ミウミウと『ことね』と姫様3 ーー櫻井美羽視点
「ふん。 ここが寝床ね」
「ことね様? どうかなさいましたでしょうか?」
「⋯⋯ねぇ、貴方いつまで猫を被っているの?」
「⋯⋯猫とは? ⋯⋯どう言うことでしょうか?」
「貴方の気持ち悪い敬語のことよ」
「えっと、気持ち悪いですか⋯⋯」
私はショックを受けましたわ! ことね様は私の口調を気持ち悪いと思っていましたのね!
「学校の休み時間もそう。 ⋯⋯私、知っているだから、湊と貴方が密会していることをね。 ⋯⋯二人で仲良く過ごして、私は除け者扱いしていることもね」
バレてましたわ! 私がコッソリご飯を食べていることが、バレていましたわ! 私は羞恥で顔が熱くなりますわ!
「それに瑞稀や生徒会の人たちにも素で話しているわよね? ⋯⋯なんで私には、敬語なのかしら? 出会った時のあの様子はどこへいったの?」
ことね様が私のことを、鋭い目つきで睨んできます。 しかし、急に表情が変わり、ことね様が微笑みながら私にウインクをしてきました。 そして、どこかに行ってしまったのでした。
私は訳がわからず、固まっていることしか出来ませんでしたわ。
「そうなのですわ。 ことね様も、私と仲良くしたかったのですわ」
私は、ことね様と仲良くなる様に頑張らないといけませんわ!
しかし、その後ことね様は、私との会話を拒んでしまったのでした。
「明日こそ! ですわ!」
私はそう、誓いを立てて眠りに着きました。 けれど、ことね様は見当たりません。
「ことね様。 ジョギングに出かけたのですわ?」
「美羽? どうした?」
「ことね様がジョギングに行ってしまいましたわ」
「そうか。 ところで美羽、今日のパーティだがな」
パパは今日の開催予定のパーティについて話し始めます。 パーティ? なんですのパーティってなんですの?
「美羽には20人前を用意したからな!」
「ちょっと! ⋯⋯パパ」
「足りないのか。 ⋯⋯しょうがないな、おかわりを⋯⋯」
「今日はお祭りですわ!」
「うん? そうだが、どうした美羽。 お祭りの時は、毎回こうしてパーティを開いているじゃないか?」
「ことね様と私は一緒に屋台を周るんですの!」
私がそう答えると、パパは困った顔をしましたわ。
「⋯⋯屋台って、美羽は食べ物を我慢するのか?」
「いえ、ことね様と一緒に食べますわ!」
「おいおい。 それじゃあ、ことね様が配膳係になるぞ!」
「後は、一緒に遊戯を⋯⋯」
「駄目だ、ことね様には今日はパーティに主席してもらう」
「パパ! ことね様はパーティよりも、屋台に行きたいと言いますわ」
「そんなことはない! だいたい、ことね様をそんな場所に連れて行くなんて、よく言えるな。 まったく、やっぱりことね様にと生活させるのは間違いだったな! これじゃ立場が逆転するだろう!」
「まあ! パパ。 酷いですわ!」
私はお婆様の部屋に入って泣きましたわ! パパは私のことをなんだと思っていますの! 加減ぐらいしますわよ!
しばらく泣いた私は、ことね様に気付いた。
「⋯⋯ことね、意地悪ですわね、近くにいるなら声をかけてくださっても⋯⋯」
『うん。 私ね、美羽ちゃんが喧嘩して、傷ついて泣いてる所をずっと見てたよ』
「ちょっと、酷いではありませんの。 なにかおしゃってくださいまし!」
『ふふ、だって美羽ちゃんの泣き顔、かわいいもん!』
「ことね! サディストなんですの! ドン引きですわ。 ことねは、パーティへ行きたい?」
『うん、パーティは行きたいよね。 でもそれより、私は美羽ちゃんと一緒に屋台を見て周りたいかな。 凄かったよ! 今日の屋台巡り楽しみだね!』
「はい! 一緒に周ります! 夏の思い出を作りますわ」
こうして私はことねと仲良くなることが出来ましたわ。 でも、それと同時に違和感に気づいてしまったの。
「ことね」
『うん。 なに?』
「貴方は誰ですの?」
『⋯⋯へえ? 美羽ちゃんも気付くんだ! 意外だね!』




