お泊まりの朝
「ふぁ。 よく寝た⋯⋯」
なんか、久しぶりによく寝た気がする。 毎日、ゲームばっかりして、寝不足だったからねー。
27、お泊りの、朝の挨拶
「おはよう! ことね⋯⋯あれ? いない?」
ことねを探すが見つからない。 どこか行ったのかな?
諦めた私は、舞香に朝の挨拶をする。
「マイマイ。 おはよう」
「おはよう! みずちゃん! ⋯⋯なんだか、朝起きてから挨拶って、楽しいね。 親切な気分になるよ」
私は、ニコニコする舞香の髪を優しく撫でる。 舞香は驚いたが、すぐに目を細めて、喜んでくれた。
ーーそう! これよ! 私が求めていたのは! 一緒に仲良く夜を過ごし、朝に当然のように、挨拶をする。 とてもかけがえのない素晴らしい瞬間よーー
「⋯⋯⋯⋯⋯おはよう」
「あ! お姉ちゃんおはよう!」
「おはよう! 彩乃さん!」
私は彩乃さんに近づく。 彩乃さんは、一瞬、怖がる表情を見せるが、撫でると頬を柔らかくする。
ーー姉妹揃ってネコみたいだね、と私は、思った。
さて次は、ミウミウね。 私は、彼女を起こす。
「ミウミウ。 おはよう!」
「じゃありませんわ! 瑞稀! 私との約束を忘れていませんこと!」
ーーおっと。 ミウミウは怒り心頭のようだ。 まったくも、ミウミウは全然お泊まりの楽しみを理解していない。
「なんですの! その残念な人を見る目は! 残念なのは、私ですわよ! ⋯⋯お陰で私のお腹と背中はくっつきましたわ!」
そう言いながらミウミウはボディーを、私に見せつける。
その体は、適度なバランスで筋肉がついており、とても絵になる姿だった。 私は自分の体と見比べて、心の中でため息をついた。
「大丈夫! 私は嘘つかないよ! ⋯⋯それより、いいのかな? ミウミウのその自慢のボディが、台無しになるけど?」
「面白いことを言うわね、瑞稀。 当然、問題ないですわ!」
「ほう。 それなら、今日の午前中は予定と胃袋を開けて置いてね。 用意が出来たら、理想学園の体育館に集合ね!」
「お姉ちゃん達! あの大会に出場するの? 凄い! 応援するね!」
私たちは、準備のために解散するのであったーー
「ただいま!」
「おかえり、瑞稀。 お泊まり、楽しかった?」
「うん!」
「瑞稀。 今日は、参加ありがとうな」
「お父さん! 期待して! 最強の相方がいるから!」
ーーさあ、ミウミウ。 私のことを楽しませてね。




