学園歓迎会
43、学園歓迎会を成功させよう
理想学園にたくさんの子供達と、その保護者が集まる。
今日はこれから、理想学園の歓迎会が始まろうとしていました。
「お姉ちゃんが出るって本当かなぁ」
「お姉さん! 頑張って」
田中幸子の弟妹が、舞台に向けて大きな声を出します。
すると、舞台に一人の女性が現れました。
「⋯⋯あれ? ゆいゆいだよね?」
「ゆいゆいだ! 凄い!」
会場は、まさかのアイドルの登場に騒然としています。
「みんな~、こんにちは~」
『こんにちは!』
「お〜! 元気いっぱい〜」
『ワアー』
会場の盛り上がりは、上々のようだ!
「これから~、お姉さんと一緒にお歌を歌ったり~、ダンスしたりして、楽しく~すごしま⋯⋯」
『おっと、じゃあするで~』
ゆいゆいが、みんなに向かって楽しく誘っていた時、会場にその声が響きました。 すると、舞台にコスプレをした二人が現れました。
「おうおう。 お嬢さん達、暇?」
「邪道創造、悪略卑劣」
その二人は、会場にいたゆいゆいに近づいて行きます。
「お姉さんだ!」
「お姉ちゃん! 頑張って!」
一部の子供は何故か乱入者を歓迎していましたが、大体の人達はゆいゆいと遊ぶ機会を奪われて、不機嫌でした。
「やばい~、このままだと~、私~、ピンチだよ~、助けを呼ぼう」
『たすけて』
「ミウミウ~、たすけて~」
『ミウミウ?』
「ミウミウ! たすけて!」
『ミウミウ! たすけて!』
最初は、『ミウミウ』とは? となっていた観客席にいた人々が、場の勢いに流されて、『ミウミウ』と言う者に助けを乞う。
ーーすると
「そこまでだ、悪霊に取り憑かれた哀れな者達よ! みんなの自由のために戦う、推活の使者! ミウミウ! ここに見参!」
その声に合わせて、登場したのは、着ぐるみだった。
制服姿で、名札には目立つ様に『ミウミウ』と書かれている。
「私が来たからには、もう大丈夫! みんなの推活動は守るわ!」
おそらく、着ぐるみ本人が喋っていないだろう声。 会場にいる取り憑かれた悪霊達は、ミウミウに詰め寄る。
「おう? なんだなんだ? ミウミウ! 俺達の邪魔をするのか?」
「我の紅紅玉衝撃波を喰らうといい!」
「みんな~、ミウミウを応援しよう!」
二人が台詞を吐いた後、ゆいゆいが観客のみんなに、ミウミウの応援を求める。 「ミウミウ頑張れ!」の声が会場から溢れてくる。
「⋯⋯あれ? みんな、ミウミウを応援してるよ?」
「え? なんで? お姉さん頑張れ!」
「くれない、お姉ちゃん頑張れ!」
「えっと? ⋯⋯ほとんどの会場のみんなのパワーをいただいたよ! 喰らえ悪霊達! のんびり推活ビーム」
『わー。 負けた!』
そう言いながら、会場を去っていく二人ーー
「えー。 お姉ちゃん負けちゃったよ!」
「お姉さん⋯⋯」
一部の盛り下がる子供以外は、二人の退場を喜んでいました。
「みんなの応援のおかげで、悪霊達は退治された! これから存分に推活に励んでくれ! じゃあ、また!」
「ありがとう~、じゃあ~、歌うね~」
ミウミウが、歌い出して、しばらくすると四人が現れた。
「お姉さんだ!」
「お姉ちゃん!」
先程まで、落ち込んでいた子供達も笑顔になり舞台に声援を送る。
ーーこうして生徒会の舞台は成功に終わるのだった。




