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予言の少年だぁあれ  作者: ラード
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1話 日常

「健二!いい加減起きなさいよね!ママが作った美味しい朝ごはんが冷めちゃうでしょ!」


 僕の名前は田中健二(たなか けんじ、どこにでもいる男子高校生である。


 まぁ……少し普通と違う部分で言えば今僕を起こしに来ている彼女の存在であろう。


 僕は物心つく前に両親に捨てられた。


 聞いた話だが、貧乏で僕を育てられなかった両親が近所の少し裕福な家に殴りこんで僕を育ててもらえないかと懇願したらしい。


 その結果僕は養子として早川家に住むことになったらしい。


 なぜ、養子なのに名字が早川ではないのかと言うといつでも実の両親が迎えに来てもいいように名字をそのままにしてくれているらしい。


 まぁ~僕が17歳になっるまでのこの期間で一度も実の両親から連絡がきたことはないが。


 早川家は家主のイケメンである早川庄司はやかわ しょうじさんと庄司さんの美人妻である早川美幸はやかわ みゆきさんと、二人の娘であり、今現在僕を起こしに来ている美少女の早川はやかわ もも

 の三人家族とモブ顔の僕の4人家族である。


 血がつながっていないので当たり前なのだが、他の家族と比べると容姿が……くそぉ!ふて寝してやる!


 「自分に失望したからあと10分ねる!!」


 日頃の鬱憤を吐き出しながら僕はより深く布団をかぶる。

 

 「あんた何言ってるの?いいから早く起きなさい!」


 僕は深くかぶっていた布団を勢いよくはがされ、布団の中で時間をかけて育てていた熱気が一斉に逃げていき、新しく僕の元へとやってきた寒波のおかげで僕の脳は覚醒していく。


 ぱっちり冷めた僕の目に一番最初に映ったのは僕の汗や涙やテッシュでは拾えなかった子供たちがしみ込んだ布団をまるで闘牛士のように掲げる美少女の姿だった。


 やっぱり……かわいいな……。


 よく一緒に住んでいればどんな美少女でも飽きて恋愛感情がわかないといわれているが……ノンノンノン!


 それはきっとその女性がちょっとカワイイくらいの女性だったんだろう!でも桃は違う!なんせ超絶美少女なのだ!


 彼女は学校で僕以外の男子全員に告白されたと噂されているくらいの超絶美少女なのだ!


 そんな超絶美少女である桃と一緒に暮らしたらどうなるのか……そんなの決まっている。


(惚れてまうやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!!)


 僕の脳内に巻き起こる目の前の少女に対するあふれんばかりの感情に蓋をして、脳を冷静へと持っていく。


 「オハヨウ!モモ!オコシテクレテアリガトウ!」


 僕の完璧すぎる感情の偽装に桃はなぜか顔を引きつらせる。


 「なんで片言なわけ?」


 そんな少し変わった早川家の日常に僕の口角は自然と上がってしまう。


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