バイトせんか?
その後
高校へ行く準備を済ませ、母親と制服を着た女子たちと一階で朝食を食べる。話を聞くとチリとファイ子のカバンと教科書等はナニコがワープで取ってきて、ヘラナの制服はチリの予備のものらしく確かに丈も短いし、微妙に横幅もあってない。高校に紛れ込んでみるそうだ。母親によるとショラはセインの雑居ビルの一室に住むことになり、ナニコは二階で寝ていて、父親は早朝の農作業へ、爺ちゃんは婆ちゃんと仏間で寝ているらしい。エネはどうなのかと聞いてみると、ここ数日は爺ちゃんや父親と普通に作業着で農作業しているそうだ。ゲッソリとした爺ちゃんが部屋に入ってきて
「スイさんや……納豆卵掛けご飯を頼む……あと牛乳も……タンパク質を取らねば……」
「お義父さん、朝から大丈夫ですか?」
爺ちゃんは黙って頷いた。ちゃぶ台の横に座ると
「えいなりや。今日は学校に行きなさい。わしの軽自動車で送っていくから」
俺は頷いた。
カレンダーを見ると3日しか経っていなくて土日も挟んでいるので、実質1日休んだだけだった。半月くらい異世界にいた気がするが、気のせいかな……と思いながら何事もなかったかのように授業を受け、夕方部室でダラダラ漫画を読む。一緒に居るが、ファイ子とチリは今日は大人しい。ヘラナは朝に校舎に一緒に入ってからは姿を見ない。多分すぐ爺ちゃんと帰ったんだろうなと思いながら、部活を終え、いつものように三人でそれぞれ別れていき帰宅して、1人で、自宅の自室に戻ると、続編希望と達筆な書体で書かれた黒Tシャツを着たショラが座っていた。
「あ、どうも」
「いきなりですまんけど、セインちゃんが芸能事務所設立したからなあ。事務所名は予定通りショラゲンドールやで」
「そうですか……」
としか言えない。
「わしこっちで戸籍ないから、社長は永住権とっとるセインちゃんにしたわ。スリーピースキンダーズはある程度、事態が収まったら、こっちに連れて来る予定や。それはそうとな」
「はい」
「セインちゃんの市内の持ちビルにスタジオ作るから、バイトせんか?そこ、最近買ったんやって」
「あー……」
迷っているとショラは
「日給1万だそうや。ただなあ、そのビルがちょっと面倒らしくてなあ」
とニヤリと笑った。




