生徒会役員勧誘
33、優秀な生徒会の役員を集めよう!
挨拶を終えた私が次にすることは、生徒会の役員選抜だ。
ーー実はもう役員の配役まで、決めている。
あとは、本人達の承諾を得るだけだ!
「息子さんを、生徒会に入れたいと思っております」
「ほう、健太か。 ⋯⋯呼んで来い」
「はい!」
見えない所から声がしたことに驚いていたら、柳田健太が現れた。
「⋯⋯親父、どうした?」
「そちらの娘がお前に話しがあるそうだ」
「ほう。 ⋯⋯おはようございます。 新生徒会長様」
柳田健太は、慇懃無礼な様子で私を見る。 彼には色々、言いたいことがあるが、この場では、やめておく。
「わあ! 瑞稀ちゃん怒ってる!」
「ことね! 静かにしとこうな」
「おやおや、知らない間に失礼をしたようですね」
「⋯⋯⋯」
落ち着いて、耐えるの私!
「健太さん! 是非生徒会に入ってください!」
「いいぜ! 望むところだ!」
「ありがとうございます!」
よし! 一人ゲット! 次に行こう!
「本日は、ありがとうございます。 私はこれで失礼いたします」
「瑞稀さん。 また、いつでも来てくださいね」
「はい! ありがとうございます!」
私は、柳田家を後にするのであったーー
「⋯⋯さて、どうなるかなぁ」
「健太、期待しておるぞ」
「わかったよ、親父」
「⋯⋯あれ? 瑞稀ちゃん、帰ったの? 早いね!」
「俺たちはこれからどうする?」
「家に帰ろうか! 湊!」
「おいおい。 帰るな! 俺らはこれからのことを話しあうぞ⋯⋯」
「ククク、朝の宴の供物はこれで決まりだな」
「お姉ちゃん! 格好いい!」
「本当に! ⋯⋯この発言も使えるかな。 メモしよ」
「お姉さん、お客様だよ」
「お客さん? 誰だろう?」
『こんにちは、ワルザベス』
「⋯? 田中ですけど?」
『君を生徒会に勧誘する!』
「生徒会? ⋯⋯はい、わかりました」
「⋯⋯では、逢魔が時に会おう⋯⋯」
「お姉ちゃん、今の人誰?」
「新しい生徒会長さんだよ⋯⋯逢魔が時か⋯⋯格好いいセリフだなぁ。 メモしよ」
「よし、休憩だ!」
『はい』
「差し入れ持ってきました!」
「あれ? 新しい生徒会長さん?」
「おはようございます! 生徒会長さん!」
「はい! どうぞ!」
私は彼女達に飲料を渡す。 ーーそして目的の彼女にも。
「差し入れ持ってきました、置きますね!」
(ありがとう、嬉しいな。 おはよう、生徒会長さん!)
「あの、榊原結衣さん! 生徒会に入ってください!」
『ええ! ちょっと待ってよ!』
私が提案すると、他のメンバーが異議を唱えた。
「ゆいゆいはハードスケジュールなの!」
「そうよ! 私との練習に、それから⋯⋯」
(いいわよ、条件付きでね!)
私は榊原さんからの条件を聴く。
ーーその条件は、まさに私のやりたいことの一つであった。
(どう? 大変だけど、大丈夫?)
「いえ! 寧ろお願いしたかったぐらいです! よろしくお願いします!」
「ゆいゆいがそう、言うなら仕方ないな」
「これからよろしくね、会長様」
これでメンバーはあと一人。 マスコット役の彼女だ。




