文化祭の案内をしよう!
「ああ、もう。 大変だった⋯⋯」
嵐のようなミスコンテストに優勝した私は、ベンチで休憩していた。 直前まで、榊原会計に追われていたので、疲労感がいっぱいである。
しかし私はこの後、友人と約束があるのだ。 私は待ち合わせ場所に向かったのだった。
「あ! みずちゃん。 お疲れ様」
「舞香ちゃん。 こんにちは」
64、文化祭の案内をする
そう、私が高校生活でやりたいこととは、まさにこれだよ。 後輩である舞香ちゃんに、文化祭の案内をする。
私の憧れてたことが今ーー
「あ、やっと見つけたわ。 倉石瑞稀」
「えっと。 貴方は黒田凛さん⋯⋯」
「学校案内よろしくね? 生徒会長さん」
うう。 こんなことってないよ~ 私が期待してたのは、仲良く戯れあいながらの見学だったのにーー
「どこに行くのかしら?」
「⋯⋯キャンセルで」
「え? なにか言ったかしら?」
「キャンセルだ!」
私は逃げた。 ごめん舞香ちゃんーー
「⋯⋯これが貴方の案内ね⋯⋯」
「⋯⋯! ついて来るだと⋯⋯」
「みずちゃん⋯⋯あんまり早くないよ⋯⋯」
そんな! 私はいつも逃げ切っているのに。
「多分みんな瑞稀ちゃんと、遊んでるだけだよ⋯⋯」
「⋯⋯相手に同情されるなんて哀れな奴⋯⋯」
そうだったのかーー
「あれ? 舞香。 お友達と一緒?」
「お姉ちゃん! 今みずちゃんと一緒に、文化祭を周っているんだ」
「瑞稀。 私から逃げたと思ったら、妹の方へ行くなんて⋯⋯」
え? 彩乃、なにその表情? そんな表情は健太に見せなよーー
「ふ~ん。 ここの食べ物まあまあね⋯⋯」
「ゴホン。 お客様、ご期待に添えられて光栄です」
「まあ。 褒めて遣わすわ」
そう言えば、食べ物で思い出したけどーー
ミウミウの方は順調だろうか?
この文化祭の指揮役の彼ーー今川太一さんから、お願いされてたことだけど。
「ここの廃棄は今の所大丈夫?」
「ああ、廃棄物ね。 残念ながらここに⋯⋯」
彩乃が廃棄予定の場所を指すと、そこにはモグモグと食事をしているミウミウがいたーー
「う~ん。 美味しいですわ~ こちらのご飯は誰か作ったのです? 食べると体が喜びますわ~」
「あれ? これってなんだろ⋯⋯凄く心がポカポカするわ」
「お姉ちゃん! 大丈夫?」
彩乃が勝手にときめいている中、ミウミウがなぜか、凛と口論になっていた。
「なんですの! それは私のなんですわよ!」
「だったら、名前は? どこにも書いてないけど?」
「ムキー! こうなればやけくそですわ!」
「コラ! ミウミウ大人気ないよ。 すみません。 黒田凛さんこちらを」
「⋯⋯凛でいいわよ。 倉石さん」
そう言うと、笑顔で口に食べ物をほうばるのであった。
「次はこちらへ⋯⋯ってナニコレ?」
「はあ? 生徒会長が知らないものを、私が知るわけないでしょ? 案内人失格ね」
「わあー。 すっごい立派なお寺!」
いや? ここはふれあい広場だったはずーー
「この地に災いが起きた時。 かの山の名系である川端家は立ち上がり、我々下賤な民をお救い下さいました。 今代川端ことね様も、その系譜であらせられるわけであり。 神子様の意思は絶対⋯⋯」
「吉澤さん。 これはなんですか?」
「これはこれは。 下賤な民の代表じゃないですか? 観てわかりませんか、これは説法というものです」
「いや、この建物について⋯⋯」
「おや? 貴方も興味がおありで? そうでしょ、そうでしょう。 この境内はことね様の偉業を伝える、文化遺産として⋯⋯永劫に語り継がれることでしょう」
「つまり違法建築って訳」
「⋯⋯なんだとこのガキ。 なにもんじゃ!」
「私は事実を言ったまでなんだけど?」
「貴様! よくも神聖なる境内を違法などと⋯⋯潰すぞ?」
ああ、やめて! 喧嘩しないで! 喧嘩するんだったら私のいない所でしてよ!
「みずちゃん⋯⋯大変だね。 私、ミウミウと一緒に文化祭周って来るね!」
そんな! 舞香ちゃん! 私を置いてかないで~




