表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変な宇宙人から好かれすぎてて困ってるんですけど!(トーキング フォー ザ リンカーネーション後日談 エンディングルート1)  作者: 弐屋 中二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/264

とてつもないポンコツ

近づいてきたチリは困った顔で

「エネさんの服無いなら、私はいいって言ったんだけど……」

エネはチリの身体の後ろに隠れながら

「さあ、いっ、行きましょう……」

と早くも行こうとするので、見かねた爺ちゃんが

「わしたちが、イメージの服を纏っているのは分かるね?」

エネは、顔を真っ赤にして頷く。

「できない?」

エネは、恥ずかしそうに小さく頷いた。爺ちゃんは俺の背中を押して少し離れると

「とてつもないポンコツじゃなあ……」

「そうなの?」

「えいなりの方が強いまであるぞい」

いやそれはないだろ苦笑いすると

「そもそも、有能なら全員分の着替えをまず用意するじゃろ?」

「たしかに。でも急だったし」

爺ちゃんは苦い顔で首を横に振り

「手配すると言ってくれれば、待ったわな。それにな。チリちゃんに服を譲った後も、ギリギリまで制服を着ていれば良かろう?なぜ全裸でくる必要がある?」

「焦ってたんじゃない?」

「そう、余裕が全くないんじゃよ。これが有能な戦士かね?」

確かに違うと思う。爺ちゃんは大きくため息を吐いて

「ファイ族の実情が心配じゃわ」

と呟くと、チリたちに近づいて

「行こうかね」

と言った。チリが真剣な顔で

「私、先頭で真ん中エネさん、その後ろお爺さん、右横にえいなりで、囲っていけばいいんじゃない?」

チリに隠れたエネは申し訳無さそうに

「私が先頭でないと、手続きが……」

爺ちゃんが難しい顔で

「今からでも、ワープ用の服を用意していいんじゃが」

エネは首を横に振り

「今から戻ると、怪しがられるかと……」

「いや、我々は良いんじゃが、あなたは本当にいいんかね?」

エネは耳まで真っ赤にして頷いた。チリが

「ファイ子ちゃんは何か言ってる?」

「駅入ってから無言だな。寝たのか?」

肝心なときに見てないようだ。


というわけで、全裸のエネが先頭にたち

俺はチリに遮ってもらいできるだけ見ないようにするが、まるで少年の様な引き締まった背中と尻はチラチラ見えてしまう。

エネは覚悟を決めたようで、手で隠すのもやめて、堂々と胸を張っているが、身体は若干震えていて、耳まで真っ赤になっている。

爺ちゃんは気を使って

「えいなりはみんようにしとるし、わしは長年婆さんに絞られて枯れとる。気にせんでいきなさい」

というが、エネは背中を向けたまま

「こ、この光に入れば、ま、まずは、3.5次元新宿地下ワープポータルに、い、移動します……」

黙って次の言葉を待つと

「そ、そこは、たくさんのエリンガ人や、少しの地球人が、い、います。はぐれないように、わ、私についてきてくだふぁい……」

緊張で最後声がおかしくなっているエネを心配したチリが

「エリンガ人は服なくても大丈夫なんだよねっ?捕まらない?」

と聞いてしまう。エネは前を向いたまま全身を真っ赤にして頷いて、そして線路の上を流れる太い光に、逃げるように飛び込んで行った。

「そもそも、衆目の中にわしたちを全裸で連行しようとしてたんじゃから、自業自得じゃなあ………」

と呆れ顔で言った爺ちゃんが俺とチリの手を握り光の中に引っ張り込む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ