言われて、私は自分の見落としに気付いた。
「⋯⋯たしかに。 言われてみればおかしいよね?」
「どう言うことだ、瑞稀?」
「私はミウミウのことだから、まったく疑問に思わなかったけど⋯⋯普通に考えたら変なことだよね。 だってミウミウは祭りの屋台のご飯を食べたいって言っていたから⋯⋯」
うん? ここで考えていても答えが出ない気がする。 別荘に到着してから、直接本人たちから聞こうかな。
そう考えているうちに、私たちは櫻井家の別荘に到着した。
ーーそこで待っていたのは、明らかに落ち込んでいる様子の櫻井和馬さんだった。
「櫻井さん。 本日はパーティーへ招待いただきありがとうございます」
「「「ありがとうございます」」」
「あ、あぁ。 倉石さん、来てくれたのですね⋯⋯」
「櫻井さん? どうされました? 体調が悪いのですか?」
お父さんが和馬さんの心配をする。
ところで、ミウミウやことねは? そうかーーわかった!
「和馬さん。 二人ともお祭りに行ったんですね」
「⋯⋯その通りだよ、瑞稀さん。 今頃、二人はお祭りを楽しんでいるだろうな⋯⋯」
和馬さんは、その言葉と裏腹に複雑な表情を見せていた。
「⋯⋯嬉しくないんですか? 二人が仲良くしているのが」
「はは、嬉しいさ。 美羽はとても喜んでいたよ⋯⋯」
「⋯⋯それなら、何故そんなに落ち込んでいるんですか?」
私が尋ねると、和馬さんはまるで、現実逃避するように空を見上げた、その視線には飛行機があった。
「毎年、祭りの日は、美羽とそして妻の香織と、一緒にパーティーをするのが、私たち家族の唯一の集まる日だったんだ⋯⋯それは今年も当てはまる予定だった。 今年は、美羽の知り合いやその家族を呼んで、盛大に祝おうと準備をして来た⋯⋯」
和馬さんは、私たちの方を見ている。
ーーなるほど。 ミウミウの友達を誘ってパーティーを開催して、みんなで楽しもうとしていたんだね、和馬さん。
「⋯⋯けど、美羽はことね様と一緒に出かけるし、香織は急用でキャンセルだと、さっき連絡を受けた⋯⋯」
なるほど。 だから落ち込んでいるだね和馬さん。
「しょうがないですよ。 また後日でも開けば、問題ないですよ」
「⋯⋯ふふふ。 倉石さん。 ⋯⋯私が落ち込んでいるのはそうじゃなくてね⋯⋯別の問題なんですよ⋯⋯」
妻や娘がそばにいないから落ち込んでいる訳じゃない? じゃあなんでそんな態度なんですか、和馬さん? あれ? もしかして、理由を知っているかも。 え! ーーでもそうだとしたら、大変なことじゃないですか!
「ああ。 瑞稀さんは気付いたんですね。 ⋯⋯一緒に遊園地で遊んでいた時に美羽が言ってましたからね。 ⋯⋯そうです。 大量の食品が今、我が家に集まっているのです! 私を助けてください!」




