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倉石瑞稀と100のやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)


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13/27

ことねと姫様

 「もしもし、お母さん」

 「瑞稀? どうしたの?」

 「今日は、友達の家にお泊まりするね」

 「⋯⋯そう。 わかったわ、楽しんでね」


 よし、家には連絡したから大丈夫。


 25、友達の家に泊まる


 「ありがとう、舞香」

 「いいよ! お姉ちゃんは寝てるから、気にしないで!」

 「マイマイ! 勝負ですわ!」

 「不意打ちとは! ミウミウ、大人気ないよ!」


 さてと、どうにかしますか。


 「⋯⋯瑞稀は帰らないの」

 「うん、今電話して来たから」

 「あ、そう⋯⋯」


 あれ? 違和感があるな?  ーーなんだろう?


 「ことね! 一緒に推について話そう!」

 「私は、そう言うの興味ないかな⋯⋯」

 「貴方は誰ですか?」

 

 私の口から疑問の声が出た。 どうやら、的を射た発言だったようで、彼女は気まずい表情をあらわにした。

 

 「『私』は『ことね』よ。 と言っても、貴方達が普段接している『ことね』とは違うけどね」

 「⋯⋯なるほど、二重人格ってことか⋯⋯」

 

 私は納得した。 たしかに、ことね姫様が時々、態度が変わる理由がわかった。 では、今の彼女は他人格だろうか?


 「貴方の目を見れば、わかるわ。 残念だけど、私が『主人格』ね」

 「えっ! ⋯⋯それって」

 

 ーーということは、お嬢様然とした彼女が本当の!


 「⋯⋯ごめんなさいね。 貴方の期待に添えなくて⋯⋯」

 「ありがとうございます! 最高です!」

 「⋯⋯あの、話しを聴いていましたか?」

 「握手お願いしてもいいですか?」

 「はい? ⋯⋯いいですけど」


 わあ! ことね姫様だ! 私の理想の形がここに!


 「やった! ことね様の握手いただきました!」

 「ちょっと! 瑞稀ちゃん! 酷いよ!」

 「あ、戻って来たの、ことね」

 「そうだよ! 『私』が怯えてるよ! だいたい握手とか、いつもしてるじゃん! それ以上のこともね!」


 ことねが、こちらを睨んで来るが、姫様と違い全然迫力がない。


 「え! だって、ことねと姫様は別物だよ?」

 「確かにそうだけど!」

 

 私は、ことねを抱きしめた。 ことねの体が暖かい。 ことねの顔を見ると、ことねの優しい瞳が、私を見つめていた。


 「⋯⋯ねえ、不気味に思わない? 私のこと」

 「なんで! ギャップ萌えじゃん! お得だよ! ⋯⋯えっと、これからは姫様とことねで読み分けるから!」

 「⋯⋯あ、そう。 じゃ、いまはどっちか、わかる?」

 「意地悪するつもりでしょ姫様!」

 「そうね⋯⋯。 よくわかっているじゃない」


 そう言うと姫様は、恥ずかしいのか、顔を赤らめる。


 「じゃ、『三人』で女子トーク始めるよ」


 26、女子トークをする


 「⋯⋯そのリスト、だいぶ適当なのね」

 「姫様。 適当なのは、私の長所ですよ。 姫様が好きな高坂さんもそうじゃないですか?」

 「⋯⋯たしかにそうね。 『そんなことないよ! 湊はいつもしっかりしてるよ! 例えば朝、起こしに来たり⋯⋯』それは貴方がお寝坊さんだから」

 「高坂さんのことが好きですか?」

 「⋯⋯『当然だよ! ちなみに、私よりも私の方が』余計なことを言わないで。 ⋯⋯湊とは、幼馴染として接しております」


  ふーん、なるほど。 姫様の愛はかなり重いねーー


 「⋯⋯なんです『それよりも! 瑞稀ちゃんの方はどう? 好きな人とかいる? いたら教えてよ!』」

 「私はいないですね。 リア充なんて滅びろって思いますね」

 「⋯⋯それは。 難儀ですね」


 あれ? もしかして私、女性トークに向いてない? そうだ! 援軍を呼ぼう! 私は舞香とミウミウの方へ向かうがーー


 「寝てますね」

 「⋯⋯まったくなんで、美羽は私と距離を取るのかしら」

 「⋯⋯仲良くしてないんですか?」

 「『私』はそう言うことは気にしないらしいけど、私はとても気になるのよ。 なんとかならないかしら」

 「ことねに頼るしかなさそうですね」

 「やはり、そうなのかしら⋯⋯こう言う時に限ってあの子は、出て来てくれないのね。 ⋯⋯私だけでどうにかして欲しいから」

 「なんだか、ことねって姫様のお姉さんみたいですね」

 「お姉さん⋯⋯『いいね採用!』⋯⋯まったくもう」


 ことねと姫様は大変だな、と他人ごとのように思う私でした。

 

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