タイミング
ヘラナが全く心配ないどころか、爺ちゃんにとてつもなく甘やかされているとわかったので、ヘラナは3.5次元に置いて、俺たちは元の世界に戻ることにした。
忘れていたがこっち世界は深夜だった。デパートの屋上の鍵を開け、屋上に出て爺ちゃんがどこかに電話するのを見ていると
UFOが迎えに来て、屋上までタラップを伸ばしてきたので乗り込む。爺ちゃんは大丈夫だと言って残った。UFOの操縦者は以前あったことのある赤髪の男で、最低限の事務的な会話だけで先ずチリを、そして俺をそれぞれの自宅近辺に下ろし去っていった。
自室ではナニコがRPGをまだやっていた。体力とか身体の強さからして違うんだろうなと思いながら俺は寝る準備をして寝る。
…
気付いたら
仏間で正座していた。目の前には着物を着た若い頃の婆ちゃんが居る。
「えいなり、お小遣い欲しくない?」
何でか俺は婆ちゃんの意図から何でそんな提案したかまで完璧に理解してしまった。
「婆ちゃん、百万円でヘラナは売らないよ」
婆ちゃんはニッコリ笑って
「爺ちゃんに秘密の株券が一億あるの。これでどう?」
「……婆ちゃん、俺にそんな提案してくれることが嬉しいけど」
首を横に振ると、婆ちゃんは嬉しそうに
「安い男に育ってなくてよかったわ。じゃあ、最後の提案よ。誰にも邪魔されず、自由に使える空間を提供するわ」
「どのくらいの広さ?」
「そうねえ……うちの敷地くらいで、時間の進みが半分なの。チリちゃんとやりたい放題よ!」
婆ちゃんはウインクしてくる。その、やる の意味がどういうことなのかはアレとして
「……婆ちゃん、ヘラナの身体で爺ちゃんに悪いことするんだろ?俺も高校生だからわかるよ」
婆ちゃんはすっとぼけて
「何のことかしら」
「婆ちゃん、別の身体じゃダメなの?」
婆ちゃんはニッコリと微笑むと
「その言葉を待っていたわ」
と言ってきた。
朝起きると、まだナニコはゲームをしていたがサッとヘッドフォンを取り
「えいなりー私も行くよー」
と言ってきた。何でも夢の中の婆ちゃんの話では、桜塚町とかいう海と山に囲まれた田舎町に行って、その町の神社と墓地をみてきてほしいとのことだ。そうすると新たな身体が見つかるらしい。ナニコは鼻息荒く
「大事なことだからねー」
と言ってくる。よくわからないが、駅7つくらいの近さなので、ナニコと朝食を食べ、出かける準備をして、玄関を開けると、何故か麦わら帽子とワンピースを着たファイ子が立っていて
「えいなりサマーデートしましょうー!」
と言ってくる。タイミングが悪すぎる。




