表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変な宇宙人から好かれすぎてて困ってるんですけど!(トーキング フォー ザ リンカーネーション後日談 エンディングルート1)  作者: 弐屋 中二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

98/264

優しいから

ファイ子とチリは気絶したままのヘラナと寝室で寝てしまった。外の景色も夜になり、婆ちゃんは部屋から何処かへ出ていった。俺もソファで寝ようかなと思っていると、ショラから手招きをされて、テレビモニターを見るように言われる。そこには日本のニュース番組が映っていて、男性キャスターが深刻な表情で

「地球と月の間に現れた虹色の霧状の物質ですが、次第に大きくなっています。今日はこの問題について、エリンガ人専門家のビョヌークバセル第一旧帝政大学宇宙工学科教授を呼んでいます」

スーツの上からでもわかる筋肉質な坊主の中年大男が出てきて、画面に大写しになった宇宙空間に広がる虹色のガスのようなものえお見て

「……さっそく、現状わかっていることを解説いたしますと、霧状物質はワームホールではないかということです。エネルギーパターンが非常に我らが使うワープポータルと似ています」

キャスターが堪えながら驚く。さらに教授は深刻な表情で

「既に国際連邦の調査船が派遣されていますが、ワームホール周辺にはケイオス粒子と呼ばれる機械や人体に有害な微細な物質が高濃度で漂っており、近づけません」

番組を見ていた俺もさすがに気付く。地球の危機だろこれ!?どう考えてもワームホールから何か出てくるやつだろ!ショラは苦笑いしながら

「アレから出るんはわしらや」

と言った。俺はショラを思わず二度見した。


「今わしらが居る世界の主、龍のパーくん、正式な名前はパウジャミルっていうんやけど、この子はな。元々は反物質世界の住人なんや」

言っている意味が少しわからないが頷くと

「でな、その世界に大好きな龍のお母さんが居たんやけど、こっちの世界の地球に来たと知ったから、わざわざ反物質世界から追って来たんよ」

「地球にあんなデカい龍の母親が!?」

つい声をあげるとショラは頷いて

「サイズはあんなにはないけど、間違いなく母親やな。パーくんが何でガニメデの第三層海で足止めされていたかというとな」

「はい……」

「深刻な次元間移動病にかかっていて、それをついさっき治すまで、姿を隠していたんよ。まあわしも、みーちゃんから聞いて知ったんやけど」

「病気って棒立ち子のことですよね?」

「そやで。ナニコちゃんが地球の単位で数年治そうとしていたけど、治せなかったんを、わしらが退治したな」

さすが言いたいことはもうわかる。

「つまり、病気が治ったパウジャミルがあのワームホールを通って、母親を探すために地球に襲来すると……」

これはとんでもない事態になるんじゃなかろうか……。ショラは笑いながら首を横に振り

「パーくん優しいから襲来やないよ。ただ地球の周回軌道を日陰を作らんように泳ぎながら、地上にいるはずの米粒みたいな母親を宇宙からひたすら探すだけや」

「いやでも核兵器くらいは余裕で撃たれそうですけど……」

ショラは笑いながら頷いて

「その辺りの対策は今みーちゃんがしとるで」

と言った。ショラはモニターのチャンネルを変えて

「ニホンの番組がテレビで見れるのはな。ナニコちゃんがケイオス粒子を操って、無理遣り距離的なギャップを埋めとるからなんやけど、ということはつまり、こっちの番組を向こうに映すことも可能やろ?」

画面にはスーツを着て緊張した面持ちのニャンヒカルが映っていた。背景は白い壁だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ