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倉石瑞稀と100のやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)


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22/27

阻まれる私の野望

 「⋯⋯それで。 次は?」

 「次はこれです!」


 39、帰宅部を創設する


 「却下だ!」

 「⋯⋯! 何故です!」

 「今更、そんなものを創設しても意味がない」


 ーーその通りだった。 


 この学校の生徒は、必ずどこかの部に入部しなければならない。


 私が、どうしても拒みたかったことだ。 しかし、そんな私でも部活に加入している。 この学校の生徒は、何かしらの部活をしているのだーー


 「⋯⋯なら、これはどうですか?」


 40、持ち物の自由化


 「却下だな。 お前は何故登校している?」

 「⋯⋯勉学です」

 「では、不要なものを持ち込む必要は?」

 「ありません⋯⋯」


 私の声のトーンが弱くなっているのが、自分でもわかる。 私の体が震えている。

そんな私の様子を柳田庶務は睨んでくる。


 まるで次を、急かしているようだーー


 41、放課後の自由行動ーー


 「論外だな」

 「⋯⋯え? どうして?」

 「俺たちは、理想学園の生徒としてーーこの土地の学校としての態度を、地域住民たちにアピールしなければならない。 そんな俺達が、制服のまま娯楽施設に向かうと言う考え自体が間違っている」


 私は、跪いた。 そして気がつく。 


 私が相手をしているのは、柳田庶務ではない。 この学校の昔から続く伝統であることにーー


 ・部活動は全員参加

 ・不要な持ち物禁止

 ・放課後の規律正しい生活


 どれも、この学校に昔からある伝統だ。 私は、柳田庶務の顔を見る。 ーー彼の顔は笑っていた。


 「⋯⋯倉石瑞稀。 変えようぜ! この学校の規則をよ」

 「はい! 柳田庶務! 頑張りましょう!」


 私は彼の手を取る。 私の目からは、涙が出ていた。


 「クク。 感動的なストーリーだな」

 (二人とも役者になる? いい人紹介するよ?)


 田中書記と榊原会計が拍手で応えてくれた! 私の野望は潰えてなかったんだーー


 「異議ありですわ!」

 「⋯⋯どうしたの? ミウミウも参加する?」

 「瑞稀! 貴方の考えていることはめちゃくちゃですわ!」


 そう言うと、ミウミウはジタンだを踏みながら、こちらを睨んでくる。

 

 「え? 放課後にご飯を買い食いしたくないの?」

 「⋯⋯素晴らしい、改革ですわ! 是非そうしましょう!」


 ーー流石に、変わり身が早いよミウミウ。


 「⋯⋯だが、生徒会長。 帰宅部は今年度は無理だぜ」

 「ふむ、道理であるな」

 (来年度からにしようよ)


 私は黒板に了承の意味を込めて『来年』と追加した。


 これで、今年度の帰宅部の創設は阻まれたが、私は変わりの案を出す。


 42、推活部の露出拡大


 「実質帰宅部の部活予算を増やして、どうするつもりですの?」

 「推活する!」

 「まんまですわ!」


 ミウミウが、頭を抱えるのであった。

 


 「ふぅ、熱い議論でした。 先輩方ありがとうございます! これからよろしくお願いします!」

 「うむ、任せるとよい! では、今宵の満月に吠えようぞ!」

 「あ〜れ、おわり~、え~」

 「やれやれ、時間と言うのはあっと言う間だな。 お前たちありがとな!」

 「ブグク、ブグ」 (瑞稀! 護摩化すなですわ!)


 そして、全員が窓から見える夕日を眺めるーーこれからの学校生活に期待しながらーー

 

 「明日から、ミウミウには頑張ってもらうからね!」

 「ブクク」 (え? 何をですの?)


 新生徒会最初の行事ーー学園歓迎会に向けての活動が始まる!

 

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