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倉石瑞稀と100のやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
文化祭編

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102/120

さようなら『私』 ーー川端ことね視点

 私は湊に話した。 この世界のこと、私や『私』についてを。 湊は、優しく合いの手をいれながら、しっかり聴いてくれたーー


 そして、話し終わると叫ぶように、湊が口を開いた。


 「スケールデカ過ぎだろ! なんだよ世界存亡って!」

 『そこは作者に文句言ってよ!』


 一通りの話しをした、私は、少しだけ、スッキリした気分だった。


 「⋯⋯なあ、そのパラレルワールドの川端ことねは、どうなったんだ?」

 『召喚のための供物になって、二度と登場しないよ』


 ことねが、そう言うと、湊はことねを強く抱きしめた。


 「湊⋯⋯ちょっと強すぎ! 痛いって!」

 『ことね! 大好きだ! 俺は絶対にお前を離さないからな!』


 夜になり、星が見え始めた空を、二人は微笑みながら見つめていた。


 『⋯⋯あれ、もうこんな時間だよ! そろそろ行こっか!』

 「ことね⋯⋯俺、思ったんだけどさ。 俺たち幸せだな!」

 『そうだよ! 原作のことねが知ったら、怒って暴れるくらいね!』

 「ところで、どうしてことねは無事なのかな?」

 『酷いよ! 湊は私に邪神になって欲しいの?』

 「⋯⋯いや、単純に気になっただけだよ」

 

 湊はことねの顔を見つめる。 ことねは、顔をぷくぷくさせていた。


 『悪霊の声ね⋯⋯ずっと聞こえてた。 実は、夜にこっそり祠にも行ったよ!』

 「え! ⋯⋯おいおい。 なにやってんだよ!」

 『ごめんね。 だけど、札も触らなかったし、それに多分、悪霊は私の体には入って来れないよ!』

 「⋯⋯それは、どうして?」

 『ふふ、だってここには既に二人、いるんだもん!』


 湊は視線を私に向けて来た。 


 『物事ついた頃から違和感があったんだよね! 心が二つある気持ち。 私が孤独だって思っている時に、そんなことないよ!ってもう一人の私が囁くの! それが当たり前だとずっと思ってた⋯⋯』

 

 『私』は、湊を見つめます。


 『でもね、あの日わかったんだ! 私の心にいた、もう一人も、私だって』

 「前世の記憶を思い出した日のことか?」

 『うん! ⋯⋯だからそろそろ、私とはさようならなんだ⋯⋯』


 湊はギョッとした視線をことねに向けました。


 「さようなら? それはどう言う?」

 『勝手に体に入ってごめんなさい。 迷惑だったよね。 私はそろそろいなくなるから私と楽しくやってね!』

 「⋯⋯おいおい。 さっきからよくわからないぞ! ことねはことねじゃないか!」

 『ありがとう! それが、私の聴きたかった言葉だよ! ⋯⋯さっきは全然答えてくれなかったもん⋯⋯さようなら』



 『⋯⋯もう、いいのですか? 川端ことねーーいや、OOOOさん』

 「貴方は! まさか? 神さま!」

 『エタナと申します。 瑞稀につけていただきました』

 「エタナ。 ふふ⋯⋯瑞稀ちゃんらしいな⋯⋯彼女に伝言お願いしてもいい?」

 『はい。 どうぞ』

 「⋯⋯⋯⋯」


 私の体から、小さな光が出てきました。


 私たちは、それが見えなくなってもしばらく見つめた。 


 さようなら『私』ーー


 でも、急に湊に話すの恥ずかしいな。 そうだわ。 『私』のマネをしよう。


 「よし、じゃあ行こう!」

 「⋯⋯おいおい。 結局なにも変わってないような気がするんだけど?」

 「うん! 私は私の影響を受け過ぎたみたい。 だってあっちは前世の記憶ありだよ! 最近まで、記憶がなくたって、長生きしてるのはあっちだし、性格も引っ張られるよ! ⋯⋯湊はこんな私、嫌い?」

 「大好きだよ! 大好きだ!」


 こうして、二人だけの静かな文化祭が幕を閉じるのでした。


 これからは『私』じゃなくて、私の文化祭だ。 今頃、瑞稀たちは何をしているのかしら?



 

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