生徒会長就任のお祝い
24、友達の家に行く
「倉石瑞稀、新生徒会長に就任おめでとう!」
「ありがとう、ことね! あなたの応援のおかげです!」
「フグブ、フグ」 (ちょっと! いつまで、私は被っていないといけないんですの!)
「⋯⋯ねえなんでここで打ち上げなの? どうして、やって来てそうそうに寝巻きに着替えているの?」
「みずちゃん! ことねお姉ちゃんゲームして遊ぼ! 今日は私が勝つから!」
ここは、桐原家。 今日はここで女性だけで、生徒会長就任お祝いパーティをしていた。
ーー桐原彩乃さんには悪いけど、ここしかなかったんだよね。 私の家は手狭だし、貴方の妹の舞香と遊びたいからね。
舞香とは、ことね姫様の経由で知り合った。 二人はだいぶ前から、知り合いらしく、とても仲良しだ。 でも、姉の彩乃さんの方は最近まで、知らなかったようで、私を警戒している。
そういえば、お昼休みの時、彼女はなにをしているのだろう? ことね姫様と仲が良いと思っていたので、一緒にお昼を食べていると思ったのだがーー
気になった私は、ことね姫様に聞いた。 すると、どこか大人っぽい悲しい表情で「秘密」だって。 人は誰でも、他人に言えない秘密を抱えているからーーと、彼女は答えた。
当然、納得がいかない私は、桐原さんを探した。 すると、誰もいない隠れた場所で、ぶつぶつ呟いていた。 私は気味が悪くなって逃げた。
「フグブ、グブ」 (瑞稀! いい加減、取るのですわ!)
「お姉ちゃん。 このぬいぐるみの人誰?」
「⋯⋯まあ、終わったし、いいか。 よいしょっと」
「貴方! よくも私をマスコット扱いしてくれましたわね! なにが自由のためですか、サボりたいだけですわ!」
「っふふ、そう言うと思って敢えてあなたの口を封じてたの! 作戦成功だね!」
「美羽ちゃん! マスコットかわいいかったよ!」
「ことね様が、そう言うなら⋯⋯」
すると、ミウミウがこちらに近づいて耳打ちをしてくる。
「瑞稀、お礼のお食事を用意するのですわ」
「はいはい。 ⋯⋯でもいいのかな? ことね姫様がいるよ?」
「ぐ! ⋯⋯後で頼むのだわ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
あの、ことね姫様。 こちらを無言で睨むのやめて下さい。
彩乃さんは、またぶつぶつ呟いている。 舞香ちゃんは、そんな姉の様子を見て、落ち込んで、ことね姫様に、顔を埋めてるしーー
もっとこう、ね。 みんなと仲良くしたいなーー 私は、複雑な気持ちになるのだった。
「やりましたわ! 勝ちましたわ! また勝ちましたわよ!」
「ミウミウ強い」
「ミウミウ大人げない」
「なんですの! この世界は弱肉強食ですわ! もう一回やりるのですわ!」
ーー結局あの後、気がつくと彩乃さんは寝てしまっていた。 それで安心したのか、舞香は私と一緒にんでいたのだが。 「なんですの、このゲーム? 私もするのですわ!」とミウミウが張り切って遊んでいる。
最初は遠慮がちだった舞香は、今は私と一緒にミウミウに文句を言いながらも、楽しく遊んでいた。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
そんな、私たちを睨む、ことね姫様に私は声をかける。
「ことねも、一緒に遊ぼうよ!」
「⋯⋯やめておくよ。 私が入ったら美羽ちゃんが萎縮するから」
今の、ことね姫様の様子はいつもの彼女とは、違い別人だった。
まるで、孤独な女性そのものーー普段の彼女と違う、このまま消えてしまいそうな印象を受けた。
ーーやっぱり原因は、ミウミウかーー
ある決断をした私は、舞香に話しかける。
「ねえ、舞香ちゃん! お泊まりしてもいいかな?」




