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どこが好きなのよ

「なんで裸だったの?」

焼きそばパンを吹き出しそうになる。

そう、屋上のベンチにファイ子、俺、チリで三人並んで昼飯タイム中だ。

ファイ子は真面目な顔で

「質量を減らすため以外に理由がありますかあ?」

と返してきた。チリは困惑気味に

「逆効果でしょ?あんな裸見せたら」

ファイ子は腕を組んで

「いやしかし、男性ホルモンの上昇量は低かった。でも私の体型は地球人に魅力的なのは確か。うーん……えいなりはどう思いますかあ?」

いきなり尋ねられて、しばらくむせたあとに

「いや、驚きすぎて裸なんて見てる余裕なかったって」

「ほんとー?えいなり結構エッチだよね」

チリが疑惑の眼差しを向けてくる。

「あのなあ、俺だって好みが……」

ファイ子ごじっと見つめてきて言葉に詰まる。また泣かれたらたまらない。

「女の子の体のどこが好きなのよっ」

チリが頬を赤らめていきなりぶっ込んできた。しばらく固まってから

「う、うなじとか、唇とか」

できるだけ無難に答えるとファイ子が真面目な顔で

「男性ホルモン上昇量のデータから、股やお尻、胸やふとももが好きなのはわかっていますう」

「やっぱりエッチだっ」

二人から左右に見られて、青空を見上げるしかない。


「ファイ子ちゃんはさっ、どうやってえいなりを落とすつもりなのー?」

チリが少し意地の悪い顔で尋ねるとファイ子は毅然とした態度で

「私の人格を好きになってもらいますう」

と言い切った。チリはニヤニヤしながら

「じゃ、私は体から好きになってもらおっ」

ファイ子は愕然とした表情になり

「そ、そうかあ、チリさんをライバルとして想定するとハンデが大きすぎるかもしれない……なんてこと……」

ブツブツと呟き出した。

そして意を決した顔になると、余裕の表情のチリに

「三億円、非課税の白いお金であげるから、どこか好きな場所に行ってくれませんか?」

とんでもないことを言い出した。


俺が焦って、こいつなら三億用意できるかもしれない。いやいやいや待て待て、どうせ嘘だろ!?などとあたふたしている横で

チリはしばらく本気で悩んだあと

「ごめんっ。それ無理」

と断ってくれてホッとする。チリがいないと変な異星人に付きまとわれている俺の高校生活は間違いなく暗黒になる。

ファイ子は残念そうに

「だとするとお、拉致して記憶改変を……」

「待て待て、それやったら許さんからな!」

俺が立ち上がって諌めると、ファイ子は残念そうに頷いた。本気でやりかねない。

チリは面白そうに

「拉致じゃなくてさー。今度、ファイ子ちゃん主導でどこかに3人で行こうよ。面白いとこに連れて行ってよ」

と言った。俺が呆れていると

ファイ子は嬉しそうに

「そうですねえ。技術力の差を見せれば、えいなりも考えを変えるかもしれませんー」

嫌な予感しかしないことを言ってきた。



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